蜜蜂不足対応へ体制構築/施設園芸協が花粉交配用昆虫の勉強会

一般社団法人日本施設園芸協会(安岡澄人会長)は3日、広島市南区のTKPガーデンシティPREMIUM広島駅前及びWebで、「園芸作物の安定生産に向けた花粉交配用昆虫に関する勉強会in広島」を開催した。農林水産省の令和8年度持続的生産強化対策事業のうち養蜂等振興強化推進の「花粉交配用昆虫の安定利用普及啓発事業」の一環。
自然災害等により花粉交配用ミツバチの供給が不安定な状況にある中で、各産地で蜜蜂不足や養蜂家の現状、代替昆虫の活用等の理解を深めるため勉強会を行っているもので、6月の北海道に続き2回目。これには近隣の園芸農家をはじめ、全国から会場・Web合わせて160名以上が参集した。
勉強会では、まず農林水産省農産局園芸作物課による「花粉交配用蜜蜂をめぐる情勢について」説明が行われた。
それによると、施設園芸ではミツバチやマルハナバチ、ビーフライによる授粉が行われ、花粉交配用ミツバチはイチゴやメロン、スイカを中心に全国で使われており、特にイチゴは施設栽培面積の約9割で使用。花粉交配用ミツバチの供給可能数量は9月頃に、ある程度の見通しが可能になるが、ダニ寄生等の要因で令和6~7年は1万群以上不足した。そこで、国は都道府県などの関係機関とミツバチ不足に備えた体制を構築。各産地で対応策の事前検討を行うとともに、各産地の必要群数・不足群数など情報収集を行っている。産地で取り得る対応としては早期注文・確認やハウス内の適切な管理、需給調整、代替昆虫の利用、手交配の実施などを示した。
その後、情報提供として千葉大学園芸学研究院非常勤講師・光畑雅宏氏が「マルハナバチを含む送粉昆虫の有効利用」、事例提供として広島県農林水産局畜産課主査・上川真希佳氏が「広島県における養蜂振興に関する取組」、香川県農政水産部農業生産流通課野菜グループ主任技師・真鍋伶菜氏が「香川県の花粉交配用蜜蜂の不足対応の取組」―を講演した。
光畑氏はハナバチを農業生産に利用するメリットとして省力化や品質向上、収量増加、低農薬栽培への転換などを示した一方で、ハナバチの供給は地球規模で危機に瀕しており、飼養下にあるセイヨウミツバチすらダニや農薬等の被害、気候変動等により不足していると指摘。
そこで対策案の1つとして、複数の送粉昆虫や天敵昆虫、トラップなどによる物理的防除、化学農薬、バイオスティミュラントなどを組み合わせたIPPM(総合的病害虫、送粉者管理体系)の実践などを提示した。






