新たなカーボンニュートラルシナリオ公開/陸内協

一般社団法人日本陸用内燃機関協会(田尾知久会長)は19日、「カーボンニュートラルシナリオ令和7年度版」をホームページ上で公開した。これは、2020年10月に国が2050年カーボンニュートラル宣言を行ったことを受けて、令和3年度から毎年、情勢変化や技術革新を踏まえて作成しているもの。陸用エンジンに対する環境規制は、先行するオンロードエンジン技術を踏襲してきたが、作業環境の異なるノンロードエンジンは電動化だけでは対応が難しいため、独自のシナリオ作成を続けている。
令和7年度版は、現時点でのカーボンニュートラル(CN)化の現状や政策面での動向を加えてアップデート。①昨年までの検討結果②CNへのシナリオ(日本のCO2排出量と動向/エンジン関連の様々なCNシナリオ)③CNに関する動向(政策面での動向/技術面での動向)④陸用内燃機関に適用可能なCN技術(陸用内燃機関の分類と各カテゴリーのCNシナリオ)⑤まとめ―という構成になっている。
このうち③CNに関する動向では、昨年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画について記載。6次計画との違いとして、▽エネルギー安全保障を最優先し、2040年を見据えた長期目標を設定▽原子力の位置付けを最大限活用に転換▽再生可能エネルギー目標の引き上げ―をあげた。また、次世代エネルギーとして「水素等(アンモニア、合成メタン、合成燃料含む)の技術開発により競争力を磨くとともに、バイオ燃料についても導入を推進」との記載を紹介。次世代エネルギーの内燃機関への影響としては、ブリッジソリューションとして現行機関での対応が可能なものもあるが、新燃料対応内燃機関の開発が必要となるとした。
また、各国の政策として、米国や欧州の動きを紹介。米国では政権交代により、パリ協定からの離脱や化石燃料開発の推進など、大幅に政策を転換。一方、欧州では2035年以降の新車のCO2排出量100%削減という目標を90%削減へと緩和する案の提示や、推進対象がBEV(バッテリー式電気自動車)から水素やe―fuelに移りつつあることを紹介した。
最後に、自動車業界で内燃機関を搭載したHVやPHVが見直される動きがあり、産業用内燃機関が兼用する自動車関連部品の安定供給が期待されることや、水素が産業用などの分野でCN動力源、輸送用高密度エネルギーキャリアとして注目されていることなどを記載。CN燃料の多様な選択肢の検討が進み、多種燃料に対応できる技術開発が引き続き必要である、とまとめた。






