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農経しんぽう |
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令和6年11月11日発行 第3528号 |
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第7回農業機械の安全対策に関する検討会開催/厚生労働省 |
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厚生労働省は5日、同省にて第7回農業機械の安全対策に関する検討会を開催した。同検討会では、農林水産省が令和3年5月に取りまとめた「農作業安全対策の強化に向けて中間とりまとめ」で車両系農機や農機作業の安全性の確保が指摘されたことを受け、その安全対策などについて検討を重ねている。当日は、中央労働災害防止協会技術支援部技術顧問の梅崎重夫氏を座長に、一般社団法人日本農業機械化協会技術顧問安全本部長の氣多正氏や農研機構農業機械研究部門安全検査部部長の志藤博克氏ら13人の専門家が参集し、意見を交わした。 厚生労働省は最初に、検討に当たっての論点として、(1)農業機械の構造に関する規制をどう考えるか(2)農業機械の構造要件を維持するための規制をどう考えるか―の2点を提示し、前回(令和6年9月)の議論を整理した。 そして、(1)の検討内容として、▽操作ミスがあっても事故に至らないようにする観点から構造規制を優先的に検討すること▽環境要因や人的要因は「構造規制として規定することが難しいもの」として整理すること▽農研機構の安全基準とダブルスタンダードにならないようにすること▽施行までの猶予期間や現存する機械への適用については、メーカーが製品を設計・製造するための猶予期間を検討すること―などを示した。 規制内容や対象機種については、農研機構が行う安全性検査と足並みをそろえていく方向性を確認。また、現在使われている農機への対応については、日農機協の氣多氏が「ずっと使用できるようにするのか、期間を区切りそれ以上は使えないようにするのか、どちらもあってしかるべきだ。各農機について、個別に考えていかなければならない」と述べ、さらなる検討を求めた。 厚生労働省は併せて、規制の対象を検討するための資料として、機種別の年間出荷台数1万台当たり農作業死亡事故件数等のデータを提出した。それによると、現段階で対象機種の候補としてあがっているスピードスプレヤー(SS)、農用高所作業機、乗用トラクタ、農用運搬車、自脱型コンバインの5機種は、いずれも高い事故件数を示しており、参集者からは「対象機種として妥当であることが裏付けられた」などの意見が出された。 (2)については、農業機械に対する定期的な検査や点検等の必要性、頻度や内容についての考え方などを検討した。 使用時点検が重要であることについては合意したが、定期自主検査や特定自主検査については見解が分かれ、今後、さらなる議論を続けていくこととなった。
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米、果樹の減少懸念/農林水産省・食料・農業・農村政策審議会企画部会 |
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農林水産省は6日、東京・霞が関の農林水産省講堂で、食料・農業・農村政策審議会企画部会(第112回)を開き、食料・農業・農村基本計画の策定に向けて農地、人、技術に関する課題を検討した。農林水産省からは、供給能力確保に向けた品目別の現状分析・克服すべき課題・検討の視点に関する資料が提出され、農業経営体の減少や新規参入において、特に米、果樹の将来展望に懸念が示された。 農林水産省によると、基本計画の検討において、「農業者の急速な減少が最大の課題」と位置づけた。農業経営体の減少(2030年のすう勢)について、すう勢ベースでは、農業経営体は全体として大きく減少し、2020年の108万から2030年には54万経営体に半減する見込みであり、経営規模の拡大がない場合、2020年と比べて約3割の農地が利用されなくなるおそれがあると試算した。 農業経営体の減少の影響は品目によって異なるが、現在の主業・副業等別の作付面積のシェアは、米、果樹において準主業・副業的経営体の割合が高い。その準主業・副業的経営体の年齢構成をみると60歳以上が大宗を占めており、全ての品目で農業経営体が減少する中、特に米、果樹で今後大きな影響が見込まれると指摘した。 新規就農・新規参入の状況についても、新規就農者(新たに農業に従事することになった個人)の数は減少傾向。特に、高齢の稲作・果樹関係者が大宗を占める新規自営農業就農者(親元就農)が大きく減少している。一方で、土地・資金を独自調達した者は増加傾向にあり、年に複数回生産でき、面積当たりの付加価値が大きい野菜に集中。また、企業の新規参入の状況をみても、付加価値が大きい野菜が最も多いとし、「いずれにしても、これまでどおりのすう勢では新規就農・参入で既存の経営体の減少をカバーできない見通し」だと懸念した。 技術面に関しては、スマート農業技術の開発・普及促進において克服すべき課題として、▽スマート農業技術を導入してその効果を最大化するためには、畝間を広げる、樹形を変える、当該技術に合った品種に転換するなど、農業者自らが従来の生産方式そのものを積極的に見直す必要▽生産性の向上に不可欠なデータを活用した農業の普及がいまだ不十分▽スマート農業技術の開発に当たっては、開発難易度が高い分野も多く、開発に膨大な時間を要する▽中山間地域をはじめ、生産現場において労働力不足の課題を抱える中、農業者の労働力のみで生産水準を維持することは難しい▽専門作業の受注等を行うサービス事業は、立ち上げ時の負担が大きいことや、単一品目・作業の受託だけでは収益性が低いなど事業モデルが未成熟▽生産コストの面からも、農業機械において共同購入を通じた価格抑制が必要―などをあげた。
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第1回米ワーキンググループを開催/農林水産省 |
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農林水産省は5日、東京・霞が関の農林水産省内で、適正な価格形成に関する協議会第1回米ワーキンググループを開き、米の合理的な費用を考慮した価格形成について検討した。 会議では、農林水産省内で、から、10月24日の適正な価格形成に関する協議会での主な意見が紹介された。 それによると、生産者からは、▽米や野菜を含め、このまま何の対策も打たない場合には供給の持続性に支障が生じる、ということを前提として議論をさせていただきたい。米の適正な価格での安定供給が、消費者・生産者の双方にとっていかに重要であるかは、今夏の状況を見ても明らか▽米は今年高値ということではあるが、30年前の価格に戻ったというようなことを言う生産者もいる。ここ30年で様々な物の価格が上がっている中で、これからも持続可能な生産を続けるために、今回のワーキンググループで活発な議論をしたい▽米価回復に伴って、作付面積は増えていく関係性があると思っていたが、去年から今年にかけて価格が上がる中で、西日本の作付面積は逆に減少しているというデータが発表され、驚いている。中山間地区の方が生産コストが高いという点が反映されている可能性があり、持続的な生産が危ぶまれている、という懸念を持つ。WGで専門的な観点から議論いただきたい―といった意見があった。 小売業者からは、▽スーパーマーケットが企業価値を損なわず、消費者に良い商品を「納得価格」で提供できる体制を構築していただきたい。生産者も消費者も納得がいく価格の形成を目指し、米・野菜についてもそれぞれWGを立ち上げて、議論を行っていただきたい―などの発言があった。。 消費者からは、今回、需給バランスが崩れただけで、結果として価格上昇などの変化が起きてしまっている。そのような不測の事態の対応も常に念頭に置きながら、生産者を支えて消費者が安心できる持続的な食料システムのあり方を考えていただきたい―と要請があった。
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実りのフェスティバル、2万人来場/農林水産省、日本農林漁業振興会 |
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農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会の共催による、令和6年度(第63回)実りのフェスティバルが1、2の両日、東京都豊島区のサンシャインシティワールドインポートビル4階展示ホールAで開催され、2日間で2万人が来場した。都道府県、農林水産関係団体が、郷土特産物の展示、即売、試飲・試食などを行い、消費者にアピールした。 出展した都道府県、JAグループは、米、野菜、果実、畜産物、酒類、農産加工品など、地域自慢の特産品などを展示、販売を行い、都心の消費者らに、秋の実りを紹介した。試食の提供には列ができていた。
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保護者の食育も重要/内閣府・食育に関する世論調査 |
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内閣府は1日、「食育に関する世論調査」の結果概要をとりまとめて公表した。同調査は、今年7月25日から9月1日に全国の18歳以上3000人に郵送で実施し、1656人から回答を得た。 それによると、「食について最近1カ月の間に話題にしたことはあるか」という問いに対して、「栄養バランスや食生活について」を話題にしたと回答した人が57・7%と最も多く、「食材について」(46・4%)、「料理レシピなどの調理について」(40・7%)、「食品の安全性について」(35・8%)の内容が続いた。「食品ロスについて」を話題にした人は25・1%、「農林水産業や生産者について」を話題にした人は10・9%に留まった。 「乳児や幼児に対する食育に関して、どのような取り組みが必要だと思うか」という設問には、「保護者が食について学ぶ機会の充実」と回答した人の割合が71・8%と高かった(図)。ほかには、「保育所・幼稚園・認定こども園などでの給食の実施・充実」49・8%、「保育士・幼稚園教諭・保育教諭やそれらを目指す学生の食に関する指導力の向上」43・4%、「保育所・幼稚園・認定こども園などと、食育に取り組む民間企業や地域の方々との連携強化」40・5%、「乳児や幼児が食生活や食文化について学べるコンテンツの充実」30・7%、「乳児や幼児向けの農林漁業体験などを含む食に関する体験活動の提供・充実」27・2%など。 小・中学生に対する食育の取り組みについては、「児童・生徒が食生活や食文化について学べるコンテンツの充実」56・0%、「保護者が食について学ぶ機会の充実」53・7%、「学校給食における地場産物の利用拡大など、学校給食の充実」51・7%、「家庭科などの教科や給食の時間などにおける栄養教諭と連携した食に関する指導の充実」47・2%、「栄養教諭をはじめとする教職員やそれらを目指す学生の食に関する指導力の向上」42・6%、「小・中学校と食育に取り組む民間企業や地域の方々との連携強化」40・4%、「学校教育活動を通じた農林漁業体験の提供・充実」36・4%、「学校農園の整備・活用の推進」20・7%などとなっている。 「食品メーカーや食品スーパー、外食・中食などの民間企業が発信する食育情報について、何から発信すれば手に入れやすいと思うか」という設問については、「テレビや新聞による広告」が64・5%、「食品スーパーなどの店頭ポスターや店内ディスプレイ」56・0%、「食品スーパーなどの陳列棚における表示」47・5%、「インターネット広告」38・3%、「食品の容器包装における表示」37・9%などが上位にあがった。 「どのような工夫があれば、食や農林水産業への理解を深めることにつながる農林漁業体験に参加したいと思うか」という設問については、「体験費用が無料または安価であること」が55・2%、「食品工場や加工施設の見学・試食などと合わせて体験できること」が49・1%、「近場で日帰りできること」が47・1%、「郷土料理を食べたり、農山漁村に宿泊して食文化や体験を楽しんだりするなど農山漁村に親しむ機会があること」37・1%など。一方、「参加したいと思わない」と答えた人は10・9%。内訳は、男性が13・4%、女性が8・5%で、男性の割合が高かった。
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多面的機能アピール/農林水産省・食料・農業・農村政策審議会企画部会 |
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農林水産省は10月16日、同省7階講堂で第111回食料・農業・農村政策審議会企画部会を開催し、基本計画の策定に向けた検討の視点について議論した。 基本計画は、概ね5年ごとの変更としており、前回の変更(令和2年3月)から間もなく5年となることから、現在、見直しに向けた動きが進んでいる。ここでは「食品産業・消費における環境負荷低減」「多面的機能の発揮」「農村の振興」について、検討の内容をみる。 ◆食品産業・消費における環境負荷低減 食品産業・消費における環境負荷低減のポイント2点と、主な課題、検討の視点は次の通り。 (1)食品産業における環境問題等への関心の高まり 課題=▽環境負荷低減等に対する意識が国際的に高まる中、こうした配慮に欠ける事業活動には、取引先からの取引停止や資金調達への支障が生じる恐れ▽特に持続可能性に配慮した輸入原材料調達については、従前から、コストが割高、かつ短期的には直接的な売上向上につながりにくい 検討の視点=▽製造工程における脱炭素化や環境負荷低減等に資する技術の導入等を行う取り組みを促進▽鉄道・船舶輸送をはじめ、多様な輸送モードを活用したモーダルシフト等を推進▽環境等の課題について、国際的なルール形成に積極的に参画するとともに、官民が連携して取り組みの拡大を図っていく▽特に持続的可能性に配慮した輸入原材料調達については、消費者への啓発により、環境等の持続可能性に配慮した原材料が使用された食品の需要拡大を図るとともに、セミナーの開催や優良事例の横展開等により、企業の取り組みを後押しする (2)食品ロスの削減 課題=▽事業系食品ロスに向けては、発生抑制の取り組みと、それを進めてもなお発生する未利用食品の有効活用の取り組みを図る 検討の視点=▽事業系食品ロスについては、発生抑制の取り組みに向けて、納品期限の緩和、賞味期限の延長、賞味期限表示の大括り化などの商慣習の見直し徹底等を進めるとともに、食品事業者による未利用食品の有効活用等に向けて、食料寄附の取り組み内容の見える化や、食品企業側の負担軽減を目的とした物流事業者等関連事業者と連携した仕組みの構築などが必要 ◆多面的機能の発揮 農業の多面的機能の意義について国民理解を促進し、農業政策の推進に理解・協力を得ることが重要であるとし、検討が必要な事項として次の2点をあげた。 (1)多面的機能の認知度 課題=▽政策において多面的機能が真に重要な意味を持つためには、多面的機能について広く国民の理解を得ることが必要である。一方で、外部経済効果として発揮される多面的機能は、その価値が一般的にわかりにくい側面がある 検討の視点=▽農業の多面的機能に係る国民理解促進を加速するため、パンフレット配布、イベントでのパネル展示、小学校での教育などさらなる情報発信を通じて、国民への理解の促進を図る
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「有機農業の日」PR/農林水産省 |
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農林水産省はこのほど、12月8日の「有機農業の日(オーガニックデイ)」を前に、特設サイト(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/yuki1208/yukinohi.html)を開設した。 「有機農業の日」は、皆が農業の未来について考え、有機農産物を活用した給食の提供や有機食品の販売促進、情報発信などに取り組むなど、有機農業の推進につながる行動を起こすきっかけとなることを目指し、有機農業推進法が成立して10周年となる2016年に制定された。 今年は「有機農業の日」である12月8日を中心とした11月18日〜12月13日を特化期間に設定し、国産有機食品の普及・販路拡大を図ることとしている。特設サイトでは、同取り組みに賛同する自治体、企業・団体などによる取り組み内容を掲載するとともに、情報の提供なども呼び掛けている。 主な掲載内容は次の通り。 (1)学校給食における有機農産物の利用の推進 特化期間において、学校給食で有機農産物の提供を予定している自治体の取り組み内容を掲載。 掲載自治体例=北海道舞別町:12月4日に町内全小中学校で有機農産物(野菜)を使用した給食を提供予定、埼玉県所沢市:11月15日から令和7年2月7日、市内全小中学校で有機農産物(かんしょ、ネギ、ニンジン、ダイコン、ばれいしょ)を使用した給食を提供予定、兵庫県丹波市:12月2日から12月19日、市内全小中学校で有機農産物(米)を使用した給食を提供予定、大分県臼杵市:11月から令和7年3月、市内全小中学校で有機農産物(ニンジン、かんしょ、サトイモ、ダイコン)を使用した給食を提供予定など (2)有機食品の販売促進 特化期間において、店舗やECサイトなどで、有機食品の販促活動等の取り組みを予定している事業者・団体を掲載。 掲載事業者例=イオンリテール(株)/イオンアグリ創造(株)、(株)おとうふ工房いしかわ、コープデリ生活協同組合連合会、桜井食品(株)、天神農園、日本農産(株)、(株)マルモ青木味噌醤油醸造場など (3)有機農業関連イベント 特化期間において、全国各地で開催予定のイベント情報について掲載。 掲載イベント例=ブランチオーガニックマーケット(宮城県、12月7日)、第39回小川町農業祭(埼玉県、11月23日)、「有機農業の日」オーガニックを学ぼう!体験しよう!楽しもう!(兵庫県、12月7日)、環境にやさしい農業推進セミナー(香川県、12月6日)、第17回オーガニックフェスタかごしま2024(鹿児島県、11月23・24日)など
