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令和8年5月25日発行 第3599号 掲載

各社の対応:実演や提案で需要喚起/北海道畑作・酪農特集

 ㈱北海道クボタ(道信和彦社長)道東支社の秋元嘉和支社長は、昨年実績が横ばいだったことを明かした。根釧地区は下期で補助事業が採択されて上期を挽回し、目標達成に至った。
 製品では昨年発売されたGENEST PULSの可変トレッドAT仕様のトラクタの動きが良好。「125PSの高馬力で畝に入れると評価された」と下川徳雄営業部長は述べた。また、汎用コンバインのDRH1200が中標津、別海の大豆農家を中心に少しずつ普及。今年になって陸稲についても問い合わせが増えている。「乾燥調製の相談がきている。すでに売り先を確保して、それなりの面積で始めている生産者もいる。外食への販売や米粉にして輸出するという話を聞いている」と下川部長。秋元支社長が昨年まで在籍した旭川から中古の乾燥機を調達して対応した。
 昨年2回開催した展示会はいずれも例年通りに盛況。実演は真空播種機を中心に展開した。「ビートだけでなく、直播が増えている。コーンや豆でも使えて、農家の関心も高い」と下川部長。
 今年の立ち上がりは昨年同様のペースだが、補助事業の申請が大幅に増加した。「スマート農業関係のドローンやGPS、可変施肥関連の製品が多い」と秋元支社長。
 今期の方針として、スマート農機とサービス事業に力を入れる。秋元支社長は「作業中に機械が止まってお客様に迷惑がかからないように進めていく。また、景気が良いわけではないので、提案によってニーズを掘り起こしたい」と述べた。ホクレンとともに推進しているカットインジェクタも実演を増やしていく。
 ヤンマーアグリジャパン㈱北海道支社(佐藤学支社長)道東推進部帯広支店の昨年実績は前年並みだった。道東推進部の藤田学部長は「上期は収穫前にある程度の見込みが取れていた一方、収穫後はなかなか大変だった。農協から本当に必要な投資か見極めて判断するように指導を受ける農家もいたのでは」と話す。天候不順が顕著になるとともに十勝管内の作柄の見通しも不透明化している証左であろう。渡邉真伍支店長は「昨年のこの時期は大雨で、どこも畑に入れなかった。今年は一気に気温が上がって雪解けし、1週間から10日くらい作業の進捗が早い」と言う。
 農機の動きはジョンディアも悪くなかったが、国産機の動きがより良好。下期に発売された新型のYT4R/5Rの発売を待っていたという農家も多かった。ロボットトラクタは一昨年、JA帯広かわにしで18台が導入されている。「ロボットは補助事業があれば購入したいという話は聞く」(藤田部長)とのことで潜在需要はある。
 展示会は11月に実施し、例年並みに来場があり、実績も前年並みだった。輸入商品は納期に時間がかかるため、必要であれば早めの注文を呼び掛けている。「リードタイムが1年近くということが常態化している。中長期的に計画をもって購入しようというマインドの生産者が増えている」と渡邉支店長。実演はYT5124やジョンディアを中心に企画した。
 修理整備は好調。人手があればさらに増やせるほど仕事は多い。渡邉支店長は「新製品の価格水準が上がっている。直して使いたいと考えているユーザーが多い。壊れたら替えが利かないこともわかっているから、点検整備の要望は増えている」と述べる。
 今期は生産者が新たな営農計画を立てる中で購買意欲の高まりを感じると藤田部長は話す。「さすがにそろそろ本当に買わなければならないものも出てきている」。製品としてはYT4R/5Rを軸に拡販していく構え。長ネギ関連の機械需要が地域によって増えており、そのニーズにも対応していく。オフセットシュレッダーやラジコン草刈機も動きが目立つ。自動操舵の装着率は新車についてはほぼ100%。ジョンディアは標準装備化している。
 ㈱ISEKI Japan北海道カンパニー(土屋勝社長)道東営業部の昨年の農機需要について、菅原拓師部長は「十勝管内のトラクタ、輸入作業機の販売は大変厳しかったが、国産インプルの販売が好調だった」と振り返った。「機械の償還が終わったら入れ替えを考えるというのが今までの流れだったが、今は営農の見通しが悪い。投資には慎重な方が多い」(菅原部長)。一方で、アフターサービスは右肩上がりで堅調。「あらゆる物が高いから持っている物を大事にしようという方はこれまでより多い。昨今の状況から、壊れてもすぐに買えないことがわかっているので、機械が止まるリスクは最小限に抑えたいようだ。これまであまり整備に出さなかった方からの依頼も増えている」という。現在はオイルやアドブルーの不足のため、緊急性の高い作業を優先するなど順位をつけて対応していく考え。平行して受注活動にも注力していく。
 昨年の展示会は実績、来場者ともに平年並みであったが、購買意欲は落ちていたと話す。
 中古市場は平年並み。「生産者からみて新車が高いので、中古も高く売れると思いがち。そこに下取り価格とのギャップが生じていて、安いのなら持っていようと考える方もいて、需給バランスが崩れているのでは」。
 今期ここまでは、前年110%以上と好調に推移している。菅原部長によれば「クラスター事業のハードルが下がったことが大きい。酪農関係の動きが良いため、輸入作業機が昨年より好調。畑作関連は昨年並み」とのこと。今期はトラクタをメーンにしながら作業機と併せて実演を行い提案していく。豆の収穫向けに井関製の汎用コンバインも秋に向け推進する。
 エム・エス・ケー農業機械㈱(高畑年伸社長)の十勝支社の昨年実績は前年並み。早坂隆次支社長は「物価高や天候不順等から畑作農家の収入が思ったほど良くなかった。機械購入は必要最低限に抑えて、様子見の状態」と振り返った。安価な作業機が比較的よく動き、高額商品は控え目であった。一方で根釧地区の畜産関係の農家が持ち直しつつあり、大型機械を中心にして需要が出始め、良い兆しもみえた。
 実演はトラクタ本機や馬鈴薯の収穫機、ポテトプランタなど、提案もしながら幅広く行った。
 展示会は秋に開催し、2日間で2000人ほどの来場があり、平年並みに盛況だった。「特段悪い雰囲気ではなく、潜在的な投資意欲は感じられたが、購入は控えている印象だった」とのこと。
 今年の方針については、大小様々な要望や課題を拾い上げ、実演活動を推進していく。早坂支社長は「実演は大型機械だけでなく、細かいものにも目を向けて、農家の皆様に必要としていただけるように対応していきたい」と述べている。フェントのトラクタも農家のニーズに応じて推進。安価な製品も用意したい考え。昨年実績以上の目標達成に向け邁進していく。クラスター事業の要件緩和で申し込みも増加しており、畜産農家の盛り上がりにも期待したいところである。
 アフターサービスは若干の右肩上がり。「人数も限られていて、大きく上振れすることはない。依頼に対ししっかり対応するのみ」と早坂支社長。人材育成も採用も常時進めている。

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