アグリビジネスの最新ニュースをお届けします
最新号をみる
MENU
令和8年10月12日発行 第3617号 掲載

次世代森林産業展にみる新技術/林業機械特集

 森林産業展では、新しい林業の実現に向けた商談、交流の機会を通じてビジネスチャンスを創出。また、産業発展のプラットフォームとなり、異業種の化学反応が生まれるオープンイノベーションの場として産業全体の発展に貢献することを目的に毎年開いている。各ブースの展示内容を振り返る。

 ㈱ケービーエルは、イタリア・MDB社のグリーンクライマーを展示した。厳しい条件下でも優れた安定性と接地力を発揮。重量配分と特許取得の下部構造により、トラックが逸脱する危険性をなくした。最大60度の傾斜面の走行が可能。また、スペイン・TMC CANCELA社の油圧ショベル用マルチャー、イタリア・EMILIANA SERBATOI社の軽油運搬給油タンクを紹介した。

 ㈱JVCケンウッドは、林業専用ICTプラットフォーム「soko―co FOREST(ソココフォレスト)」をPRした。デジタル簡易無線機を用いた最大半径3㌔の安定的な通信ネットワークを確立。携帯電話やインターネットがつながりにくい林内でも利用でき、近接範囲のメンバーといつでも連絡を取ることができる。オフラインでも利用可能な地図上に、接続メンバーの位置情報を表示する。

 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所は、「ロボット技術を活用した丸太荷役自動化技術の開発」についてPR。レーザー計測技術やAIによる画像処理技術、ロボット制御技術を統合し、丸太を荷台に自動で積載する制御システムを開発した。群馬県内の実証試験では、丸太の自動検出から積載するまでの一連の動作を自動で行えることを確認。自動運転の成功率や動作速度の向上を目指してさらなる研究を進める。

 住友林業㈱は、森林クレジットの創出・審査・取引までを包括的に支援する森林価値創造プラットフォーム「森かち」をPRした。森林クレジットの創出手続きと販売をサポートするウェブサービス。クレジット創出に向けた審査書類作成を簡易化するウェブ入力フォームの提供、各種データのデジタル化による地図上の一括管理により、手間のかかるクレジット創出業務を大幅に効率化。

 全国森林組合連合会は、「林業安全教育360度VR」の体験コーナーを設置した。VRゴーグルを装着すると、伐倒木による激突事故を疑似体験できる。誤ったかかり木処理による事故も再現。枝払い、玉切り、伐倒など様々なシーンで発生するキックバックについても詳しく解説。林業の担い手育成、新規就労者向けの研修会、講習会などで活用されている。

 ㈱マプリィは、自律電動クローラ―「mapry M3」に注目が集まった。搭載カメラで周辺環境をリアルタイムで認識。障害物回避や斜面走行も自動で行う。アタッチメント交換式なので作業に合わせて機能を変更できる。遠隔操作で高い安全性を確保。緯度経度だけでなく、平面直角座標系でのデータ取得が可能となる。森林計測・調査、下草刈り、草刈りなど様々なシーンで活用。

 ㈱RINDOは、林業・木材業界専門の求人サイト「RINDO(リンドウ)」の取り組みをアピールした。サイトでは、全国各地の林業に関する仕事を紹介。募集要項や事業内容、社風、所有している高性能林業機械なども事前に確認でき、希望条件にあった職場を探せる。森林組合や林業事業体など170社での導入実績がある。

 林野庁は、令和8年度「スマート林業を支える林業機械の開発・実証」で、▽遠隔式伐倒作業車の改良及び植栽アタッチメントの開発▽安全機能付き自動集材・造材マルチワークシステムの開発▽自動下刈機の多機能化―を進めていることをPR。リモートセンシング、AIなどの新技術活用、情報のデジタル化による効率化と変革を目指している。

カテゴリー別最新ニュース