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ロシアの農業政策/農林水産政策研究所・令和5年度カントリーレポート |
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農林水産政策研究所はこのほど、「令和5年度カントリーレポート:EU、フランス、ロシア」(2024年5月)を取りまとめて公表した。この中から、第4章「ロシア―西側諸国との間に深まる溝とその影響」の概要をみる。 ◆農業生産動向 ロシアの2023年の穀物と豆類を合わせた生産量は1億4265万トン。過去最大を記録した2022年には及ばないものの、それに次ぐ記録的な収穫量となった。 ロシア穀物取引市場では、2023年7月からカーギルやバイテラ、ルイ・ドレフュスといった西側のメジャーが相次いで撤退するという波乱が起きたものの、市場を揺るがすような大きな影響はみられなかった。むしろ、23〜24年度の前半を終えた段階で、ロシアからの穀物輸出は記録的な3670万トンとなることが見込まれている(表)。 ◆種子自給率 ロシア政府は、国内で作付けされる農作物の種子を、高い比率で欧米の種苗会社に依存している現状を憂慮して、種子の自給率を高めていく方針を取っている。これを実現するため法の整備が進められ、2023年9月1日に新しい育種法が施行された。それによると、農作物として利用される全ての固定種と交配種は、分子遺伝学的検査を経て国家リストへの登録が義務付けられる。登録の際に発行される遺伝パスポートは、種子が一般に流通して利用されるために不可欠となり、これがないと輸入も許可されない。 この新しい育種法では、農作物種子の生産から保存、輸送、換金、サービスの提供を含む利用まで、農業省が運営する連邦国家情報システムを通して、一元的に管理される。 ◆黒海穀物イニシアチブ 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、ウクライナからの穀物供給を停滞させることによって、世界的な食料危機の可能性を引き起こした。この危機的状況を回避するために、同年7月22日、対立するロシアとウクライナおよび調停役のトルコと国連の間で、「黒海穀物イニシアチブ」が結ばれた。締結国と国連は、黒海に面するウクライナの3つの港(オデーサ、チョルノモルスク、ユージュヌイ)から輸送される食料と肥料の安全な輸送を保証することや、公平な取引を監視する目的で共同調整センターを設置することで合意した。120日ごとに条約内容を確認して、見直しが行われる。それと並行して、ロシアと国連の間では、経済制裁の解除を求めるロシア側の要求を盛り込んだ「ロシア・国連覚書(メモランダム)」が交わされた。有効期間は3年間で、ロシア側から主に次の5つの要求がなされている。 ▽ロシアの銀行および財政機構のあらゆる障害を撤廃すること(特にロシア農業銀行のSWIFT〔国際銀行間通信協会〕への速やかな接続)▽農業機械、設備一式、また肥料製造分野における部品のロシアへの供給を再開すること▽ロシア船とその積荷に対する不利な航行料と保険料の設定を改善すること、またそうした物流の障害を取り除くこと▽ロシア産の肥料とその原料の自由な供給を可能にすること。特にトリヤッチ=オデーサ・アンモニアパイプラインを再開すること▽農業分野に関するロシア資産の凍結を解除すること。 先述の「イニシアチブ」によって黒海に確保された「人道回廊」を通して、ウクライナの穀物は順調に輸送されたが、「メモランダム」の内容は何も実現されていないことを不服として、ロシアは2度目の「イニシアチブ」延長を決める2023年3月18日に、有効期間を60日に短縮することで継続に合意した。3度目の延長を決める5月18日には、ロシアにとっては友好国であり、「イニシアチブ」では仲介役を務めるトルコの大統領選挙直前だったことから、交渉の決裂は回避されたが、4度目の延長期限前日の7月17日に、ロシアは「イニシアチブ」からの離脱を表明した。「メモランダム」の示す条件を国連が満たしていないことが、その理由であるとしている。あくまでロシア側の立場としては、「イニシアチブ」は決して破棄されたわけではなく、国連側が「メモランダム」の条件を満たしさえすれば、いつでも交渉を再開する用意があるとしている。 ◆アフリカへ食料供給 黒海穀物イニシアチブをめぐる議論では、ウクライナから輸出される穀物の大半は、EU諸国や中国、トルコなど、経済的に豊かな国に輸出されており、実際に食料危機に瀕しているような貧しい国には届いていないということが、「人道的」な配慮を謳う「イニシアチブ」の欺瞞を追及するロシア側の論拠として、しばしば指摘されていた。そうした面と合わせて、ロシアではアフリカ諸国に穀物や肥料を供給することによって、ロシアこそが世界の食料安全保障に貢献していることを示す努力がなされている。 2023年7月27〜28日には、アフリカ諸国の首脳をサンクトペテルブルグに招いて、第2回ロシア・アフリカサミット会合が開催された。その席では、医療、教育、安全保障と並んで、農業におけるロシアとアフリカ諸国の協力が約束された。会議に出席したロシア肥料生産者協会の代表は、今後5年以内にアフリカ諸国への肥料供給を倍増させるとしている。 また、このときプーチン大統領は、世界食料プログラムの一環として、アフリカ6カ国に無償の穀物援助を約束しており、同年11月にはソマリアとブルキナファソに各2万5000トンの小麦が船で搬送された。今後、マリ、ジンバブエ、中央アフリカ、エリトリアに向けて、合計20万トンの小麦が送られる予定になっている。 ほかにも、同年3月には2万トンの肥料がマラウイに、5月には3万4000トンの肥料がケニアに、それぞれ無償で送られた。
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1万台当たりの死亡事故/厚生労働省 |
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厚生労働省は、5日に行われた第7回農業機械の安全対策に関する検討会で「農業機械による事故・労働災害発生状況等」の資料を提出した。この中から、農機種別の年間出荷台数1万台当たりの農作業死亡事故件数と、休業4日以上の死傷災害事故件数をみる。 下表は、平成27年から令和4年までの8年間の農機出荷台数1万台当たりの事故・災害件数を算出したもの。農作業死亡事故数を第1優先順位、休業4日以上の死傷災害事故数を第2優先順位として、件数が多いものから順に並べた。 これによると、スピードスプレヤー(SS)は、8年間の出荷台数が2万4239台、農作業死亡事故件数が54件、1万台当たりの農作業死亡事故件数は22・28件と高い値となった。これに続き、農用高所作業機は同出荷台数1万1376台、同事故件数20件、1万台当たりの農作業死亡事故件数17・58件。乗用トラクタは同出荷台数29万5635台、同事故件数405件、1万台当たりの農作業死亡事故件数13・7件。農用運搬車は同出荷台数7万6119台、同事故件数80件、1万台当たりの農作業死亡事故件数10・51件で、いずれも1万台当たりの農作業死亡事故が2ケタとなっている。 一方、休業4日以上の死傷災害事故件数が多いのは、ネギ収穫機やニンジン収穫機などで1万台当たりの事故件数は35・17件。農用高所作業機も同11・43件で、高い結果となった。 【出典】 農作業死亡事故件数=厚生労働省の「人口動態調査」の調査票情報(平成29年〜令和4年の6年間分)を利用し、農林水産省がまとめた情報を再集計したもの、休業4日以上の死傷災害件数=事業者から所管の労働基準監督署へ提出された休業4日以上の労働者死傷病報告の情報(令和2〜4年の3年間分)を集計したもの
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畑の獣害対策SGハウス販売/キャムズ |
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(株)キャムズ(太田雅章社長・滋賀県栗東市六地蔵709の3)が販売している、獣害防止柵「SGハウス(猿避け・作物ガードハウス)」は、猿やカラスなどから作物を守れると好評を博している。同品は高い強度を誇る「WMフェンス」の天井部分を樹脂ネットで覆い、側面はもとより、猿・カラスを含む上部よりの獣害から大切な作物を守る。 WMフェンスは、同社が開発したワイヤーメッシュフェンスの獣害防止柵で、同品には金網特殊加工(BL仕様・折り曲げ加工)を施している。そのため加工なしのものに比べて強度が数倍増している。 またBL仕様により、持ち運びの際も揺れがなく楽に運べ、大幅なコスト削減にもつながる。ちなみに同品はNETIS(国土交通省・新技術情報システム)登録製品である。 SGハウスは家庭菜園や小規模の畑に最適だ。 支柱には土中式の胴縁パイプを使用し、頑丈な作りになっている。天井ネットは積雪などに合わせて取り外しもできる。同品は畑の大きさや被害状況など、要望に合わせて作成するセミオーダータイプのため、正鵠を射た獣害対策がとれる。 問い合わせは同社(TEL077・551・0517)まで。
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常温煙霧機に新製品/有光工業 |
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有光工業(株)(有光大幸社長・大阪府大阪市東成区深江北1の3の7)のハウス内で使用する「常温煙霧機 ハウススプレーシリーズ」が好評だ。同社は「ファン一体型」に加え、ハウス内に設置した循環扇を利用することでノズル部をコンパクトにした「循環扇利用型」を新発売した。 常温煙霧とは、熱源を用いることなくコンプレッサーなどで薬液を細かい煙状の霧にして散布する方法。同製品はノズルから超微粒子状の農薬を噴霧し、フォッガー部の送風によってハウス内の空気を循環させることで、薬液を隅々まで均一に行き渡らせることが可能だ。作物が繁茂しても隙間に粒子が流れるので、葉の裏表の付着効果が期待できる。 製品の特徴は、(1)タイマーによる無人運転。農薬を調合しスタートボタンを押すだけで始動(2)10アール当たり散布水量は約5〜10リットルで多湿になりにくい(3)ハウス内に均一散布するので飛翔する病害虫が天井、壁、隅などに逃げ込んでも効果を発揮。また薬班や薬害の発生が少ない(4)熱による農薬の分解がない―など。 対応面積はハウスの形状や作物、使用農薬などによって異なるが、目安として、ファン一体型は約15アールと約30アールに対応した2機種。循環扇利用型は7アール(オプション使用で最大21アール)に対応している。 〈ファン一体型LVH製品仕様〉▽タンク容量=7リットル▽吐出量(1台分/1分間)=50〜55ミリリットル▽電源=3相200ボルト(15CNHタイプ=2キロワット/30CNHタイプ=4キロワット) 〈循環扇利用型FNLV製品仕様〉▽タンク容量=7リットル▽吐出量(1分間)=45〜50ミリリットル▽電源=単相AC100ボルト ▽問い合わせ=同社TEL06・6973・2010
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農産物の包装・出荷にメリヤスネット袋販売/田中産業 |
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田中産業(株)(田中達也社長・大阪府豊中市浜1の26の21)は、農産物の包装・出荷用メリヤスネット袋「ノビルネ nobirune」の全国一斉販売を始めている。 大量輸送袋などの農業資材、堆肥環境資材、農作業着(Bloom・ゴアテックス)など、これまで農業の生産現場で必要不可欠な商品を確立してきた同社は、ここでメリヤスネット袋という新たな商品を提案する。 新商品「ノビルネ」は、玉葱用(本体色:K赤または赤)、玉葱・みかん用(K赤)、スィートコーン用(緑)と3種のネット、そして種籾消毒袋(青・赤・黄・緑・白)をラインアップする。 新商品の主な特徴は以下の3点。(1)通気性が良く、強度抜群(2)ネットの下部に把手があり、持ち運びが楽(玉葱、スィートコーン用)(3)色展開・ラベル付きで管理が簡単―など。 玉葱ネットの主な対象内容物は玉ネギ、芋、カボチャ、赤系の根菜。他にタコ、貝類など水産物にも適する。玉葱・みかんネットは玉葱、芋、柑橘類、赤系の根菜、貝類などに対応。スィートコーンネットはトウモロコシ、豆類に最適である。 種籾消毒袋は、玉葱ネットに比べて太い糸を採用し、生地を丈夫にしてある。同袋は最大18キロまで梱包可能。主な対象内容物は種籾消毒用である。 【玉葱ネットの概要】▽品名=玉葱▽型式・容量=10キロと20キロ▽本体色=K赤および赤▽規格=35×60(20キロ用は42×82)▽仕様=口ヒモ・白把手付▽入数=1000(20キロ用は500) 【玉葱・みかんネットの概要】▽品名=玉葱・みかん▽型式・容量=2キロ、3キロ、5キロ▽本体色=K赤▽規格=23×30(2キロ用)、23×40(3キロ用)、30×45(5キロ用)▽仕様=口ヒモ▽入数=2000 【スィートコーンネットの概要】▽品名=スィートコーン▽本体色=緑▽規格=38×65▽仕様=口ヒモ・白把手付▽入数=1000 【種籾消毒袋の概要】▽品名=種籾消毒袋▽本体色=青・赤・黄・緑・白▽規格45×65▽仕様=トワインロープ・ラベルあり(なし)▽入数=500 問い合わせは同社(TEL06・6332・7185)まで。
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家庭用もちつき機が好評/みのる産業 |
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みのる産業(株)(生本尚久社長・岡山県赤磐市下市447)の販売する家庭用もちつき機「つき姫」が、手軽に楽しく、しかも美味しいお餅ができると好評だ。同機にある「むす」「つく」のボタン操作だけで、高品質なお餅ができるというのが人気の秘密である。また同機を使えば3合(丸餅10個分)のお餅が作れるため、「家族で食べきれる手頃な量だ」と高い評価を得ている。 つき姫を使った餅づくりは以下の作業で簡単にできる。(1)150ミリリットルの水を同機に投入する(2)ホッパーとハネをセットする(3)餅米を投入(4)フタをして「むす」ボタンを押す〜約15分で蒸し上がり(5)フタをはずし「つく」ボタンを押す〜約10分で餅がつきあがる。 ちなみに「むす」「つく」はそれぞれ終了すればアラームが鳴るため、時間を計る必要はない。この簡単さから誰もがいつでも餅づくりを楽しめる。 同社は1970年(昭和45年)に日本で初となる蒸す・つく一体型の家庭用もちつき機を開発・発売。以来、OEMを含めて600万台以上のもちつき機を製造した企業として、日本独自の食文化であり古き良き風習である餅つきの楽しさを後世に残す役割も果たしている。 つき姫は2015年の発売以来、2万4000台を突破(2022年3月時点)する売れ行きをみせている。同機は同社HP内の「ダイレクトショッピング」もしくは公式オンラインショップ「みのるセレクション」で購入できる。価格は2万4900円(税込み)。 【つき姫の仕様諸元】▽名称・愛称=3合もちつき機 つき姫▽カラー=アイボリーホワイト、ピンク▽適用=卓上型▽電動機=電熱装置:500ワット▽電源=AC100ボルト50/60ヘルツ共用▽電動機の定格時間=15分▽もちつき能力=もち米540ミリリットル(3合)▽蒸し時間=約15分▽もちつき時間=約10分▽機体寸法=幅21×奥行22×高さ30センチ▽コードの長さ=1・4メートル▽重量=約4・3キロ▽ボイラーの定格容量=150ミリリットル▽付属品=むし容器、もちあげくん、のし板、ビニール手袋、取扱説明書
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運搬車のプロトタイプ発表/城南製作所 |
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(株)城南製作所(宮本聖一社長・長野県上田市下丸子866の7)が開発中の「FOLLOONE(フォローン)」は、操作不要で前方の人物を検知し、その後方を自動で追従走行を行う運搬車。重量物を頻繁に持ち運ぶ作業の大幅な省力化、効率化を実現する。先ごろ、千葉県千葉市の幕張メッセで開催された農業WEEKにおいてコンセプトモデルを初公開し、追従性の正確さに多くの来場者が関心を寄せた。 同社は、自動車用機構部品を設計・製造してきた長年の実績と技術力を活かし、正確で安全な新時代の自動追従運搬車を開発。ブドウやリンゴ、モモなど果樹の収穫作業に貢献し、作業負担を大幅に軽減することが可能となる。今後も果樹のみならず、露地野菜などの作業の省力化、効率化の実現に期待が高まる。 フォローンは、〈Follow(追従)〉+〈Drone(ドローン・小型無人車両)〉という名の通り、前方の人物を検知し、その後方を追従するよう自動で走行・旋回する運搬車。誰でも扱えるよう、ボタン1つで自動追従モードが作動。あとは操作不要で、最大150キロの荷物を積んでピッタリ後ろをついてくる。特許出願中の独自センシング技術により高速応答と安全性を両立し、作業に最適な距離及び速度での追従を可能にした。 荷台がいつも手の届くところにくるため、重い収穫物の持ち運びや頻繁な載せ替え作業が不要となり、作業時間や身体的負荷を大幅に削減することができる。長野県工業技術総合センターとの共同研究により、果樹の収穫でフォローンを使った場合に、身体的負担が半減することが科学的に確認された。 誰でも簡単・安全に使えるフォローンにより「従来の2人作業を1人に」、「同じ時間で作業量が2倍」、「身体に負担が掛かる運搬の負荷の解消」といった生産性向上を目指す。 基本的に切り替えボタンのみで操作するため、誰でも簡単に使用できる。追従モードにより、前方のセンシングを開始。前方のターゲット(作業者)の移動に合わせ、自動で前進、旋回を行う。ターゲットが止まれば作業しやすい手元で停止。ターゲットのすぐ側で止まるため、収穫作業をストレスなく行うことができる。 作業に合わせて調整可能な拡張式荷台フレーム、傾斜に強いクローラ式を採用し、現場のニーズに応えた機能を有する。 また、特許出願中の超音波センサー(ぶつかる前に停止)、接触検知センサー(足元の石などに対応)、緊急停止ボタンなどにより、ケガや事故を未然に防ぐ安全性にも優れている。 その他、Honda製の着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を採用し、誰でも簡単かつ安全に現場で使えるスマート農機を目指す。 収穫作業だけでなく、防除散布や施肥作業など、一年中使用することができる。 【仕様】 ▽機体寸法=全長1325×全幅980×全高710ミリ(荷台最大時)▽荷台高さ=535ミリ▽車両重量=170キロ▽最大積載量=150キロ▽登坂能力=30度(空荷時)▽走行速度=0〜6キロ 同機は現在開発中であり、正式販売に向け、試験導入する農家や、提携する販売代理店を募集している。詳しくは同社事業企画部事業推進二課(TEL070・2831・6182)まで。
