MENU
令和8年5月25日発行 第3599号 掲載

農産物流通をDX化/日本農業情報システム協会がシンポジウム

 一般社団法人日本農業情報システム協会は14日、都内千代田区の日比谷コンベンションホールで、スマートアグリシンポジウムin東京2026を開催。「生産から食卓までをデータで繋ぐ―スマートフードチェーンの実現に向けて―」をテーマに、農産物流通のデジタル化の現状や、出荷現場、販売現場それぞれの取り組み事例などを紹介した。
 最初に、一般社団法人スマートフードチェーン推進機構代表理事の折笠俊輔氏が「データ連携による農産物流通のデジタル化と『ukabis』の展望」と題した基調講演を行った。
 「ukabis(ウカビス)」は、同機構が運営するフードサプライチェーンの情報連携基盤。内閣府戦略的イノベーション創造プログラムの一環として開発され、2023年4月から実用化されている。生産者、集荷団体、卸売市場、小売・外食産業などがukabisをプラットフォームにデータ連携を進めることで、食システムの構造改革を進め、流通・生産・販売の各履歴等を活用した新たなネットワークの構築を目指す。現在、産地の出荷アプリと卸売市場の基幹システムをukabisでつなぎ、業界特有の手書き文化からの脱却に注力しているといい、「連携先のさらなる増加を進めたい」と呼びかけた。
 続いて、青果集出荷現場のDX化を進めるJAひろしま営農販売部園芸課課長・宮木佳樹氏が「みどりクラウドらくらく出荷導入による業務効率化」と題して登壇。デジタル化への抵抗など運用定着には苦労もあったが、荷待ち発生の回避や事務ミスの防止、営農指導への注力など数々の効果を得られたとし、「集出荷のDX化は、持続可能な農業実現への力強い一歩だ」と、今後の展開に大きな期待を示した。
 また、大田市場青果物仲卸の㈱大治・本多諭氏は、「青果販売現場におけるデータ活用─需要予測と実需起点で考える仲卸の役割」をテーマに講演。仲卸の仕入れは、通過型から予測型・在庫型に変化しているとし、その流れに対応するためには、需要予測データの活用が不可欠だと指摘。「需要予測データは、流通全体をつなぐ共通基盤。一企業の効率化ツールではなく、流通全体の需給調整インフラだ」と述べた。さらに、価格安定と生産者保護の観点から、食料余剰分の受け皿として、海外転送の仕組みを政策レベルで検討する必要性を訴えた。

カテゴリー別最新ニュース