各社の対応:現場では法人化が加速/大分県特集

㈱中九州クボタ(宇部善男社長)第2営業部(大分県13拠点・80人)の2025年度の実績は、米価上昇による購買意欲の高まりを追い風に、前年比110%超の伸びを確保し、計画も達成した。
内田信二営業本部長によれば、省力化や効率化を図る農機、さらに高耐久機への関心が強く、整備・修理といったアフターマーケット需要も高水準だったと説明する。特にコンバインの入庫点検は例年にない件数となった。
一方で、資機材や燃料の高騰が経営を圧迫し、離農と法人化が同時に進む中で、保有農機が法人へ移るケースが増えるなど機械の集約が進んだとみている。乾燥機や色彩選別機、籾すり機など米関連機種が伸長。各メーカーとも納期に時間を要した1年だったと振り返った。
同年度の主要機の動向では、トラクタは大規模顧客の更新需要が中~大型に集中し、35馬力を中心に、60~80馬力帯が拡大した。田植機はGS仕様の6条植えが中規模顧客層に堅調。コンバインは3~5条刈が伸び、作業機では、畦畔塗り、代掻きハロー、フレールモアなどが好調だった。また、自走式草刈機も伸長した。
26年度に入り、上期の実績は総じて堅調に推移しているという。今年度は大規模層への省力化・効率化提案と整備事業の強化を柱に据える。GS仕様のトラクタ、コンバイン、田植機を推進し、営農支援システム「KSAS」との連携を深めるため、実演に加えて勉強会も開催。自動操舵システムやドローンの実演も強化している。
整備面では入庫点検の受注に加え、オイルやベルト交換などの簡易点検も推進する。日常的な点検が突発的な故障防止と顧客満足につながるとした。熱中症対策では水分補給の徹底に加え、客先での修理は、1時間以上かかるかどうかを判断し、長時間となる場合は入庫整備に切り替えるなどスタッフの安全確保を重視した運営を進めている。
今後のイベントの開催状況は、7~9月にかけて拠点やグループ展示会を予定。年末には中古機展も計画中だとした。
ヤンマーアグリジャパン㈱九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部(大分ブロック)の2025年度の実績は前年並で推移した。
同地区を担当する渡邉孝一エリアマネージャーによれば、米価の安定と不透明な市況が重なり、農家は設備投資に一段と慎重な姿勢を強めているという。一方で、組合化や法人化の動きが年々加速し、農機の共同購入やリース契約が増加した。米価上昇の局面で製品の品薄が続いたが、その後は回復基調にあるとした。
主要機の動向は、トラクタの中~大型クラスの需要が拡大。30馬力以上から115馬力まで幅広く動き、特に50~70馬力帯がよく出たという。田植機は4条植えが主流。コンバインは2~3条刈が主流で、4~5条刈も一定の需要があった。作業機「ディスクティラーDTM」シリーズは作業の速さが評価され、引き合いが増加した。草刈機も順調で、作業機だけでなく自走式やラジコンの需要が高まった。
26年度は、直進アシストトラクタや自動操舵システムを重点的に推進し、スマート農機の提案を強化する方針だ。実演は複数の顧客を集めて実施する形態へと移行しつつあり、参加者同士の意見交換が理解促進につながっているという。その他に、引き続きディスクティラーDTMシリーズや除草作業機、乾田直播を実施する顧客に向けてスリップローダーシーダーなども推進する。
整備・修理サービスの動向は、全国で整備料金の統一を25年5月から本格導入し、サービス水準と料金体系の均質化を図った。これにより、地域差のないサービス提供が可能となり、利用者にとって分かりやすい料金体系の構築にもつながっているという。
26年度は、客先での簡易診断と入庫点検を推進。農機の突発的な故障を未然に防ぎつつ、安心して農機を使用できる環境づくりを進める。技術力向上としてOJTを体系化し、整備スキルの底上げも進める。夏場の熱中症対策として、整備工場には遮熱塗料の塗布や遮熱シートを導入。水分・塩分補給の徹底や現場での声かけも強化している。また、営業・技術・サービスセンターが一体となる運営体制を強化し、猛暑期の危険作業や突発的なトラブルへの対応力を高めている。現場の安全確保を最優先に、事故防止と作業効率の向上を図る。
㈱ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷淸社長)中部営業部・大分事務所(8拠点・51人)の2025年度の実績は安定した推移となった。
佐藤国康副部長は、米価上昇が顧客の購買意欲を押し上げたほか、同社の価格改定を前に商談会を行うなど、駆け込み需要の対応なども寄与したと説明した。値上げによる販売の影響は限定的で、台数ベースでも伸びを示したという。主要機の動向は、トラクタ「RTS5」23~25馬力を中心に、「BFREX」35馬力も好調に動いた。田植機は4~5条植えが主流。コンバインは3条刈が伸長した一方、熊本工場の移転に伴う影響も。
自動操舵システム「CHCNAV」はBFREXと共に実演を強化し、県北部などで拡販に成功。その他、「アイガモロボ2」は、「みどりの投資促進税制」対象となり、販売数が増加した。草刈機は作業機や自走式などを中心に動きが良かった。
26年度は九州カンパニーとして2年目を迎え、売上シェア拡大を掲げる。価格改定前の展示会をグランメッセ熊本で7月に実施し、メーカー63社が参加。新型トラクタ「BJ」シリーズの試乗コーナーも設けられ、盛況であったという。畑作・畜産推進部門が新設され、BJも含む大型機シリーズ「All Japan」を重点機種として位置付ける。加えて、輸入作業機や他社作業機などの提案も推進し、大規模顧客へのアプローチを強化する。
また、レベリングシステム「IC100」や田植機専用のCHCNAVなども推進機種とした。飼料用米を対象に、マイコス菌を用いた乾田直播の実証は昨年に続き継続しており、佐藤副部長は「除草管理に課題が残るため、様々な方法を試行している」と話す。NTT e─Drone社との連携も進み、小型ドローンの実演を開始した。免許取得からメンテナンスまでの一環体制が評価され、引き合いは順調だという。
整備・修理サービスでは、新車を対象に初回無料点検サービスを実施し、利用促進を図る。適正価格による見積の徹底や、預かり後1週間以内を目標とする短納期の「スピード修理」も行い、顧客満足度向上に取り組んでいる。