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YANMAR DESIGN みらいのけしき展開催/ヤンマーホールディングス |
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ヤンマーホールディングス(株)(山岡健人社長)は東京・八重洲のYANMAR TOKYO地下1階「HANASAKA SQUARE」でヤンマーデザインを結集した「YANMAR DESIGN みらいのけしき展」を15日まで開催している。7日、報道関係者向けの内覧会で、初公開の原寸大コンセプト・トラクタ「YPV―L」などを紹介した。
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副社長に花田氏/クボタ・1月1日付役員異動 |
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(株)クボタ(北尾裕一社長)は8日開催の取締役会で、2025年1月1日付の代表取締役並びに役員の異動、2025年3月下旬(第135回定時株主総会終了後)予定の役員異動を発表した。 内容は次の通り。(氏名敬称略) (2025年1月1日) ▽代表取締役副社長執行役員機械事業本部長、イノベーションセンター所長(取締役専務執行役員、機械統括本部長、企画本部副本部長、イノベーションセンター副所長)花田晋吾▽機械事業本部副本部長 取締役専務執行役員研究開発本部長、グローバル技術研究所長、イノベーションセンター副所長木村浩人▽取締役社長特命(代表取締役副社長執行役員企画本部長、人事・総務本部長、KESG推進担当、本社事務所長)吉川正人▽同社長特命(取締役副社長執行役員機械事業本部長、イノベーションセンター所長)渡邉大▽同社長特命(取締役専務執行役員水環境事業本部長、イノベーションセンター副所長、東京本社事務所長)吉岡榮司▽モノづくり本部長(生産技術本部長)常務執行役員山本耕一▽イノベーションセンター副所長 常務執行役員トラクタ事業部長、トラクタ技術統括ユニット長、研究開発本部副本部長市川信繁 ▽機械事業本部副本部長、製造統括本部長、生産技術ユニット長(生産技術本部副本部長、機械統括本部副本部長)常務執行役員東隆尚▽常務執行役員(執行役員)カスタマーソリューション事業部長飯塚智浩▽同HR本部長、機械事業本部副本部長、本社事務所長(執行役員人事・総務本部副本部長)太田旬治▽同管理本部長、管理部長(エグゼクティブオフィサー〈以下EO〉企画本部副本部長)(株)クボタデータグラウンド社長滝川英雄▽同(EO)パイプシステム事業部長市川孝▽同水環境カンパニー長、東京本社事務所長(EO、水環境総括本部長)近藤渉▽機械統括本部長、管理本部副本部長 EO機械統括部長佐々木倫▽水環境統括本部長(経営企画部長)EO和田光司 ▽EO調達本部副本部長 クボタマシナリートレーディング(株)社長塩見泰章▽EO(クボタリサーチアンドディベロップメントノースアメリカCorp・社長)トラクタ第三事業ユニット長岩田州之助 なお、新任代表取締役に就任予定の花田晋吾氏の略歴は次の通り、 〈花田晋吾氏(はなだ・しんご)略歴〉 1963年11月14日生まれ。1989年3月東北大学法学部卒。同年4月同社入社。2015年4月トラクタ事業推進部長、17年1月大型トラクタ事業推進部長、18年1月汎用事業ユニット長、汎用事業推進部長、19年1月執行役員トラクタ第三事業部長、20年2月同トラクタ第三事業推進部長、21年1月クボタホールディングスヨーロッパB・V社長、クバンランドAS社長、22年1月常務執行役員、クボタノースアメリカコーポレーション社長、クボタトラクターコーポレーション社長、23年3月同社取締役常務執行役員、24年1月取締役専務執行役員(現任)、機械統括本部長(同)、企画本部副本部長(同)、イノベーションセンター副所長(同)
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新潟クボタが協賛/フードメッセにいがた |
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第16回目となる食の国際総合見本市「フードメッセinにいがた2024」が新潟市朱鷺メッセで開催され、423社415小間が出展。出展社には、協賛した(株)新潟クボタのグループ会社である(株)新潟農商の他、業界関係企業からは、(株)タイガーカワシマ、大紀産業(株)、バンドー化学(株)、中井機械工業(株)、マックス(株)などが小間を設けた。 同展は、2007年の開催以来、「より良い食を求めて」をテーマに、各地域の食品、食材を活かした産品の販路拡大を支援するほか、商品化に必要な厨房・機器や容器・包装の展示、農業の「6次産業化」に向けた取り組みなど、新潟と全国を結ぶビジネスチャンスの場として回を重ねてきた。同時開催として、第11回にいがた6次化フェア2024も行った。「6次化」を対象にした専門展示会は全国で唯一。 業界各社の出展内容をみると、新潟農商は、県内各地で生産され、自社で集荷、検査、精米した県産米をPR。タイガーカワシマは、海産物の洗浄時に発生する海産物由来の泡立ちを、マイクロバブル+水流で軽減するシルキーウォッシュなどを出品。バンドー化学は食品工場などで使用される各種搬送用ベルトを用途ごとに幅広くアピールした。大紀産業は食品電気乾燥機などとともに、出来上がりの食品サンプルを展示。中井機械工業は第53回機械振興賞・中小企業長官賞を受賞した加熱式ミキサー「ホットミックス」やカスタードクッカー、餅つき機などを陳列。マックスは食品ラベルプリンターや紙の針で閉じるホッチキスで来場者の耳目を集めた。
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秋田農機ショーで新製品発表/タイガーカワシマ |
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(株)タイガーカワシマ(川島廣大社長・群馬県邑楽郡板倉町籾谷2876)は1日、第147回秋田県種苗交換会の協賛行事、第76回秋田県農業機械化ショーの同社出展小間において、前処理洗浄機「アクアウォッシュ・ライト」TWS―LS200、袋押し機「パックアシスト」C―PA20の新製品発表会を行った。前処理洗浄機は、道の駅や農産物直売所への出荷前洗浄や農産物の加工前洗浄の省力化を目的とした製品。袋押し機は同社選別計量機「パックメイト」のオプション品として袋の移動の労力を軽減する。 発表会の冒頭、川島社長は、参集した出席者に謝意を表し、能登半島地震の被災地の1日も早い復興を祈念したのち、「少子高齢化が進む中、農家の皆様が少しでも快適にしていただけるよう持続可能な農業に貢献することを目指している。現時点での全国平均の作況指数が102となっており、今年の稲作は例年以上の収穫が期待されている。このような好調さを背景に新商品がさらに農家の皆様の生産性向上と高品質な農作物を支える一助となることを願っている」などと挨拶した。 続いて、技術部の関口文隆部長による新製品説明と実演に移った。アクアウォッシュシリーズは、既存のバブリングや高圧噴射では得られなかった食品へのやさしさと抜群の洗浄力を両立した製品。水道水・循環水・エアーをひとつのエジェクタから同時に低圧噴射させることで発生する同社独自の「クリアウェーブ水流」で葉物野菜の洗浄も可能にしている。洗浄槽に野菜を入れて、スイッチオンで洗浄開始。噴射量はバルブをひねるだけで調整できる。 洗浄ノズルの位置は槽の上部、下部の2通りで、手軽に位置を変更でき、浮き物、沈み物に関わらず使用できる。枝豆の表面汚れや虫の除去、セリの根元汚れ、サトイモの表面汚れなど、多くの野菜に幅広く対応する。 洗浄によって出た比重の小さい異物は槽上部からオーバーフロー水とともに流れ出て、ごみ取りネットにて回収。異物を除去した水は循環水として再利用する。泥などの比重の大きい異物は槽下部のスノコ下に沈澱させ、水流のまき上げによる再混入を防ぐ。底に溜った異物は、槽の底の排水口を開放することで排出。水道水と循環水の併用で節水にもつながる。 製品は工具なしで分解できるため、清掃も簡単。前処理洗浄機「アクアウォッシュ・ライト」TWS―LS200のサイズは1500×800×850ミリで、TWS―LS500(1960×900×1140ミリ)をコンパクト化し、キャスター付きで移動可能。より限られたスペースでの前処理洗浄を実現している。実演では、セリとホウレンソウを洗浄した。 袋押し機「パックメイト」C―PA20は、同社の選別計量機パックメイトで計量した米袋をコンベアで米袋用昇降機「楽だ君」等に移動させる際に使用する。これまでは手で袋の上部を持ちながらコンベアで横移動させていたが、重量のある米袋の初動に作業者の負担が掛かっていた。 パックアシストを設置し、同機のペダルを足で踏むことで米袋を押し出して、初動をアシスト。コンベア移動をより楽に行える。米袋の取り出し方向に合わせた取り付けも可能となっている。 会の結びにあたり、営業部の荒井昌宏部長は「弊社は生産者、消費者、作業者のことを第一に考え、開発、営業活動をしている。弊社の製品に一人でも多くの方が興味を持っていただければ幸いである。社員一同、展示会に関わるスタッフ一同、ますます精進していく」と意気込みを述べた。
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スウェーデンでバッテリーシェアリング実証実験開始/本田技研工業 |
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本田技研工業(株)(三部敏宏社長・東京都港区南青山2の1の1)と、スウェーデンで交換式バッテリー搭載電動2輪車のレンタルおよびシェアリングサービスを展開するGoCimo(ゴーシモ・本社:スウェーデンストックホルム市)は、スウェーデンのマルメ市において2025年2月より1年間の予定でバッテリーシェアリングサービスの実証実験を実施する。 今回の実証実験は、欧州におけるバッテリーシェアリングサービスの受容性、および今回新たに試験運用するバッテリー交換ステーションの適合性に加え、サービス事業としての成立性の検証を目的に実施する。 Hondaが欧州で販売する電動2輪コミューター「EM1 e:(イーエムワンイ―)」を用いて、マルメ市内3カ所に設置するバッテリー交換ステーション「Honda Power Pack Exchanger e:(パワーパックエクスチェンジャーイー)」で、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)」のバッテリーシェアリングサービスの検証を行う。 この実証実験でHondaは、EM1 e:を30台、モバイルパワーパックイーを60個、パワーパックエクスチェンジャーイーを3基など、ハードウエアとシステムを提供するとともに、これらのアフターサービスを担当する。 Gocimoは、都市物流市場の拡大によるデリバリー・運送業におけるCO2排出量増加や交通渋滞などの課題解決を目的に2022年に設立。これまでにスウェーデンの2都市(ストックホルム市・ヨーテボリ市)で、バッテリーシェアリングサービスを展開している。 この実証実験でGocimoは、バッテリーシェアリングサービスの運営、顧客獲得活動、顧客管理、バッテリー交換ステーションの設置場所の確保などを担当。 また、HondaとCocimoは今回の実証実験を通じ、欧州市場における長期的なパートナーシップの可能性も含めて検討を開始していく。 Hondaはこれまでに、日本、インド、インドネシア、タイでバッテリーシェアリングサービスを展開しており、今回のスウェーデンでの実証実験開始に伴い5カ国目となる。 今回のGocimoとの取り組みを皮切りに、欧州の大都市で法人ユーザー向けを中心にHondaの製品を用いたバッテリーシェアリングサービスを拡大していくことで、欧州における2輪車の電動化促進と、交換式バッテリーの普及を目指し、モビリティの電動化をサポートするとともに、低炭素社会の実現に貢献していく。 執行職2輪・パワープロダクツ電動事業統括部長の三原大樹氏は、「Hondaはグローバルでの電動2輪車普及を進めており、今回のGocimoとのバッテリーシェアリングサービスの実証実験で欧州における電動2輪車の新たなビジネスモデルを構築することにより、それを今後事業化し欧州地域全体へと展開していくことで、電動2輪車とHonda Mobile Power Pack e:の普及を加速させていく」と、コメントしている。
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子ども絵画コンクール入選作を絵はがきに/井関農機 |
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井関農機(株)(冨安司郎社長・東京都荒川区西日暮里5の3の14)は10月に開催した第29回さなえ全国子ども図画コンクールで全国最優勝賞、優秀賞、特別賞など、「全国賞」を受賞した16点をカラー絵はがきにして、受賞者はじめ関係者に配布した。 これは、同コンクールが29回目を迎えたことから、将来に向けて一段と充実を期すために、審査委員から「1回きり展示ではなく、世界に1枚しかない貴重な作品であり、入選作品は絵はがきのように記録に残るかたちにしてはどうか」との提案があり、これを受け実現したもの。 来年は30回目の佳節を刻む。奮っての応募が期待されよう。 なお、第29回の受賞者、入選作品、年齢、居住地などは本紙10月14日付に掲載。
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障害保険3年に延長/丸山製作所 |
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(株)丸山製作所(内山剛治社長・東京都千代田区内神田3の4の15)は6日、ハイクリブームやステレオスプレーヤの新車購入時に機体に無償で付けている「特定乗用具搭乗中のみ補償傷害保険」の期間を、10月から3年に延長したと公表した。これは、購入ユーザーに安心して使用してもらうための措置で、従来は1年間だった。同社は、引き続きアフターメンテナンスの強化および顧客サービスの向上に努めていくとしている。 「特定乗用具搭乗中のみ補償傷害保険」の期間は、製品納入日より3年間で、保険料は同社が負担する。同機購入ユーザーの手続きは、製品に付属している申込用紙『特定乗用具搭乗中のみ担保傷害保険「付保通知書」』に必要事項を記入し、同社営業所もしくは販売店に提出する。 個別の問い合わせ先の窓口は、https://www.maruyama.co.jp/contact/index.html。 対応機種は次の通り。 ▽ハイクリブーム=BSA―501/501J/501Lシリーズ、同600シリーズ、同651/951シリーズ、同651C/951C、同662C/1062C、同2000C、同3000C ▽ステレオスプレーヤ=SSA―E50/54シリーズ、同Z500/550、同α605シリーズ、同Z650シリーズ、同F617シリーズ、同E1002α、同α1005シリーズ
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通期予想は72億円/タカキタ・中間決済 |
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(株)タカキタ(藤澤龍也社長・三重県名張市夏見2828)は10月31日、2025年3月期第2四半期(中間期)決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比6億6700万円減少し36億2200万円(前年同期比15・6%減)となった。利益面では、売上高の減少に加え、人件費の増加や製造原価高により、営業利益は前年同期比2億3900万円減少し2億7800万円(同46・2%減)、経常利益は前年同期比2億3400万円減少し3億1000万円(同43・1%減)、中間純利益は前年同期比1億8700万円減少し1億8500万円(同50・3%減)となった。 なお、自己資本比率は81・0%(前期同期は76・1%)。 通期の業績予想は、売上高72億円(同15・1%減)、営業利益4億7700万円(同51・0%減)、経常利益5億2700万円(同48・9%減)、当期純利益は3億2900万円(同52・5%減)とし、2024年4月30日に公表した業績予想を下方修正した。 決算概況は次の通り。 当事業年度は、長期経営計画「Offensive120」における中期事業計画の2年目であり、『やり切る執念 次代へ挑戦 Offensive120』をスローガンに、売上・利益の拡大、業務改善と生産性の向上、人的資本への投資、部門経営の高度化、社会貢献に取り組んでいる。 農業機械事業においては、農家経営に対して深刻な影響を及ぼす肥料や飼料価格の高騰が続いており、農家の投資マインドが低迷する厳しい市場環境の中、新製品の投入効果や国の環境政策「みどりの食料システム戦略」に関連する有機肥料散布作業機等の土づくり関連作業機の伸長があったものの、畜産・酪農市場向けの牧草梱包作業機等の売上が減少し、国内売上高は減収となった。
