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令和8年7月13日発行 第3605号 掲載

自走式草芝刈機を刷新/工進

㈱工進(小原英一社長・京都府長岡京市神足上八ノ坪12)は2025年春に発売して高い評価を得た自走式エンジン草刈機を大幅に改良し、今年4月に新モデル「EFB―53D」を発売した。前モデルから約1年という短いスパンでのリニューアルとなり、希望小売価格は据え置いたまま使い勝手の向上を図った。前モデルから今回の新モデルまで一貫して担当した同社商品開発部の三好和明氏に、ヒットの背景と改良の狙いを聞いた。 ◇ 前モデルが支持を集めた理由として、三好氏はまず「草刈り作業そのものが社会課題になりつつある」と語る。庭や畑の周辺、空き地の管理など生活圏での草刈り需要は高く、従来の刈払機より省力化・効率化できる機械への期待が強まっていたという。「楽に、快適に、軽快に作業できる選択肢として受け入れられた」と話す。 ヒットしたからこそ見えてきた課題もあった。草の上でタイヤが滑りやすいという声がある一方、地面がしっかりした場所では速度が速く感じられるという声もあった。また、石を噛み込んで刃が変形したり、デッキ内部の樹脂部品が破損したりするケースもあり、想定以上に厳しい環境で使われている実態が浮かび上がった。 こうした声を受け、新モデルでは、速度・タイヤ・安全性・剛性の見直しを進めた。速度は時速3・4㌔から3・0㌔に落とした。「数値以上に難しい調整でした。地面の状態や草の抵抗で体感が変わるので、最終的には自分で使って決めました」。ユーザーや社内の意見を集めても最適解は定まらず、利用者視点で検証を重ねた開発者自身の体感が決め手になったという。 タイヤは直径を5㌢大きくし、幅を広げ、溝も深くした。加えて、重量を増すことで凹凸地でも安定性が向上した。重量は前モデルよりやや重くなったが、使い勝手を分析し最適なバランスを目指したという。「速度、タイヤの構造、重さのバランスを調整し、使いやすさを引き上げた」。 安全面では、刈刃をデッキ内に収めるフルカバー構造を強化。金属主体のカバーで剛性を高め、刃は衝撃を逃がすフリー刃を採用した。刃が露出しないため接触リスクが減り、小石などを巻き込んだ際の飛散も防ぐ。刃が変形した場合は先端だけを交換できる構造とし、「ホームセンターで購入されたお客様でも簡単に交換できるようにしたかった」と話した。 多くの改良点を盛り込み、耐久テストも重ねたが、開発期間は1年。「お客様のニーズが高まっているこのタイミングで、前モデルを越える使いやすさを同じ価格で届けることが使命だった」と振り返る。今後の展望を聞くと、「今回は発売にこぎつけたが、まだこれがゴールだと思っていない」と語る。斜面対応やさらなる省力化が課題で、自動草刈機などの可能性も見据える。「草刈りがしんどい作業ではなく、綺麗になっていく楽しさを感じられるようにしたい」。生活圏の草刈りをより安全に、より快適にするための取り組みは、次の一歩へ向けて続いていく。

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