農業ロボ実装の課題/農業食料工学会・ITメカトロニクス部会がセミナー

一般社団法人農業食料工学会(飯田訓久会長)ITメカトロニクス部会(山本聡史部会長)は6日、Webセミナー「農業ロボットの社会実装における課題と将来展望」を開催した。施設園芸における農業ロボットの最新動向と社会実装の課題、将来展望について、千葉工業大学先進工学部未来ロボティクス学科教授・林原靖男氏とヤンマーホールディングス㈱技術本部イノベーションセンターロボティクス担当主席・杉浦恒氏が話題提供を行った。
開会にあたり挨拶した山本部会長は、工学分野の専門家が農業分野に深く関わりコミットする時代になってきており、農業ロボット技術も新たなフェーズへ移行しつつあると述べ、ロボット分野に精通する立場から議論を深めたいと期待した。
杉浦氏は「作物マニピュレーションの社会実装への課題」と題して講演。まずヤンマーのロボティクスの取り組みとして、マリン・アグリ・建機の分野において、フィールド作業機の技術を活かして人作業や作業機の自動化・自律化を行っていると説明した。そして人が道具を活用する作業のうち、耕起や播種、防除など一斉作業は機械化・自動化が進んでいるものの、個々の作物の状態を判断したり、繊細な操作が必要な個別・選択作業の機械化は進んでおらず、こうした人作業を自動化するのが作物マニピュレーションとした。
その現状をみると、世界中でトマト、キュウリ等の収穫などを行う作業ロボットの研究開発が進んでいるものの、安定した事業になっていない。その要因として、①経営体②対象環境③対象物体―の3つのバラつきを示した。さらに、研究開発に伴う課題としてロボットシステム構築の負担が大きいことや、場所の確保困難、季節性の制約、再現性の欠如、評価基準の不在などもあるという。
そこで、課題解決への取り組みとして、作業全体の自動化に向けて、①人②環境③ロボティクスの3者の最適バランスを考えた三位一体の開発を進めていると提示。部分的な対策は進んでいるが、事業化にはさらにビジネスモデルや安全規格への対応、市場拡大などを考慮する必要があるなどと述べた。