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アシストスーツの体験相談会開催/ダイドー |
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一般社団法人アシストスーツ協会(飯田成晃代表理事)の会員企業である(株)ダイドー(追田尚幸社長・大阪府河内長野市上原町250の2)は、アシストスーツの導入相談と同時に複数の体験が可能な、アシストスーツ個別体験相談会を11月19日まで、同社大阪営業所(大阪市中央区)にて開催している。相談会では、豊富なラインアップから最適なアシストスーツを提案。試着し体感することができる。 【アシストスーツ個別体験相談会概要】 ▽開催期間=2024年11月5日(火)〜11月19日(火)※土・日・祝を除く▽時間=9時〜16時▽形式=完全予約制▽参加費=無料▽申込み方法=ダイドーホームページより
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ヤンマーデザイン戦略を発表/ヤンマーホールディングス |
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ヤンマーホールディングス(株)(山岡健人社長)は8日から15日まで、東京・八重洲のYANMAR TOKYO地下1階「HANASAKA SQUARE」でヤンマーデザインを結集した展覧会「YANMAR DESIGN みらいのけしき展」を開催している。開催に先立ち7日には、報道関係者向けのヤンマーデザイン戦略説明・内覧会があり、同社取締役CBOブランド部長の長屋明浩氏と、ブランド部デザイン部長の土屋陽太郎氏がヤンマーデザイン戦略について説明した。 会場には初公開の原寸大のコンセプト・トラクタ「YPV―L」を展示。運転席に大型モニターを設置し、他の自動運転農機などを同時にコントロールする司令塔としての役割を持たせた。完全自動化に向けたキャビンレス仕様を想定し、作業場所や作業者のニーズに合わせたカスタマイズを可能にした。 また、今年1月に発表した無人の小型農機「e―X1」や、リニューアルしたヤン坊マー坊の立体像を並べた。さらに自然の力を最大限に活かして環境負荷を低減する次世代ヨットの映像や、ヤンマーが制作する商業アニメ「未ル わたしのみらい」に登場するロボットの原寸モデルも初公開した。 開催に先立ち7日に行われた報道関係者向けのヤンマーデザイン戦略説明・内覧会では、同社取締役CBOブランド部長の長屋明浩氏と、ブランド部デザイン部長の土屋陽太郎氏がヤンマーのデザイン戦略について説明した。 同社は社内外、企業、一般生活者をステークホルダーと捉え、巻き込みながら共に歩む、ブランド価値を向上させることを目的に、人々に共感・信頼してもらえるデザインを目指してきた。 このたび、長屋氏が中心となって提唱した機械本来の機能的な価値や意味を重視する「本質デザイン」という考え方に基づき、次世代ヤンマーデザインのありたき姿を視覚化した「YANMAR PRODUCT VISION(YPV)」を発表。 YPVから生まれたデザイン要素とこれまで同社が培ってきたデザイン要素を融合させたプラットフォームを構築することで、農業機械や建設機械、ボート、各種サービスなど同社のプロダクトに順次適用していく予定だ。 みらいのけしき展で初披露しているコンセプト農機「YPV―L」は2035年の農業・建設機械の未来を見据えた革新的な設計思想による先行デザイン。ひとつのパワーユニットに頼らない、作業をするうえで最適なパワートレインを選んでいく。 また、ヤンマーは基本的に多燃料化をターゲットにしている。それに対応できるのが今回のコンセプトになっている。 「YPV―L」はあらゆるパワートレインに対応し、エアレスタイヤに空洞部分を設けることでエンジンと冷却系との距離を引き離し、冷却効率を高めた。キャビンポジションは高い居住性と自由度の高いトレッド設定を実現している。 土屋氏は「農作業がこれから劇的に進化していくことを想定し、新しい時代にともに働く相棒となるようなデザインを追求した。将来的にはすべての事業製品で、デザイン開発の効率化を図っていく。共通のデザイン思想を通して顧客価値の最大化を目指していく」と説明した。 同社は、今年で創業から112年目となる。創業者である山岡孫吉翁は農家の負担を減らして人に貢献することを目指し、人や社会のために様々な機械の開発を手掛けてきた。 長屋氏は「私たちデザイナーも創業者と同じ気持ちだ。有人無人を問わず機械というものは人が操作する道具。キャビンを共通化し、できるだけオペレーションを簡素化することで、人が直感的に操作しやすくすることを重視した。柔和剛健(人に対して優しく、課題に対して剛健になること)で、より使いやすくてタフな作業を実現させたい」と話した。 今回、新たな取り組みとして「本質デザイン」の考え方に基づき、YPVに含まれるデザイン要素をプラットフォーム化することで、部材・設計の共通化に加え、未来の作業を見据えた新たなインターフェイスによる直感的な操作性や居住性も向上させていく。また、開発工数の効率化や、コスト削減にも寄与していく。 これらの考え方をヤンマーの事業領域である大地(LAND)・海(SEA)・都市(CITY)に重ねてそれぞれの分野のプロダクトに展開し、持続可能な社会の実現を目指していく、としている。
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分析サービスお試しキャンペーンを実施/サタケ |
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(株)サタケ(松本和久社長・広島県東広島市西条西本町2の30)は、11月1日より12月21日までの期間にSAXESシリーズ(乾燥機・光選別機)を新規契約した人を対象とする「分析サービスお試しキャンペーン」を実施している。 サタケは、2018年に大規模生産者向けの遠赤外線乾燥機および籾すり機「SAXES」シリーズを発売。その後、大型遠赤外線乾燥機「SAXES―V」、汎用乾燥機「SAXES―XD」、光選別機「SAXES Knight」とシリーズ拡充を図り、好評を博している。 日頃の愛顧に感謝して、現在「SAXES」シリーズ(乾燥機・光選別機)の新規契約者向けに「分析サービスお試しキャンペーン」を行っている。 キャンペーンの内容は、11月1日より12月21日までの期間中に、SAXES乾燥機・SAXES光選別機を新規契約すると、分析サービスパッケージ「コメドック」の基本セットを1人当たり最大2検体まで無料で利用することができる(通常1検体:税込み2万3650円)。 「コメドック」は、米の品質・価値に関するデータを数値化し、高品質・高付加価値化に向けた提案を行うサタケ独自の分析サービス。診断結果には、品質に関する評価や説明のほか、統計データとの比較や栽培・乾燥・調製・保管・精米など各工程の具体的な改善提案が記載され、生産した米の品質確認や工程の改善などに役立てることができる。 キャンペーンの概要は次の通り。 〈期間〉2024年11月1日〜2024年12月21日 〈対象者〉期間中にSAXES乾燥機・SAXES光選別機を新規契約した人 〈対象商品〉SAXES乾燥機・SAXES光選別機(遠赤外線乾燥機SDR―X・Vシリーズ、光選別機SAXES Knightシリーズ) 〈特典〉契約者1人当たり、分析サービスパッケージ商品「コメドック」の基本セットを最大2検体まで無料で申し込み可能(通常分析料金1検体税込み2万3650円)
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サンパティオに新色ローズピンク追加/サカタのタネ |
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(株)サカタのタネ(神奈川県横浜市都筑区仲町台2の7の1)は、インパチェンス属の栄養系品種「サンパティオ」シリーズに「サンパティオローズピンク」を追加し、同社オンラインショップなどで先行販売する。 「サンパティオ」は、同社のロングセラー「サンパチェンスR」の姉妹シリーズ。1株で約50センチの草丈になる「サンパチェンス」に比べると、「サンパティオ」は約30センチとコンパクトな草姿が特徴。「サンパティオローズピンク」は、今までのシリーズにはない青みがかった鮮やかなピンクの花色と、明るい緑葉が特徴。また、分枝性、連続開花性に優れ、まとまりのよいコンパクトな草姿になるので、他の草花との寄せ植えはもちろん、スペースの少ない花壇にも最適だ。半日陰でも花が咲きやすく、玄関先やマンションのベランダなどでも楽しむことができる。 「サンパティオローズピンク」は、同社オンラインショップおよび一部のホームセンターなどで販売する。規格は10・5センチポット苗、ホームセンターなどでの価格はオープンで、2025年4月上旬から販売する。同社オンラインショップでは2024年11月下旬から受注を開始し、2025年4月上旬から順次発送予定。 価格は、同色2ポット1組で1500円(税込み)。
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スマート農機畑作実演会開く/新潟クボタ |
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(株)新潟クボタ(吉田丈夫社長・新潟県新潟市中央区鳥屋野331)は6、7の両日、村上市の同社NKファーム村上の実演圃場において、スマート農機畑作実演会を開催した。各日午前午後の2回、メーカーの担当者からのリレー方式で作業機紹介を行い、説明後、個別でユーザーの試乗や機械説明に対応した。新たに園芸に取り組む生産者や規模拡大・省力化を検討している農家に向けて、新潟県の重点作物を中心に播種から収穫までの一貫体系を披露した。 実演会冒頭、同社第三直販事業部の新田智之事業部長が来場者に謝意を述べた後、「今回の実演会では、タマネギ、ネギ、里芋、枝豆などの作物体系別機械や新しく取り扱うディスクハローなどを用意した。この畑作実演会は6、7年振りの開催。機械をよく見て、触っていただき、皆様の経営に役立てていただければ幸いだ。また来週、新潟市産業振興センターで開催する展示会『にいがた夢農業2024』にも是非足を運んでいただきたい」などと挨拶した。 同社NKファーム村上の敷地内を将来的に常設実演圃場にする計画で敷地を整備中。今回の畑作実演会は常設実演圃場のプレオープンとして一部圃場を使用して開催した。 内容は、新たに園芸に取り組む生産者や規模拡大・省力化を検討している農家に向けて、新潟県の重点作物を中心に播種から収穫までの一貫体系を体験する場とし、(1)スマート農機(自動操舵付きトラクタ実演)(2)園芸作物ごとの機械化一貫体系での提案(枝豆・タマネギ・里芋等)(3)排水対策・土づくり提案(溝掘・耕起・砕土等)などの機械を用意。タマネギ、ネギ、里芋、枝豆、防除の他、ドローンやラジコン草刈機など作物や用途別にエリアを設けて実演した。 実演展示機械は、大型トラクタ「M7―174」や新たに取り扱うポーランドBOMET社のディスクハロー「PERSEUS150」、クボタの玉ねぎ直播機や収穫機、畝立同時マルチ、サトイモ用半自動直播機、枝豆用乗用半自動移植機、えだまめコンバイン、乗用管理機、ドローン「T25K」の他、鋤柄農機、みのる産業、アテックス、キューホー、日本甜菜製糖、関東農機、小橋工業、松山、丸山製作所、やまびこ、タカキタ、デリカなどの各種約40種類の畑作関連機械が集められた。 両日各回合計で200名を超える参加者が足を運び、それぞれの機械の説明に耳を傾け、それぞれ目当ての機械の試乗を行った。 実演会の現場対応にあたった営業本部みどりの食料システム戦略部の中山彰人部長は「前回までは、海岸部の圃場を2月の農閑期にお借りして行っていたが、時節柄、雪が降って除雪が必要であったりして手間がかかり、また、お借りしているため思い切った実演ができなかった。このNKファーム村上であれば、常設の展示圃場として、時間的、空間的な制約を受けず、自由に実演ができる。圃場に石が多いなど、まだまだ改善の余地があるので、圃場の質を上げながら今後も実演会を行っていきたい」と意気込みを語った。
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特例子会社2社を合併/クボタ |
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(株)クボタ(北尾裕一社長)は、2025年1月1日に同社の特例子会社であるクボタワークス(株)とクボタサンベジファーム(株)の両社について、クボタワークスを存続会社として合併させ、社名を「クボタインクルージョンワークス(株)」に変更する。この合併により、障がい者雇用の更なる推進、人財の交流・育成や職域の拡大を通じて、グループ全体のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)をより一層推進する。 〈合併の目的〉 クボタグループでは、DE&Iを人的資本戦略の基本方針の一つに掲げ、人財の多様性を重視し、性別、年齢、障がいの有無、国籍などの違いを超えて一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮できるような労働環境の整備を進めている。 障がい者雇用においては、クボタワークスおよびクボタサンベジファームの2社を中心に、「自立支援」を目指した雇用と職場環境づくりに取り組んできた。 クボタワークスでは、クボタグループの各拠点での清掃業務や事務サポート業務などを受託し、障がい者の特性に応じた幅広い分野で事業を展開している。 クボタサンベジファームでは、障がい者の就労機会の創出と農業の活性化を目的とした「農福連携モデル」として、遊休農地を活用した水耕栽培による野菜づくりに取り組んでいる。 このたび2社を合併することでシナジーを発揮し、障がい者の雇用の更なる推進を図るとともに、人財の交流・育成や職域の拡大に取り組んでいく。 〈新会社の概要〉 ▽社名=クボタインクルージョンワークス(株)▽本社=大阪市浪速区敷津東1の2の47▽代表者=向當重夫氏▽設立日=2025年1月1日▽従業員数=375名(2025年1月1日時点見込み) ▽事業概要=清掃業務、事務受託業務、名刺・文書など印刷業務、文書・郵便物などの仕分け・受発送業務、水耕栽培野菜の生産・販売業務など
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創業110周年記念キャンペーン/三菱マヒンドラ農機 |
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三菱マヒンドラ農機(株)(齋藤徹社長・島根県松江市東出雲町揖屋667の1)は、創業110周年記念キャンペーンの第3弾として「KUSANAGI」Web実演申込ページより実演の申込み・実施をした人の中から、抽選で2人に1人(当選率50%)に110周年記念ロゴ入り真空断熱サーモスマグ″をプレゼントする。 実演申込期間は2024年11月1日から2025年3月31日まで。実演実施期限は2025年5月30日まで。 応募要件は、日本国内に居住され農業に従事している人、農業法人/営農集団などに所属している人(法人名で応募可)で、当該製品が装着/牽引可能な45〜60馬力の農耕用トラクタを所有している個人および法人。キャンペーン期間中にウェブページより実演を申し込み、5月末日までに実演実施完了した顧客が対象。
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島根県発明協会会長賞を受賞/三菱マヒンドラ農機 |
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三菱マヒンドラ農機(株)(齋藤徹社長・島根県松江市東出雲町揖屋667の1)は、令和6年度中国地方発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、島根県発明協会会長賞および発明奨励賞の2件を受賞した。同社では、受賞に際し、「三菱マヒンドラ農機グループは、今後も農業の発展に貢献する技術開発を推進し続けるとともに、喜ばれる製品とサービスで地域に根差した企業活動を行ってまいります」としている。 島根県発明協会会長賞 を受賞したのは、コンバインの選別フルオート制御装置(特許第6578123号)で、同社技術本部設計部機構設計課課長・舟木大輔氏、同本部電子技術部電動化設計課課長・錦織将浩氏が栄誉に輝いた。 また、発明奨励賞を受賞したのは、測位情報取得ユニットにおける電源維持制御(特許第7336313号)で、同社技術本部開発管理部長・松川雅彦氏、同本部電子技術部ソフト設計課課長・足立周一氏、同部電動化設計課・林田淳一氏が栄誉に輝いた。 それぞれの概要は次の通り。 〈コンバインの選別フルオート制御装置〉 コンバインの選別部にセンサーを設置し、検出される籾や藁屑の量に応じて、篩選別のフィンの開度と風選別の際のファンの風量の強さを自動制御できるようにした。 これによりオペレータの習熟度にかかわらず、車速を上げて作業を行っても選別精度を維持したままの高能率作業を実現するとともに、多様な作物条件(青材、高水分材料、高収量材料など)への適応性を向上させた。 〈測位情報取得ユニットにおける電源維持制御〉 機体位置情報の衛星測位に利用する測位情報取得ユニットについて、エンジンが停止しても一定時間、測位情報ユニットの電源を維持できるようにした。これにより自動操舵を使う作業の合間に燃料補給などでエンジンを一時的に停止しても、走行機体の位置情報の測位状態を保持できるため、作業再開がスムーズになった。
