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令和8年10月12日発行 第3617号 掲載

農機市場の動向②:農機市場は縮むのか?/三重県特集

 三重県農業の2020年と2025年を比べると、農機市場の構造変化が鮮明になる。農業経営体数は26・1%減少した。一方、耕地面積は5・0%減、水稲作付面積は4・1%減に留まる。経営体数の減少幅に比べ、農地の減り方は小さい。「作る人」が大きく減る一方、「耕す土地」は相当程度残っている。

 この開きは農機市場を見る上で見逃せない。離農などで手放された農地を担い手が引き受ければ、1経営体が担う面積は広がる。経営体数が4分の1以上減ったからといって、農機需要も同じ割合で縮小するとは限らない。むしろ農地を引き受ける側には、限られた人員でより広い面積を適期にこなす力が求められる。そこで重要になるのが農機の大型化、高能率化、省力化だ。トラクタ、田植機、コンバインに加え、直進アシストなど経験の差を補う機能や、作業時間を短縮する作業機の役割も増す。今回の県内販社への取材でも、大型機や省力化機能、草刈機など管理作業を軽減する機械への関心が聞かれた。

 農地の集積が進めば、耕起、田植え、収穫だけでなく、草刈りや防除まで含め、少ない人手でどう回すかが課題となる。販社にも主要3機種を売るだけでなく、経営全体を見据えた機械化提案が一段と求められる。

 もう一つ目を引くのが、米の農業産出額だ。2020年と2024年を比べると39・6%増えた。水稲作付面積が減る一方で、米の産出額は大きく伸びた。近年の米価上昇は農機投資を後押しした。しかし、価格動向次第で投資姿勢が変わる不安定さもある。機械の更新時期、経営規模、米価をにらみながら需要を捉える必要がある。

 農家が減れば、農機市場も同じように縮む―数字は必ずしも、そんな単純な図式を描いていない。誰が、どれだけの農地を、どんな農機で担うのか。そこから見えてくるのは、農機需要を「農家の数」だけでは測れない時代の到来だ。

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