県内企業ピックアップ:【キン・ダイ】光触媒剤の普及に挑む/大分県特集

大分県の㈱キン・ダイ(大分市小野鶴798の5)が製造するスキルチタン「ザ・抗菌」が、公共施設や医療機関などで利用が広がっている。光触媒の一種である銀系酸化チタンを主成分とし、抗菌・抗ウイルスに加え、消臭、防カビ、防汚の効果を持つ多機能剤として活用が進む。光がなくても作用するよう銀を担持した構造が特徴で、超微粒子が素材表面に密着し、長期間効果が続くとされる。
自動車販売事業を併営する同社では、これまで車体の防汚コーティングや車内の抗菌・消臭対策として同製品を用いていた。その性能に注目し、大腸菌や黄色ブドウ球菌を対象とした抗菌試験を公的機関に依頼し、期待を上回る高い数値が得られたことから製品化に踏み切った。安全性については、急性毒性や皮膚刺激性など複数の試験で問題は確認されなかった。 さらに、皮膚科専門医の管理下で105名を対象に1年間実施したパッチテストでも異常はなかったとしている。コロナ禍には、宮崎大学に新型コロナウイルスアルファ株の不活化試験を依頼し、一定条件下でウイルス不活化率が97・7~99・8%以上という結果が得られた。また、鹿児島大学に高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の不活化試験を依頼した。
プラスチックと布で行った試験では、いずれも原液が反応直後から検出限界以下(99・9%以上の不活化)となり、10倍希釈液でも1時間後には同様の結果が得られた。同社は、養鶏施設での感染防止策に活用できる可能性があるとみている。これまでの導入事例として救急車内の抗菌コーティングをはじめ、教育施設、大学の廃液処理室、火災後の消臭など多岐にわたる。
同製品は大分県の令和6年度「トライアル発注制度」に認定されており(認定期間は令和8年3月末まで)、県は「持続性や安全性に一定のエビデンスがある」と評価する。同社は鳥インフルエンザ対策への活用も視野に、衛生資材として農林水産大臣の指定を受けるための申請準備を進めているとし、「県内から全国へ広げたい」としている。
希望小売価格は一般向けのスプレータイプ100㍉㍑、2420円(税込み)~。同社の特設サイトで販売している。