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2月18〜21日、大阪でモバックショウ開催/日本製パン製菓機械工業会 |
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日本製パン製菓機械工業会(梶原秀浩理事長)は5日、都内にあるビジョンセンター東京京橋において、記者会見を開催し、2025モバックショウの概況と準備状況の報告を行った。開催は来年2月18〜21日の4日間。インテックス大阪にて開催される。 はじめに梶原理事長が主催者代表挨拶を行い、「ユーザー業界とともに歩んで同展も29回目。国内外のユーザーの期待と支持をいただいている賜物である。西日本地区最大の食に関する展示会として、多彩な展示やイベントで来場者をお迎えしたい。たくさんの方々に来場いただき、活発な商談と業界交流の場として、新製品や新技術の情報発信のステージとして、活用いただけるよう様々な取り組みを行っていく」などと意気込みを述べた。続いて小林博紀実行委員長が2025モバックショウの概況などについて報告。最後に、北村和大広報委員長が今後の広報計画について説明を行た。 〈モバックショウの概況や方針等について〉 ▽コロナ禍以前と同規模となる新規出品者36社を加えた237社1441小間▽「未来の食文化を創造する」のテーマのもと、展示方針は(1)「技術」と「素材」が創りだす「おいしさ」の実演(2)持続可能な未来につながる機器、原材料、マーケット情報の発信(3)「環境」「安全・安心」「衛生」に配慮した一連の展示(4)次世代に向けた「省人化」「省力化」の提案―の4つ▽会場には、原材料の搬送から加工、包装にいたるまでの一連のシステム、安全・衛生面に配慮した機器、生産現場の生産性を高め省力化、省人化につながる機器、時代の嗜好にあった付加価値が高く、美味しいパンや菓子づくりに役立つ原材料・副資材など、ユーザー業界の課題解決につながる出品製品を展示。「見て、聴いて、触れて、嗅いで、味わう」五感で感じられるリアルな実演ステージの実現も▽出品製品の割合は、製パン・製菓機械が全体の39・2%、次いで食品加工機械と食品包装機械16・2%、原材料・副資材が14・3%、その他が30・3%となり、バラエティ豊かな展示が行われる▽モバックショウの特徴である「ユーザー参加型」の充実したイベントについても、ベーカリーや洋菓子、和菓子の実演やコンテストといった有意義な企画を多数用意▽主催者特別コーナーとして、日本包装機械工業会向けの特別展示ゾーンや補助金活用相談コーナーの設置、モバックセミナーの開催―。
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今後3カ年の取り組み方針採択/第30回JA全国大会議案 |
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JA全中(山野徹会長)はこのほど、3年に1度の第30回JA全国大会を開き、今後3年間のJAグループの取り組み方針となる大会議案「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力〜協同活動と総合事業の好循環〜」を採択した。議案の概要をみる。 冒頭、あいさつに立った山野会長は「大会決議は、採択して終わりではなく、実践していくことが重要」と、各段階での取り組み強化に意欲を示した。また、石破茂首相からビデオメッセージが寄せられ「地方こそ成長の主役である」と、農業・農村へのエールが贈られた。来賓として出席した小里泰弘農林水産大臣は、「農家の減少に対応し、スマート農業活用促進法などによる農政を推進していく」と述べた。 大会議案では、JAグループの存在意義の発揮に向けた5つの取組戦略を柱とし、このうち食料・農業戦略では、国産資源の有効活用やスマート農業の普及などを通じてトータルコスト低減に取り組むこととした。 5つの取組戦略は(1)食料・農業戦略(2)くらし・地域活性化戦略(3)組織基盤強化戦略(JA仲間づくり戦略)(4)経営基盤強化戦略(5)広報戦略―の5本。 このうち、食料・農業戦略については▽食料安全保障への貢献に向けた地域農業の実践▽次世代の確保や環境との調和を通じた持続可能な農業の実現▽農業所得の増大・国産農畜産物の安定供給▽農業の担い手ニーズへの対応強化に向けた営農経済事業体制の整備―を盛り込んだ。 持続可能な農業の実現に向けては、農業支援サービス事業体としての機能発揮・強化により地域農業を支える多様な農業者への支援の強化や、GAP手法を活用した営農の実践、環境調和型農業などに取り組む。 国産農畜産物の安定供給に向けては、スケールメリットを活かした資材調達・提案に継続して取り組むとともに、国産資源の有効活用や適正な施肥・施薬等の環境への配慮と経済性を考慮した技術・資材の普及・推進、スマート農業の普及等を通じて、生産トータルコスト低減に取り組む。
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農業を取り巻く環境/第30回JA全国大会議案 |
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【食料・農業・農村を取り巻く環境】 1 食料・農業・農村基本法の改正 食料・農業・農村基本法は、第213回通常国会において改正されました。食料安全保障の確保を軸として、人口減少下でのスマート農業等の活用による農業生産性の向上、環境と調和のとれた食料システムの確立、農村における地域社会の維持等が今後の中長期的な食料・農業・農村政策の大きな方向性となります。また、JAグループ等農業関係団体が基本理念の実現や食料・農業・農村振興に重要な役割を果たしていることが明記され、地方公共団体・企業等、JAグループ内外と連携して今後もその役割を発揮していく必要があります。 今後は次期食料・農業・農村基本計画の策定が予定されており、改正基本法や関連法の改正内容をふまえ、施策の具体化、実践をはかっていくことが重要です。 2 国際情勢の変化に伴う生産資材価格の高止まりと適正な価格形成の必要性 国際情勢の緊迫など地政学的リスクの高まりにより、肥料・飼料・燃料等の生産資材価格は高止まりしています。厳しさが増す農業経営を持続可能なものにしていくためには、法制化も含めた国産農畜産物の再生産に配慮された適正な価格形成の実現と経営安定対策の両立が必要です。 また、海外輸入依存度の高い農作物の生産拡大や生産資材の国内資源活用拡大など過度な輸入依存を低減して国際情勢による影響を小さくすることにより、平時からの食料安全保障の確保に取り組んでいくことが求められています。 3 農業生産基盤(人・農地)の弱体化 中山間地をはじめとした農村部における人口および基幹的農業従事者数の減少・高齢化の進行は止まらず、耕作放棄地・荒廃農地の拡大も継続しています。農業経営体数は減少傾向で推移するなか、担い手への農地集積率が6割程度となり、今後、担い手が農地の受け皿として全てに対応し切れなくなっていくことが想定されます。 また、多くの産地で生産基盤の弱体化や出荷量の減少がすすむなか、共同利用施設の老朽化が顕在化しており、更新・修繕が今後、必要となっています。 「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、JAグループが農業者を支え、農業生産基盤である「人と農地」を守っていくためには、次世代の担い手確保のための事業承継・相続対策や、農地の総量確保と適正利用に向けた取り組みが課題です。また、担い手以外にも多種多様な農業の関係人口の増加やスマート農業による労働生産性向上、労働力支援もさらに必要となっています。 政府は、令和3年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」の実現に向けて、令和4年7月に「みどりの食料システム法」を施行し、2050年のめざす姿の実現に向けて、取り組みを推進しています。 JAグループは、第29回JA全国大会において、環境調和型農業を推進していくことを決議し、令和6年3月には「JAグループ環境調和型農業取り組み方針」を決定しました。頻発化・激甚化する異常気象・自然災害や国内外における環境問題、脱炭素等への関心はさらに高まっており、諸外国の動向や生産現場の課題をふまえつつ、環境調和型農業や脱炭素等の取り組みにより、農業の持続性を確保していく必要があります。 5 物流2024年問題への対応 現在、トラックドライバーは非常に深刻な担い手不足の状況にあります。令和6年(2024年)4月より適用されたトラックドライバーの時間外労働の上限規制などの影響により、安定した輸送力の確保が困難になると懸念されており、円滑な食品アクセスの確保をはかるためにも物流の適正化・効率化・標準化をよりすすめていく必要があります。
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食料・農業戦略/第30回JA全国大会議案 |
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「JAグループの存在意義の発揮に向けた5つの取組戦略」のうち、「食料・農業戦略」は次の通り。 1 食料安全保障への貢献に向けた地域農業の実践 JAグループとして生産者と消費者の負託に応えるために、適地適作の観点から品目・地域実態をふまえた生産振興により、食料安全保障に貢献します。 組合員が展望を持って営農に取り組めるように、組合員間、組合員と役職員間の話し合いを通じて、確信ある地域農業振興計画等を策定・実践します。 適正な価格形成の実現や経営安定対策の強化等に向けて、農政運動を通じた政策の確立とあわせ、国民理解の醸成など消費者等も巻き込んで取り組んでいきます。 2 次世代の確保や環境との調和を通じた持続可能な農業の実現 新規就農支援、第三者承継を含めた事業承継支援や生前の相続相談を通じた世代交代期における次世代組合員の確保を着実にすすめていきます。また、農業支援サービス事業体としての機能発揮・強化により地域農業を支える多様な農業者への支援を強化します。 労働力支援・農福連携の取り組みや兼業・副業等による農業従事の取り組みを強化することで、農業生産現場の労働力不足の解決に貢献します。 よりよい営農活動(GAP手法を活用した営農の実践)や環境調和型農業など生産現場の課題をふまえながら、安全・安心、環境に配慮した農業の推進を通じて、持続可能な農業の実現と農業団体としての社会的責任を果たします。 3 農業所得の増大と国産農畜産物の安定供給 「国消国産」の実践として、地産地消の推進や輸入原材料の国産への切り替えに向けた対応を強化します。また、実需者・消費者ニーズへ対応する企業アライアンス等を通じた商品開発や輸出拡大を通じて、販売力の強化に取り組みます。 物流業者との連携強化や物流効率化および輸送手段の多様化等を通じて、生産現場へのコスト負担を抑制しつつ、国産農畜産物の安定流通を支えます。 スケールメリットを活かした資材調達・提案に継続して取り組むとともに、国産資源の有効活用や適正な施肥・施薬等の環境への配慮と経済性を考慮した技術・資材の普及・推進、スマート農業の普及等を通じて、生産トータルコスト低減に取り組みます。 4 農業の担い手ニーズへの対応強化に向けた営農経済事業体制の整備 営農指導事業を中心に販売・購買・利用事業等が一体となって、営農経済事業の最適な体制・機能配置を検討し、デジタル技術の活用による営農指導の効率化・高度化と人材育成等に取り組みます。 多様化・高度化する担い手のニーズに応じるため、事業間連携による総合事業力の発揮に向けて、担い手サポートセンター機能(出向く活動、総合事業提案、農業経営支援〈農業経営コンサルティング〉)を発揮していきます。
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食の未来考える対談動画配信/クロップライフジャパン |
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クロップライフジャパン(旧JCPA農薬工業会・小澤敏会長)は、クイズ王の伊沢拓司氏が率いるQuizKnockとのコラボ企画の第3弾として、対談動画を制作し公開している。 動画は、伊沢氏と同会の岩田浩幸副会長が「食の未来を考える」について対談したもの。 なぜ作物を守る必要があるのか、今、我々はどのような状況に直面していて、これから食料や農業はどのようになっていくのか、「食の未来」を伊沢氏が若者代表として疑問を投げかけ、岩田副会長が答える内容となっている。 同会の活動、農薬と生活の関わり、健康や環境を考えた最先端のイノベーションを知ってもらい、「食と、農と、未来のために。」を身近にとらえてもらう企画となっている。 動画は、同会のホームページ(https://www.jcpa.or.jp/)から閲覧することができる。
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全国から199社参集/やまびこジャパン・全国代理店会議 |
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やまびこジャパン(株)(水嶋伸介社長・東京都青梅市末広町1の7の2)は5日、神奈川県横浜市の新横浜プリンスホテルで2025年度やまびこ全国代理店会議を開催した。これには、全国の有力販売店から199社、200名が参集した。今回の会議では、来シーズンに向けた新製品や開発中のコンセプトモデルを展示するとともに、やまびこグループの現況をはじめとして国内営業の展開と開発方針、販売施策などを示し、来春商戦への販売促進ムードを高めるとともに、共に考え拡販に当たっていくことを確認して、更なる躍進を誓い合った。席上、挨拶に立った水嶋社長は、国内営業の課題を示しながら、安全・安心で革新的な製品、サービスの供給やカーボンニュートラル、省力化ニーズに合致した製品の提供を進めていくと語り、「ともに良い方向に進んでいきたい」と意欲を示した。 会議では、映像上映による「新製品紹介」(別項参照)と、やまびこジャパンの役員、社員の紹介に続いて、(株)やまびこ上席執行役員営業本部長でやまびこジャパン(株)の篠原修会長が「やまびこグループの現況について」、水嶋伸介社長が「国内営業の課題について」と題して、それぞれ説明した。 篠原会長は、今年の猛暑や水害に見られる災害リスクの高まり、そしてやまびこグループとして能登半島豪雨災害に対し支援物資の提供を行ったことなどを述べた後、今年、やまびこ発足15周年という節目の年を迎えたことを例に引き、「人間では15歳で若いですが、70歳以上のノウハウを持った15歳。若い挑戦する心と長年培った技術を駆使し、豊かな自然と共生する輝く未来づくりに貢献することを目指しております」と企業の姿勢、理念を示した。 そして昨年のやまびこの売上高1514億円が合併当時と比較し倍増し、また、864億円という2024年の中間決算の数字を示して、「手持ちの屋外作業機であるOPEが北米で拡大し、売上高は7・8%増となり、営業利益も11・4%増の114億円と増収増益を達成した」旨を語り、「特に国内は新型刈払機、ディーゼル発電機、溶接機が好調で、国内販売も堅調に推移している」と報告した。 さらにトピックスとして欧米でのロボットモアの動向と北米でのTVCMによるプロモーション効果を示すとともに、最後にお願いとしてスマート農業技術活用促進法の成立に伴う補助事業への対応を示し、補助事業を活かして売上げ増に結びつけている北海道の事例をあげながら、「皆様と一緒に伸ばしていきたいと」と述べて、理解を求めた。 続いて、「国内営業の課題」と題し話した水嶋社長は、営業体制が今年の1月1日から農業機械4営業部、産業機械2営業部体制になったことを確認しつつ、別項の通り挨拶し、特に重点的に取り組んでいく項目として50ボルトバッテリーでの協業拡大、販売アイテムの充実、ブランド力の強化、安全への取り組みをあげて、様々な電動化ニーズへの対応をはじめ、自社製品の強みを活かすアクセサリー類の充実、各セグメントにおけるブランド力の定着、安全の啓発に取り組んでいくと語り、支援を要請した。 そして共立と新ダイワの創業者である小林、浅本両氏の思い、考えを伝えて「共に良い方向に進んでいく、一緒に考え行動できる組織を目指します」と決意を語った。 この後、休憩をはさんでやまびこが農業政策を見据えて進めている技術開発、方針について、(株)やまびこ執行役員製品開発本部長代理兼開発第4部の千葉光胤部長、同技術推進本部商品戦略部商品戦略第1課の伊藤智樹課長、同エネルギーソリューション推進室の迫田宜久氏がそれぞれの担当部署の立場から、取り扱い製品を取り上げて説明し、これからの方向性や対応などを示した。 続いてやまびこジャパンの千田義則営業本部長が販売施策について説明。主要製品の国内市場の動向とともにセグメント別、そしてブランド別の売上げなどを紹介しながら、今年度も引き続き安全啓発活動を進めていくことを明らかにするとともに、2025年度の各種新製品を示して、今年実施したプラスワンやお試し、そしてお役立ちの各キャンペーンを引き続き展開していくと発表。「よりよい製品、サービスの提供に努めていく」と語った。 この後、農業機械営業部の幹部クラスの社員紹介を行い、会議を無事終了した。
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水嶋社長の挨拶要旨/やまびこジャパン・全国代理店会議 |
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農機4営業部体制へと組織変更を行いました。変更当初は部品の発注業務などに混乱を生じ皆様方には大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。また産業機械部門は東西2営業部体制としております。農機、産機ともに改組の目的である営業の迅速性と専門性を兼ね備えた組織運営を目指してまいりますのでよろしくお願いいたします。 さて今年度の販売状況に関しまして機種ごとの好調、不調について大まかに説明させていただきます。好調機種としてご覧の5機種(刈払機、ミニ動噴、畦草刈機、モア、高所作業車)を紹介します。刈払機は今期発売いたしましたアンチバイブレーションシステムのモデルが大変好調でございました。ミニ動噴は、エンジンタイプは前年並みながらバッテリータイプが好調でした。おかげさまでこの2機種は業界全体が苦戦する中、販売を拡大することができました。畦草刈機とモアについては、省人、省力化ニーズの流れに乗って草刈機全般が業界で大きく取り上げられた年でした。 一方芳しくなかった機種としてご覧の5機種(チェンソー、セット動噴、畑作スプレーヤ、乗用管理機、運搬車)。エンジンチェンソーは一般販売店、量販店共に減少となりました。一方チェンソーの範疇には入りませんが、ハンディソーの増加で新しい購買層が生まれております。当社としましては36ボルトの新製品を投入予定ですので、どうぞご期待ください。 省人・省力化と求められる社会環境に対処した製品と商品の品揃えを如何に充実させるか、また時代が変化していく中で皆様方やお客様に今後も選んでいただくためには、どのようにすべきかをまとめております。やまびこでは2030年にグループ連結売上げ2500億を目指しております。弊社もその一翼を担うべく2030年に向けた課題を商材、政策、組織の単位でそれぞれに実行することをまとめております。 第1にカーボンニュートラル化、省力化ニーズに合致した製品とサービスの提供です。ここでは電動化製品の充実、自動化省力化製品、環境対応型ビジネスの3項目をあげております。今4つのプロジェクトが進んでおりますが、今後の展開にご期待ください。次に製品に大切な商材としてアクセサリー、部品がございます。特にアクセサリーの充実はブランドイメージにもつながります。 2番目の課題のブランド力強化について。これからやまびこ製品を選んでいただくためには皆様方のご支援に加えメーカー責務としてブランド力の強化は大変重要な課題であります。Z世代など今後のユーザー層を意識した取り組みを戦略的に進めてまいります。 最後に3番目となりますが安全への取り組み。これまで続けてきた安全啓蒙活動の継続に加え、安全装備の充実を進めてまいります。デッドマンクラッチの採用やブレーキ機構の充実などに加え経年劣化に起因する事故を防ぐための点検整備サービスの強化を図ってまいります。
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ズラリ並んだ新製品/やまびこジャパン・全国代理店会議 |
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全国代理店会議会場には、やまびこジャパンが販売する3ブランドであるKioritz、shindaiwa、ECHOの新製品を並べて、出席者を出迎えた。農業用のスピードスプレーヤ、高所作業車、チェンソー、刈払機から、緑地管理向けのブロワー、芝刈機、ラジコン草刈機、バッテリー搭載の噴霧器やヘッジトリマー、そしてエンジンカッターや蓄電池などを展示し、取り扱い商品のバリエーションの多さ、豊かさを示した。 会議は最初にこうしたバラエティに富んだ新製品群を映像で紹介。2025年発売予定のAVS搭載の排気量23、26立方センチの刈払機をはじめとして、カジュアルチェンソー、高性能パワーブロワー、バッテリー動噴、そしてバッテリー搭載機として初めて展示したハンディーソーや50ボルトのヘッジトリマー、ローンモア。さらにクローラスプレーヤ、乗用鶏舎スプレーヤ、クローラスプレーヤを解説するとともに、shindaiwaブランドの産業用機械としてブレーキ付きエンジンソー、バッテリーカッター、バッテリーハンドソー、リチウムイオンバッテリーや現在、実証実験が進められているマルチハイブリッドキューブや開発中のコンセプトモデルである自律走行のロボット草刈機「RCM600AUTO」やCN時代に対応したバイオ燃料、ETC燃料、電動牽引ロボット台車などを取り上げて、作業ぶりなど性能の一端を示した。
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「都道府県別緑化樹木供給可能量調査」の結果取りまとめ/日本植木協会が公表 |
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一般社団法人日本植木協会(佐久定規会長)はこのほど、令和6年度「都道府県別緑化樹木供給可能量調査」の結果をまとめた。それによると、令和6(2024)年度の緑化樹木の供給可能量は、3614万本となり、前年度の3665万本に比べ98・6%と1・4ポイントダウン、6年連続の減少となった。しかし、国土交通省がまとめる「建設工事施工統計調査」によると、2022年度の造園工事完成工事高は5354億円、前年度に比べ22・3%増と大幅な伸びを示しており、しかもこのうち造園工事種が元請で受注している金額が前年度に比べ9・6%増加していることから、緑化樹木の供給と造園工事との伸びとがリンクしていない実態が浮かび上がってくる。 この調査は、同協会が日本緑化センターに調査を委託し取りまとめているもの。緑化樹木生産を取り巻く情勢変化が分かる調査となっている。 調査によると、供給可能量3614万本の形態別内訳は、グラウンドカバープランツ(GCP)が1737万3000本で最も多く、全体の48・1%と半分近くを占める。次いでコンテナ樹木の814万5000本(構成比22・5%)、低木常緑樹の616万2000本(同17・0%)となっており、この3品目で87・6%と9割近い。 また、露地栽培物とコンテナ栽培物とでは、シェアにすると前者の29・4%に対して後者の70・6%となり、ここ数年の3対7の割合が維持されている。そして高中木本数の形態別内訳をみると、「おおむね常緑広葉樹5、落葉広葉樹3、針葉樹2」(同協会)の割合を保っている。供給構造としては大きな変化は見られないのがみてとれる。 さらに2024年度の総数が前年度に対し1・4ポイントの減少となる中、露地物の対前年比が94・2%と5・8ポイント減少しているのに対してコンテナ物は100・6%と伸びている。 しかも2024年度露地栽培物の対前年度比の内訳が高木95・9%、低木93・3%であることから、主に低木の減産が全体の動きに影響している、と分析している。 全体の半分近くを占めるGCPでは、タマリュウが323万鉢でGCP全体の19%を占め最多。この後、シバザクラ類156万鉢(GCP全体の9%)、コグマザサ102万鉢(同6%)、フイリヤブラン85万鉢(同5%)の順。 また、コンテナ樹木ではシャリンバイ39万鉢でコンテナ樹木全体の5%を占め最多。低木常緑樹では、サツキが208万本で全体の34%とほぼ3分の1。 しかしサツキは2018年度までは400万本台であったことから、全体的に供給力が下がってきている。このあたりにも緑化樹木を取り巻く人気の趨勢、要望の変化が表れている。
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芝草管理技術者2級試験、来年3月26日/日本芝草研究開発機 |
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芝草の管理技術者の資格認定を年度事業として実施している特定非営利活動法人日本芝草研究開発機構(TOJ・田村和男理事長)は既報の通り、令和6年度に行う試験として第16回となる2級の資格認定を実施することとしていたが、このほど研修会並びに認定試験の日程を決定、公表するとともに、12月20日を締め切り日として現在、研修会の受講申し込みを受け付けている。 平成19年7月に公益財団法人日本ゴルフ協会の公認、スポーツ庁からの後援も得るなど、制度としての地位を確立させている同芝草管理技術者資格は、TOJが認定機関となって実施する、我が国では唯一の芝生管理に関する技術者の資格制度。 ゴルフ場をはじめ、スポーツ施設、公園緑地、道路法面などの芝生の維持管理に携わる方を対象としており、これまで1万人を優に超える有資格者を輩出。芝草の管理技術を有する人材の育成・確保はもちろん、芝草管理技術の向上、底上げに大きく貢献している。 この研修の進め方が今回から変わっており、これまで行われていた東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台の6会場での研修、一部Web併用方式を会場型とWeb講座型とに分けて実施することとなった。 会場型は、東京会場だけとして、来年の1月27〜30の4日間、東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館で定員50名、申し込み先着順で開催する。 また、Web型は、来年2月10〜3月26日まで24時間講座を開講。リピート再生は何度でも可能というスタイルに変更した。 認定試験は来年3月26日に東京、大阪、福岡、仙台、名古屋、札幌の6会場で一斉に実施する。 第16回2級試験に関する問い合わせは、同機構事務局(TEL03・5823・4849)まで。
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森林再生の実証事業/JR西日本、島根県美郷町 |
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島根県美郷町とJR西日本は、連携して森林再生実証実験に取り組んでいる。線路敷を活用した木材搬出技術の実証、評価とともに、線路敷周辺の森林資源活用可能性評価、野生動物対策を意識した再造林計画などを進める。 特に森林施業評価では、高性能林業機械による集材、小運搬、積み込み、搬出の評価が進められる。 同実証実験は、広島大学と鳥取大学との共同研究として実施。森林施業は邑智郡森林組合が行う。今回の美郷町内にJR西日本が所有する森林(鉄道林)についての実証実験は、鉄道会社が所有する森林の持つ多面的な機能を持続的に発揮、維持するための効率的な管理方法を確立させるのを狙いとしている。このため沿線の森林資源の評価とともに、施業の評価も実施する。 美郷町とJR西日本では今回の実証実験により線路敷を活用した森林施業の可能性が示されれば、沿線の森林(鉄道林)の伐採・再造林などを進めて、健全な森林の育成を通じて、木材生産はじめ、森林の持つ多面的な機能の維持・推進に取り組んでいく、としている。 実証実験の概要は次の通り。 〇場所:旧三江線竹・乙原間 竹1号林、面積5・8ヘクタール、スギ・ヒノキ等の人工、樹齢は50年程度 〇期間:令和6年5月〜令和7年3月末(伐採実証は令和6年秋頃)
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山元立木価格、ヒノキは持ち直し/日本不動産研究所 |
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一般財団法人日本不動産研究所は10月30日、2024年3月末現在の第112回「田畑価格及び賃借料調」と第83回「山林素地及び山元立木価格調」の結果をまとめ、公表した。 それによると、山元立木価格は、ウッドショックの収束後、前回調査の大幅な下落からヒノキこそ若干持ち直したものの、スギとマツは低下が継続した。 全国平均の利用材積1立方メートル当たりの山元立木価格は、スギが4127円、ヒノキが8940円、マツが2570円で前年に比べスギは5・4%、マツは3・8%それぞれ低下し、ヒノキは0・8%上昇した。 また、全国平均の普通品等10アール当たり山林素地価格は、用材林地が4万759円、薪炭林地が2万8619円で、前年に比べ用材林地が0・5%低下したのに対し、薪炭林地は0・1%上昇。変動率をみると、用材林地で低下が継続し、薪炭林地で上昇が継続した。
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農林水産大臣賞8件/大日本山林会・農林水産祭参加全国林業経営推奨行事 |
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公益社団法人大日本山林会(永田信会長)は7日、都内内幸町のイイノホールで第63回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式を秋篠宮皇嗣殿下をお迎えし開催した。 同全国林業経営推奨行事は、森林の適正な管理、林業の技術・経営の改善に努め、森林の多面的機能の発揮及び林業の持続的かつ健全な発展に寄与している森林の管理経営体を表彰するもの。 今年度は、各都道府県からの優良事業体の推薦を受け、審査委員会の審査、現地審査を経て、農林水産大臣賞8件、林野庁長官賞16件、大日本山林会会長賞2件を選定した。この推奨行事は、昭和37(1962)年から実施している。 受賞者名は次の通り。 (氏名敬称略) 【農林水産大臣大臣賞】 ▽影山盛一(北海道)▽大山進(山形)▽薄葉健一(栃木)▽(株)T―FORESTRY(神奈川)▽山田芳朗(静岡)▽谷清 谷千鶴(愛媛)▽対馬森林組合(長崎)▽吉井和久(熊本) 【林野庁長官賞】 ▽横田五郎、貞森裕一、渡邊三七一、清原賢一(北海道)▽(株)横手殖林社(秋田)▽美和木材協同組合(茨城)▽松村至(埼玉)▽林東洋(長野)▽石井信八 石井辰規、中津川市福岡財産区(岐阜)▽眞木宏哉(愛知)▽細渕芳弘(三重)▽大和川生産森林組合(新潟)▽西村良夫(鳥取)▽服部興業(株)(岡山)▽織田繁実(佐賀) 【大日本山林会会長賞】 ▽五領生産森林組合(群馬)▽三ケ生産森林組合(富山)
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自律走行のハンマーナイフモアを販売/オカネツ工業 |
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オカネツ工業(株)(和田俊博社長・岡山県岡山市東区九蟠1119の1)は、2025年10月頃にAI+自律走行ハンマーナイフ草刈機「MAIRAVО(マイラボ)」の販売を始める。これに伴い、コンベックス岡山(岡山県岡山市)で11月13〜14日に開催する「ОTEX2024」にてコンセプト機を初展示する。同社は2024年5月にハイブリッドラジコン草刈機「AIRAVО(アイラボ)」を販売し、重労働を伴う広範な草刈り作業の軽労化に同機が貢献していると好評である。 AIRAVОに続く新たな新製品「MAIRAVО」の主な特徴は以下の6点。 (1)自律走行=MAIRAVОはタブレットを使用し、エリア内を自動マッピング。自律走行して草を刈る。AIが障害物や人を検知し、自動停止・自動回避。傾斜地でも走行位置を把握し補正する。 (2)ラジコン操作=ラジコン操作も可能で、草刈機本体から離れた場所での操作ができる。送受信機と自社開発の制御システムにより、リニアレスポンスな操作性を実現した。 (3)ハンマーナイフ採用=ハンマーナイフの採用で、背丈ほどの草でも数センチ程度のチップ状にする。そのため集草作業時の煩わしさを解消する。 (4)速度調整=作業速度を時速3・2キロと2キロに切り替えできる。そのため作業環境に応じた使用が可能。移動時には時速1〜4キロの速度調整が可能。 (5)ゼロターン=その場で旋回することができるので、狭い場所での作業もスムーズにできる。 (6)コンパクト設計=コンパクト設計で重量は270キロ。軽トラに積載できるだけでなく、他の作業道具も同時に積載できる余裕がある。 同社広報室の櫻井真弥室長は「MAIRAVОは勝手に草を刈ってくれる優れもの。夏場の暑い時期に最盛期を迎える草刈り作業は重労働かつ安全面も課題になっている。AI+自律走行する草刈機はAIが人や障害物を検知して自動で草を刈るため、作業時間を短縮できる。将来的には害獣対策にも使用できる機械になればと開発を続けているところだ」とPRする。 【MAIRAVОの諸元】 ▽最大傾斜=30度(全方位)▽速度=約0〜4キロ▽重量=270キロ(軽トラ積載可能サイズ)▽機体寸法=全長1695×全幅860×全高945ミリ▽メーカー希望小売価格=未定
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ヤマハモーターパワープロダクツと合併検討/ヤマハ発動機 |
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ヤマハ発動機(株)(渡部克明会長兼社長・静岡県磐田市新貝2500)は11月1日、主にゴルフカー、ランドカーなどの開発・製造・販売を行う同社子会社のヤマハモーターパワープロダクツ(株)(静岡県掛川市、以下YMPC)について、同社を存続会社とする合併の検討を開始したことを明らかにした。合併完了時期は2027年1月を目指すとしている。 また、これに先立ち、YMPCのランドカーに関する開発、事業企画、商品企画、営業、サービスなどの事業機能は、来年1月1日付で同社に移管する。YMPCと同社の知財、先行開発、EV開発の知見やリソースを集約、ランドカー事業の開発スピード・品質向上、新たな価値提供を加速し、さらなるランドカー事業の成長を目指すとしている。 今回の事業機能移管に伴う事業所、製造拠点の廃止、人員整理の予定はない。
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洗浄機の新モデル販売開始/ケルヒャージャパン |
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ケルヒャージャパン(株)(大前勝己社長・神奈川県横浜市港北区大豆戸町639の3)は11月1日から、業務用ドライアイスブラスターの新モデル「IB10/15L2P Advanced」の販売を開始した。 ドライアイスブラスターは、(1)ドライアイスペレットが高速で汚れの層にぶつかりその表面にひび割れを発生させる(2)ドライアイスによる急冷でひび割れが拡張(3)ひび割れに入り込んだドライアイスが気化する際の体積膨張で汚れ爆破―の原理で汚れを落とす。汚水を出せない環境での洗浄作業を大幅に効率化でき、対象物の表面を傷つけることなく汚れだけを除去できる。ただ、ドライアイスは2〜3日で気化するため、既存機では都度ドライアイスペレットを購入する必要があり、また余ったドライアイスがムダになるといった問題があった。 新モデル「IB10/15L2P Advanced」は、長期保管できる液化炭酸ガスを原料にドライアイスペレットを生成し洗浄を行う。このため、ドライアイスのロスを削減でき、突発的な洗浄にも対応が可能。さらに、既存機種に比べて低容量のコンプレッサーでも使用できるため、コンプレッサー購入にかかる初期投資費用を削減できる。洗浄力は既存機と比較して弱いため、繊細で気をつかう対象物の洗浄に適し、中古車販売店やレストアショップ、自動車整備工場などでのエンジンルームやパーツの洗浄、合板工場の設備のヤニ洗浄などに高い効果が期待できる。 新モデルがラインアップに加わることで、日常的なドライアイス洗浄や強力な洗浄力を必要とする利用シーンには既存機の「IB7/40」、不定期なドライアイス洗浄や、より傷つきやすい対象物の洗浄には新モデルと、ニーズに合わせた製品選択が可能になった。
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林機展でダンプンダ初披露/キャニコム |
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キャニコム(包行良光社長・福岡県うきは市吉井町福益90の1)は10月20、21の両日に福井県勝山市で開催された「2024森林・林業・環境機械展示実演会」(一般社団法人林業機械化協会と福井県の共催)において、土木建機「ダンプンダ」(S500)5トン仕様を初披露した。 クボタエンジンV3800 129PS Tier4/Stage5を搭載。エアコン、サスペンションシート付きの快適キャビンが魅力の一つだ。底板にはスウェーデン鋼を採用。ダブルディスプレイでエンジンの回転数や水温、燃料残量を確認でき、車体の状態も把握可能。走行操作用のジョイスティックで直感的な操作を実現した。 油圧シリンダー2本の一方ダンプで、クローラ式の堅牢な足回りが特徴。LEDワークライトやBluetoothオーディオ(ラジオ)、270度AIカメラ&モニターなども付いている。 同展示会ではこの他に、多目的造林機械「山もっとモット」や林内作業車「フォワーダやまびこレインジャー」などを紹介した。
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網走テストセンター、環境省の認定受ける/デンソー |
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(株)デンソー(林新之助社長・愛知県刈谷市昭和町1の1)と(株)デンソー網走テストセンター(北海道網走市)は、「デンソー網走テストセンター」が、環境省の「自然共生サイト」に認定されたことを発表した。 「自然共生サイト」とは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られていると環境省が認定する区域のこと。2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な生態系として保全する行動目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」を達成するため、環境省によって2023年度から取り組みが開始された。 今回「自然共生サイト」に認定された「デンソー網走テストセンター」は、今後OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)の国際データベースに登録され、「30by30目標」の達成に貢献していく。 「デンソー網走テストセンター」は、周辺を森林に囲まれた環境で、高速周回路や地形・気候を活かしたカントリー路、人工氷盤路などを備えており、新製品の実車評価などを行っている。550ヘクタールの広大な敷地は半分以上が森林で、そのうちの8割以上はカラマツの人工林となっている。同センターは、開発時から網走森林組合と共に、広葉樹を主体とした針広混交林化・天然性林化を目指して生物多様性を高める活動を行ってきた。 敷地内には、環境省や北海道のレッドリストに記載されているクリンソウ(植物)、ベニバナヤマシャクヤク(植物)、クマゲラ(鳥類)が観察されており、自然と人との共生が確保された場となっている。デンソー網走テストセンターは、これらの希少な動植物種の生息が確認されている場所を保護し、この広大な森林の生態系の重要度を地域と共に把握、年4回の定期的なモニタリングを実施することで保全に努めている。さらに、網走市内の小学校に対し、環境教育の場となるデンソー緑のプロジェクトを敷地内で実施しており、若い世代に生物多様性の保全活動の重要性を伝える取り組みも行っている。 同社は「30by30」目標達成のため発足された、企業・自治体・NPOによる有志連合である「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しており、これからも地域と連携し、自然と共生しながら事業活動を行っていく。
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市場の概況:サービス対応軸に需要引き出す/鹿児島県特集 |
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鹿児島県は薩摩、大隅の2大半島からなる県本土と、甑島(こしきしま)、種子島、屋久島、トカラ列島、奄美群島など200有余の島々からなる。総面積9187平方キロの広大な土地と温暖な気候を活かし、野菜、花き、茶、畜産物など様々な農作物を通年で継続出荷できる体制が強みだ。しかし農業産出額の約6割を占める畜産において、飼料価格の高止まりや子牛価格の下落、また国内の牛肉在庫量の増大など、生産者にとって厳しい状況が続き、それは農機の販売にも影響を与えている。この難しい局面をどう乗り切るか、関係各所に取材した。 農林水産省が発表した鹿児島県の2022年度の農業産出額は5114億円で、前年に比べ2・3%増加。主にイモ類、豚、鶏の産出額が増加した。イモ類は加工用かんしょ(サツマイモ)の価格が上昇し、豚は肉豚の価格が上昇。また鶏はブロイラーにおいて出荷羽数の増加に加えて価格も上昇し、それぞれの産出額が増加した。一方で、野菜は主にキュウリ、ピーマン、キャベツの価格が低下。肉用牛は、主に子牛の生産頭数が減少し、それぞれ産出額が減少した。上位10品目は、肉用牛が1228億円で1位。以下順番に、豚(909億円)、ブロイラー(889億円)、鶏卵(316億円)、米(169億円)、かんしょ(164億円)、茶(生葉)(154億円)、ばれいしょ(141億円)、さとうきび(128億円)、生乳(88億円)。 生産農業所得は1493億円となり前年より219億円減少となった。 農業産出額は北海道に継ぐ全国2位を維持し、また過去最高額となったが、一方で所得率は29・2%と、広島県と同率で全国最下位だった。畜産の利益率の低さが一因とみられ、今後のブランディングが課題となる。県の24年度当初予算において農林水産業の予算は23年度と比べ16・3億円の減少となったものの、「稼ぐ力の向上」をテーマに国内の販路拡大として「かごしまの食販売促進強化」や「和牛日本一鹿児島PR」などの事業に予算を計上した。また輸出においては、21年度に農林水産物の輸出額が311億円を突破したことを皮切りに、23年度には円安を追い風に約367億円となり、過去最高額を更新した。塩田康一鹿児島県知事は、25年度に約500億円達成を目標に、大規模輸出商談会への出展など、官民一体となった輸出拡大に力を入れるという。国内外に向け鹿児島ブランドのアピールに期待が高まる。
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各社の対応:スマート農機の販促強化/鹿児島県特集 |
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(株)南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/鹿児島県下22拠点・118人)の2023年の実績は前年比微減となった。これについて今年4月の人事異動で営業本部長に就任した鳥越浩二氏(1983年6月、(株)宮崎クボタ入社)は、子牛の価格下落や飼料の高騰などが影響し、畜産関連の売上げが減少したことが要因だとした。23年の主要機の動向は、トラクタは24〜35馬力が主流で前年並み。トラクタに自動操舵システムをセットし、実演を推進した。田植機は4条・5条植えが主流。GS田植機は6〜8条が伸長。コンバインは3条・4条刈が主流だった。作業機はショートディスクに加え、スライドモアなどの草刈機関連も伸長した。また、ラジコン草刈機とドローンは実演依頼が増加し、今後の販売につながる見込みが増えた。 24年、3月・6月は価格改定の7月に向け、営業所合同の展示会を開催し駆け込み需要に対応した。その結果、トラクタの売上げが伸長したが、10月までの実績は前年微減となっている。年度後半について、同営業本部長は「子牛価格の下落で畜産関連の需要は底をついていると感じる。一方で、米価の高値で米農家の雰囲気は良い。田植機・コンバイン以外にも需要の掘り起こしに注力している」と述べた。推進機種はGSトラクタとGS田植機。トラクタはあぜ塗りやハローなど各地域の需要にマッチした作業機と合わせて実演している。主要営業所にRTK基地局を設置し、きめ細かい操作性をアピールしている。 今後のイベント開催の動向は、鹿児島・宮崎県合同で、担い手をターゲットにした野菜作の実演会を11月に開催する。移植機や管理作業機、自動操舵システムなどを実演する予定だ。 農機の整備・修理サービスの動向は、積極的な入庫点検の呼びかけが繁忙期の突発的な故障防止につながるとし、顧客に点検の案内を送付。サービスセンターでの入庫点検を強化している。また、25年から年休を10日間増やし、スタッフの働きやすさと増員にも努めている。 (株)ミズホ商会(田中丈尋社長/大隅エリア9拠点・35人)の23年度の実績は、前年比微減となった。田中社長によれば、子牛の価格下落や飼料価格高騰などの影響で、畜産関連の売上げが悪化。21年度から開始した農作業受託サービスに関しても、単価が見合わないケースが増えてきたという。主要機の動向は、トラクタは30〜50馬力が主流で、前年比減となった。 24年度の推進活動は、トラクタに作業機をセットして実演を強化。また、自動操舵システムの販促にも注力する。同社長は「今年は農産物の高値で農家の雰囲気は良い」とし、顧客の購買意欲向上に期待を寄せた。重点課題としては、農機の整備修理や作業委託サービスにおいて、工賃を見直し、適正価格の徴収を徹底する。同社長は「農機の売上げから予測して、この地域では更に離農が増えると考えているので、収益の改善は必須事項。また、安価な農機を販売すると、結果として低単価の修理依頼が増えるので、そういったサイクルも改善すべく、スタッフへの教育なども徹底していきたい」と方向性を語った。 ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部・鹿児島エリアの23年度の実績は前年並みで推移した。末永勇作エリアマネージャーによれば、子牛の価格下落により畜産関連の売上げが振るわなかったが、ダイコン・タマネギ・ニンジン・サツマイモなどの野菜価格が堅調だったことを受け、畑作農家への訪問を強化し、地域別、作物別の個別実演に注力することで乗り切ったという。また、県下合同の展示会を大隅支店において2月に開催し、顧客との接点維持などに努めた。主要機の動向は、トラクタは直進アシスト仕様を含め33〜57馬力を中心に伸長した。田植機は6条植えが主流となり、4条以下は減少傾向。コンバインは3条刈が主流だった。作業機は、22年から引き続きミノスアグリのディスクハローが伸長した。また、スライドモアや、直進アシストトラクタとうね立て整形機のセットは、実演依頼が増加した。 24年度になり、子牛価格は低調のままで畜産関連の苦戦が続く。そこで前半の推進活動は、主要機・作業機の点検整備の受注、野菜・米農家へスライドモアやフレールモアなどの実演強化、そして中古機の推進などに舵を切った。加えて、グランメッセ熊本において九州合同の展示会を7月に開催。最新のスマート農機を中心に展示し、多くの顧客が来場し盛況であったという。 24年度の後半の推進は、直進アシストトラクタに、うね立て・ディスクハロー・ディスクロータリーなどの作業機をセットして実演活動を強化。一方、関連資材の販促はSNSなどを活用して行っている。また、訪問における顧客とのコミュニケーションを重視し、ニーズの掘り起こしや提案活動などにも力を入れている。今後は、拠点ごとの定期的な試乗会や展示会を開催予定だ。 農機の整備・修理サービスの動向は、稲刈り後のコンバインの点検整備を推進。米価の高値を追い風に、整備に消極的な顧客を中心に販促することで、繁忙期の「手を止めないサービス」につなげる。また、スタッフに対して、大型の輸入作業機に対応できる技術研修を定期的に実施し、顧客サポート力の向上を図る。 (株)ヰセキ九州(中谷清社長)南部支社鹿児島営業部(18拠点・98名)の23年度の実績は前年並みとなった。石田伊宣支社長によれば、子牛価格の下落や飼料価格高騰の影響で、畜産関連作業機の売上げが減少した。稲作関連も減少傾向にあったといい、メンテナンスや中古機の委託販売などで実績の維持に努めたという。主要機の動向は、25〜60馬力の新型トラクタ「BFREX」が牽引。自動操舵システム「CHCNAV」とセットで実演し、どちらも売上げを伸ばした。CHCNAVは、低価格ながら他メーカーと同等の精度がユーザーに受けた。田植機は5条・6条植えが伸長し、4条は減。コンバインは幅広く2〜6条刈が横ばい。 24年度、展示会「初春感謝市in九州」を今年2月、グランメッセ熊本で開催した。ヰセキ九州全体の展示会としては約20年ぶりとなり、最新のスマート農機や巨大な作業機など、普段はあまり目にすることがない機械も展示し、鹿児島からも多くの来場者が訪れた。これについて同支社長は「価格改定前の駆け込み需要に対応し、良いスタートダッシュができた」と述べた。その後は、BFREXの実演機を各拠点に導入し、新製品のレベリングシステム「CHCNAV IC100」も合わせて実演を強化した。同製品はBFREXなどの同社トラクタを使用すれば、ハローなどの直装作業機に対応している。代掻き作業などに応用ができ、実演を実施したユーザーから高評価だ。また、同社はCHCNAVシリーズを購入した顧客に対し、27年3月まで、位置情報補正データサービスの無料提供を開始した。24年度後半は、これらの施策と米価の高値を追い風に、更なる農業機械の普及を目指す。また、中古機の委託販売も継続して注力している。今後のイベント動向としては、11月に「秋の感謝祭」と銘打った合同展示会を実施する予定だ。 農機の整備・修理サービスでは、オイル交換キャンペーンなどを呼び水に、入庫点検の販促を強化している。点検を推進し繁忙期の突発的な故障を防止することで、顧客サポートに尽力している。 三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)鹿児島支店(5拠点〈沖縄2拠点含む〉・15人)の23年度の実績は、農業資機材の値上げや子牛の価格下落などが影響し、前年比微減となった。主要機の動向は、トラクタは33〜36馬力が主流。またサトウキビ管理作業用の17馬力が堅調。コンバインは4条・5条刈が主流。田植機は、4〜6条植えのペースト施肥仕様が伸長した。8条に関しては、ほぼペースト施肥仕様が占めた。 中村俊夫支店長は、これまでペースト肥料は粒状に比べ高価であったが、肥料価格の高騰を受け、双方の価格が同等になったことを要因のひとつとしてあげた。加えて、使用後にカプセルなどが出ないので、環境への配慮としてペースト施肥仕様が選ばれているのではないかと分析した。作業機はスピーディーな作業が好評の小型ディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」が伸長した。草刈機では、猛暑の影響で作業時間を少しでも短くしたいという顧客に、スライドモアやハンマーナイフモアなどの作業機、また歩行型もパワフルな機種が伸長した。 24年度、前半はKUSANAGIなどの新製品を中心とした実演を強化した。また拠点展示会を今年9月に開催したが、猛暑の影響からか12〜15時の客足が悪く、開催時期見直しの検討材料になったという。 同支店長によれば、早期米、それに続く普通作米の高値で、顧客の購買意欲は良好だという。この追い風に乗り、後半もKUSANAGIを中心とした実演、また新製品の18〜25馬力トラクタ「X〈クロス〉S」シリーズの販促に注力する。同社ではウェブサイトによる実演依頼を受け付けており、特に離島の顧客からの需要が増加している。 農機の整備・修理サービスの動向は、今年4月に作業別単価の見直しを含む価格改定を実施した。これにより、長期間の使用を見据えた部品交換などが行いやすくなり、繁忙期の故障を未然に防ぐ顧客サポートにつながっているという。またスタッフ増員、そして育成も重要課題だ。今夏からフレックスタイム制度を導入した。働きやすさをアピールし、人材募集の好材料にしたいと同支店長は述べた。
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鹿児島県商組の動き/鹿児島県特集 |
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鹿児島県農業機械商業協同組合(田中俊實理事長)は5月24日、第64回通常総会を霧島市で開催し、2024年度事業計画の審議及び収支予算決定と、23年度の事業、決算報告などを行った。役員人事は副理事長にヤンマーアグリジャパン(株)九州支社の末永勇作氏が、監事に(株)ヰセキ九州南部支社の石田伊宣氏がそれぞれ就任した。 24年度の事業方針は、高性能化する農機の整備体制を確立し、また中古農業機械査定士制度において多くの組合従業員が査定士の資格が取得できるよう指導・運営していくなどとした。重点実施事項は、(1)農機整備技術向上のため鹿児島職業訓練支援センターにおいて講習会を実施(2)県立農業大学校の農機運転技術講習会に参加し、整備士としての資質を高める(3)技能検定受験者の全員の合格を目指す(4)適正修理料の確保のための施策を推進(5)整備施設環境の改善及び認定整備施設や技能士制度のPR(6)中古農機査定士育成のため講習会を実施し、助成も行う(7)農作業事故防止対策のため、農機現地講習会への参加及び啓発用ポスターなどを配布し農作業安全の周知徹底―をあげた。
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地場メーカー紹介・三州産業/鹿児島県特集 |
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三州産業(株)(鹿児島県鹿児島市南栄4の11の2)の「基腐病用蒸熱処理装置」は、サツマイモ基腐病の対策として開発された種イモの蒸熱処理機だ。一度に大量の種イモの処理が可能で、JAや各自治体及び酒造会社などが導入している。 蒸熱処理とは、50度C前後の飽和水蒸気で種イモを加熱することで病害を防除する技術だ。同社では2021年に鹿児島県下のでん粉会社やバイオ苗の製造企業などと共同し、総量30トンの蒸熱処理の分析検証を実施し、その効果に確信を得て、国内で初めて基腐病対策の装置として製品化した。 消毒に必要な温度と、温度障害(萌芽不良や腐敗)を起こす温度帯が近いため、それを避けるプログラムと、均一に処理する性能などの条件を満たし、同社の担当者によれば「処理後、病気の発症率を5%以下に抑制した」という。 また蒸熱処理だけでなく、作物にできた傷を修復して貯蔵性を高めるキュアリングや、洗浄後の乾燥にも使用できる。 同製品は、1室につき500キロを処理する。加えてパレット積載なので、フォークリフトでの積み込み作業が可能だ。新たにラインアップされた1トン処理機については室毎の独立制御も可能。 また、種イモの傷つき防止として、生産現場で使用している収穫コンテナのまま処理を可能とする技術の実用新案を申請済だ。 同社は葉タバコ乾燥機メーカーとして1948年に創業し、約40年前に同製品のベースとなる、植物防疫用の蒸熱処理装置を開発した。 これは、海外からマンゴーやパパイヤなどを輸入する際にそれらに寄生する害虫を殺虫するもので、現在タイやベトナムなど十数カ国で稼働している。 三州産業(株)(鹿児島県鹿児島市南栄4の11の2)の「基腐病用蒸熱処理装置」は、サツマイモ基腐病の対策として開発された種イモの蒸熱処理機だ。一度に大量の種イモの処理が可能で、JAや各自治体及び酒造会社などが導入している。 蒸熱処理とは、50度C前後の飽和水蒸気で種イモを加熱することで病害を防除する技術だ。同社では2021年に鹿児島県下のでん粉会社やバイオ苗の製造企業などと共同し、総量30トンの蒸熱処理の分析検証を実施し、その効果に確信を得て、国内で初めて基腐病対策の装置として製品化した。 消毒に必要な温度と、温度障害(萌芽不良や腐敗)を起こす温度帯が近いため、それを避けるプログラムと、均一に処理する性能などの条件を満たし、同社の担当者によれば「処理後、病気の発症率を5%以下に抑制した」という。 また蒸熱処理だけでなく、作物にできた傷を修復して貯蔵性を高めるキュアリングや、洗浄後の乾燥にも使用できる。 同製品は、1室につき500キロを処理する。加えてパレット積載なので、フォークリフトでの積み込み作業が可能だ。新たにラインアップされた1トン処理機については室毎の独立制御も可能。 また、種イモの傷つき防止として、生産現場で使用している収穫コンテナのまま処理を可能とする技術の実用新案を申請済だ。 同社は葉タバコ乾燥機メーカーとして1948年に創業し、約40年前に同製品のベースとなる、植物防疫用の蒸熱処理装置を開発した。 これは、海外からマンゴーやパパイヤなどを輸入する際にそれらに寄生する害虫を殺虫するもので、現在タイやベトナムなど十数カ国で稼働している。 ▽製品問い合わせ=同社(TEL099・269・1821)
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米をめぐる状況/特集 米関連機器のニーズを掘り起こす |
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今年の流行語大賞にもノミネートされた「令和の米騒動」。8月の南海トラフ地震情報等による平年を大きく超える買い込み需要により、スーパー等でお米が買えないような事態となった。供給側というより、買いだめが大きな要因のひとつと考えられるものの、流通も含めて、米の安定供給の重要性を改めて考えさせられた。こうした米不足の影響もあって、最近の米価は上昇しており、これが農機購買意欲を向上させるものと期待される。米関連機器や米をめぐる状況などをみる。 農林水産省がまとめた「米をめぐる状況について」によると、米の流通経路は、JA等↓全農県本部等↓卸売業者↓小売・実需が基本であるが、消費・販売の実情に応じて実態は様々であり、流通経路は複雑。産地銘柄ごとの需給・品質を踏まえ、主に相対取引で価格が形成。県単位・地域単位でJAが概算金を決定するとともに、全農・卸間で相対取引価格及び取引数量が決定される等、各取引段階で多様な価格が存在する。 水稲作付農家数及び稲作の基幹的農業従事者数の年齢構成をみると、水稲作付農家数は、平成27年から令和2年の5年間で約25%減少。稲作の販売金額が1位である基幹的農業従事者の年齢構成をみると、稲作では特に高齢化が進んでおり、60歳代以上が約9割を占める。 水田作の作付延べ面積規模別の農業所得をみると、規模が小さい経営体ほど農業所得は低くなり、経営体数の97%を占める10ヘクタール未満の規模では、過去4年間で年間所得が200万円を下回っている。 水稲作付経営体における後継者の確保状況をみると、水稲作付経営体全体では7割の経営体で後継者が確保されておらず、15ヘクタール以上の大規模経営体においても、約4割では後継者が確保されていない。 一方、2010年から2020年における、面積規模別の水稲作付経営体数と水稲作付面積に占めるシェアの推移をみると、小規模な経営体は急速に減少が進む一方で、大規模な経営体は経営体数・水稲作付面積に占めるシェアのいずれも伸ばしており、大規模経営体への水田の集積が進んでいる傾向がうかがえる。15ヘクタール以上の大規模層は、10年間で83・3%増加している一方、2ヘクタール未満の小規模層は44・0%減少している。 米の地帯別の作付面積は、山間農業地域が10万2000ヘクタール(8%)、中農業間地域が33万2000ヘクタール(26%)となっており、農地集積、生産性向上によるコスト削減が比較的難しい中山間地域が3分の1を占めている。 ◇ 農林水産省が、食料・農業・農村政策審議会企画部会に提出した資料によると、土地利用型作物(米・麦・大豆等)について、経営体の減少を踏まえた将来予測(試算)として、▽2030年には経営体数は27万経営体と半減▽経営規模の拡大を考慮せず、2020年時点の1経営体当たりの経営面積を基にして試算すると、2030年には農地利用が約70万ヘクタール減少するおそれがあるとしている。 また、土地利用型作物は農地の集約化により生産性の向上が図られる典型的な作物である一方、担い手であっても農地が分散している場合があり、例示として、経営面積16・4ヘクタールが、70カ所に分散して存在し、1カ所当たり平均面積は23アールと狭小。最も離れている農地間の直線距離は5キロなどのケースを示した。
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日農工機種別部会長の令和6,7年需要見通し(調製・米選機部会)/特集 米関連機器のニーズを掘り起こす |
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【調製・米選機部会(川島廣大部会長)】 〈脱穀機〉 1―9月の部会統計では、出荷台数は157台、対前年比82・2%で推移しております。 脱穀機の市場は、中山間地域の小規模農家向けの商品ですが、離農や作業委託が進み、需要は減少傾向にあります。製品タイプ別では、多くの割合を占める安価なガソリンタイプは減少傾向が続いており、ディーゼルタイプは前年並みで推移しています。米価高騰により一部で更新需要が期待されていますが、小規模農家は生産資材や燃料の高騰により、その影響は限定的とみています。 来年についても、本年同様、小規模農家の離農や作業委託の増加による更新需要の減少が見込まれます。米価の高騰はあるものの、現状では更新需要に大きく結び付くことはないと予想されます。 以上のことから、今年の需要見通しは、対前年比92・2%、来年の需要見通しは、対前年比91%といたしました。 〈籾すり機〉 1―9月の部会統計では、出荷台数は5546台で、対前年比77・3%で推移しています。 本年の動向ですが、全体的には物価高や中古機流通の影響で需要は減少しています。米価高騰の影響は感じられません。大規模農家の更新需要は安定していますが、中小規模農家は投資を控える傾向にあり、全体的に需要は減少しています。 来年の見通しでございますが、大規模農家では一定の更新需要が見込まれますが、中小規模農家は投資意欲の低下や離農により、需要の減少傾向が続くとみております。米価の高騰が続くかどうか注視する必要はありますが、米価高騰が離農の抑制や需要の増加につながることを期待しています。 以上のことから、今年の需要見通しは、対前年比82%、来年の需要見通しは、対前年比97%といたしました。 〈米選機〉 1―9月の部会統計では、出荷台数は4499台で、対前年比103・9%で推移しております。 本年の動向ですが、全体としては、更新サイクルの延長、高齢化による離農、作業委託の増加などにより、減少傾向が続くとみられます。大規模農家ではフレコンバックへの移行が進んでおり、中小規模農家は事業継続に関わる投資を控える傾向にあります。フレコンバック出荷の増加に伴い、米選計量機の需要は減少していますが、色彩選別機や米選機単体は堅調に推移しています。7月までは厳しい状況が続いていましたが、8月以降、米価高騰により購買意欲が回復し、フレコンバック対応のハカリ無し仕様の需要が増加しています。 来年の需要見通しでございますが、全体としては、米価の高騰が大規模農家の購入意欲を高めることに期待していますが、更新サイクルの延長、高齢化による離農、作業委託の増加などにより、減少傾向が続くとみられます。米価高騰が継続するかは注視が必要ですが、本年同様にフレコンバックの増加に伴い、米選機単体の需要は増加する見込みです。一方で、中小規模農家の減少により、米選計量機の需要は減少傾向が続くと考えています。 以上のことから、今年の需要見通しは、対前年比91%、来年の需要見通しは、対前年比98%といたしました。 令和5年の部会予測と実績の差異についてご報告いたします。 脱穀機は部会予測では74%としましたが、実績は71・5%でございました。小規模農家の離農や作業委託の進行により、昨年の見通しを下回る結果となりました。 籾すり機は、部会予測で111%としましたが、実績は102・7%という結果となりました。昨年の米価は微増しましたが、高温障害や品質低下による生産者の収入減に加えて資材費の高騰で購買意欲が減退したことや、価格改定の影響により、予測を下回る結果となりました。 米選機は、部会予測で88%としましたが、実績は70・3%でございました。小規模農家の離農や作業委託が進んだことに加えて、生産資材高騰の影響により、予測を下回る結果となりました。
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日農工機種別部会長の令和6,7年需要見通し(乾燥機部会)/特集 米関連機器のニーズを掘り起こす |
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【乾燥機部会(金子常雄部会長)】 1―9月の循環型乾燥機の出荷実績を部会統計でみてみますと、出荷台数で6835台、対前年比85・4%で推移しています。 乾燥方式別では、主流は、依然として遠赤外線タイプであり、特に25石以上の中・大型クラスでその傾向が顕著です。14石未満の小型クラスでは、価格面で熱風タイプが選ばれています。30石未満では価格改定の影響により熱風タイプへの移行がみられますが、大規模農家以外の需要が主体であり、離農の影響で熱風タイプの需要は減少傾向にあります。 本年の動向ですが、昨年の米の品質低下による生産者の収入減により、更新需要が減少し、前半は厳しい状況が続いていましたが、後半は、米価高騰で大規模農家の設備投資意欲は上向いています。一方で、兼業農家や小規模農家は生産資材の高騰や後継者不足で購買意欲が低下しています。補助金の影響で需要が一時的に伸びましたが、価格改定の前倒しの影響もあり低迷しています。 以上を踏まえて本年の需要見通しは、対前年比91%といたしました。 来年の需要見通しですが、米価の高騰が持続して、農家の購買意欲が高まることに期待しております。大規模農家への農地集約が加速し、汎用乾燥機のニーズが増加する中、年間の稼働時間が延びることで耐久性の重要性が増しています。さらに、所得の増加に伴い優遇税制の活用やライスセンター関連の相談が増加しています。一方で、兼業農家や個人農家の小型クラスの需要は減少するとみております。 以上のような状況から、来年の需要見通しは対前年比98%と見込んでおります。 昨年の部会予測と実績の差異について報告します。 令和5年の部会予測を96%としましたが、実績は97・2%となりました。部品の調達はある程度落ち着き、生産遅延の解消と価格改定の前倒し、一部地域での補助金により、予想を若干上回る結果となりました。
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日農工機種別部会長の令和6,7年需要見通し(精米機部会)/特集 米関連機器のニーズを掘り起こす |
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【精米機部会(平野泰孝部会長)】 〈精米機〉 9月までの部会統計によりますと、3馬力未満の小型タイプの出荷台数は対前年比95・8%、3〜5馬力の大型タイプは対前年比113・8%、合計で、対前年比98・3%で推移しています。 今年の動向につきましては、前半は、肥料、燃料等の資材費高騰等の要因により厳しい市場環境でしたが、需要期である9月に入ってからは、今年の米不足に伴う令和6年産米の概算金が高騰している要因も重なり、9月単月では、小型タイプ、大型タイプとも2桁の伸び率となっており、今後も購買意欲の高まりに期待できると考えております。 以上のような状況から、本年の需要見通しは、対前年比100%といたしました。 来年の見通しですが、大型タイプは、米価高騰による購買意欲の高まりに期待できますが、小型タイプは、離農等の影響は続くと見込んでいます。 以上のような状況から、来年の需要見通しは、対前年比95%といたしました。 〈コイン精米機〉 9月までの出荷台数は対前年比99%で推移しています。 今年の動向につきましては、昨年同様、物価高騰、エネルギー価格高騰の影響により、市場環境は厳しい状況が続いております。一方、新機種投入による市場の活性化、米価高騰に伴う縁故米増加や生産者から直接玄米を購入する消費者のコイン精米機利用の増加などの動きもみられることから、今後の更新需要の高まりに期待できると考えております。 以上のような状況から、本年の需要見通しは、対前年比104%といたしました。 来年の見通しですが、厳しい市場環境に変わりはないものの、引き続き、更新需要、縁故米や玄米を購入する一般消費者のコイン精米機利用は続くと見込んでおります。 以上のような状況から、来年の需要見通しは、対前年比100%といたしました。 令和5年の部会予測と実績の差異について報告します。 精米機は、95%と予測しましたが、実績は92・7%の結果になりました。おおむね予測通りの結果となりましたが、価格改定や生産遅延の影響が想定より大きかったことが、予測値を下回った要因であると分析いたしました。 コイン精米機は、94%と予測しましたが、実績は88・6%となりました。電気料金高騰等による既存オーナーの採算悪化による更新意欲の低迷等の要因が想定よりも大きかったことが、予測値を下回った要因であると分析いたしました。
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JA全農、米の物価指数は低下/特集 米関連機器のニーズを掘り起こす |
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JA全農は、このほど農林水産省で開催された適正な価格形成に関する協議会 第1回米ワーキンググループに、「国産農畜産物を消費者へ持続的にお届けするために」と題する資料を提出した。 それによると、耕作面積は、米穀を中心に減少傾向にあり、直近10年超で全体で19%減となっている
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