MENU
令和8年5月25日発行 第3599号 掲載

各社の対応:求められる提案力/高知県特集

 ㈱中四国クボタ(江草徹社長)高知営業部(藤六恵部長)の昨年の実績は、前年比・計画比とも増加した。
 「トラクタとコンバインが前年を上回り、実績に貢献した。特にトラクタの売上げが伸びた」と、藤六部長は語った。 トラクタは、中型クラスの販売台数が増えている。「担い手農家を中心に、作付面積が増えている。高知は一つ一つの圃場が小さいため、面積が増えることは、田の枚数が増えることになる」ため、あちこちに散らばった圃場を管理するのに、中型トラクタが活用されている。そのため面積が増えている農家は、投資意欲が高い。また、多くの圃場の管理には、KSASが活用できる。今後、さらなる登録者数の増加が期待される。
 展示会は今年の2、3月に各拠点で開催した。今年から愛媛県の南宇和営業所が、高知営業部に所属し、県内拠点は11拠点になった。
 「展示会では、農機をすぐに納品できない。中には、納期が未定のものもある。しかし、注文しないと納品できない。受注のために展示会を開催している」と、以前とは違う営業スタイルになっている。
 そのため、顧客の機械の状況把握は欠かせない。農機の状況を顧客に説明し、買い替えの時期を相談しながら決めていく。「客によっては、農機を点検・整備して少しでも長く使用できるようにし、農業を続けられるようにサポートすることもある」ため、顧客とのコミュニケーションは欠かせない。
 コミュニケーション強化のため、昨年から架電営業を導入してきた。顧客に電話し、機械の調子や点検・整備を提案する。「2年以上農機の点検をしていない農家をピックアップして、シーズン前に電話で点検を提案。点検したところ、故障箇所が見つかり修理を行った。電話による点検推進を積極的に行ったことで、繁忙期に緊急で呼び出されることがなかった」と、サービス事業の実績を上げるとともに、労働環境の面からも効果がみられた。
 また、電話すると「実演もしてほしい」「こういう農機はないか」など、思わぬ反応を得ることもあり、手ごたえを感じている。
 「ある意味、原点に帰る営業方法ではあるが、訪問しなくても顧客とつながることができることを再認識した。そして何より効率が良い。もちろん顧客との信頼関係の構築が必要ではある」と、今後も電話によるアプローチを強化していく。
 昨年から人材育成の一環で、2年目のセールス社員に会社としても重要な担当エリアを任せた。「もちろん、皆でサポートしてきた。1年間担当してマイナスな面もあったが、結局プラスの方が大きかった」と、苦い経験を経て、大きく成長した社員の今後のさらなる活躍に期待している。
 藤六部長は今後について「1年間の流れをきちんと遂行できる、組織としての骨格を作りたい。営業スタイル・整備体制など、営業所ごとのカラーを活かしながら、業務遂行できる体制を構築していく」と語り、計画達成とともに、組織の成長を目指す。
 ヤンマーアグリジャパン㈱中四国支社(上原茂樹支社長)四国営業部高知ブロックの昨年度の実績は、前年並みとなった。「トラクタ・田植機・コンバインいずれも売上げ台数・金額が伸びている。米価高騰の風に乗り、顧客の購買意欲が高まっている」と、松下勉高知ブロックエリアマネージャーは語った。
 現在、各メーカーは受注生産にシフトしており、購入を決めてもすぐに納品できない場合がある。また、納品までの時間が長くなり、製品によっては納品日を明確にできないものもある。これまでに経験したことのない状況下で、的確な対応が求められている。
 シーズン中に農機が故障し、すぐに修理ができない、または修理が難しい場合は、更新の提案により作業を続けることを第一に対応してきた。しかし現在は、製品によってはすぐに納品ができないため、作業時の農機の故障を未然に防ぐ対策として、農機の作業前点検及びメンテナンスは欠かせない。「注文した農機が納品されるまで、今の農機を使用しなくてはならない。点検・メンテナンスの重要性がより一層増している。今後も作業の手を止めない提案を進めていく」とした。
 同社が取り扱うディスクロータリーYDPシリーズには問い合わせも多い。「水分を含んだ土壌でもしっかりと返すことができ、土壌条件を選ばず、雨が降った後などのタイミングでもしっかりと作業ができる。作業時間短縮、労力軽減、コスト削減に貢献する機種として新規顧客からの実演依頼なども多い」と、新規顧客獲得のカギとなる同機を、今後も実演を通して顧客の圃場に合うかを見極めながら提案を進めていく。
 今後の重点項目としては、基本的な個別の訪問を中心に、製品及び点検・メンテナンスの提案を進めていくとした。「まずは顧客の機械の状況を把握し、今後の計画などを伺いながら更新・修理整備など提案していく。米価が高騰しているとはいえ、顧客の事情も様々。顧客それぞれに合った対応でサポートしていく」と語った。
 「中東情勢による燃料価格の高騰や資材不足など、我々には何ともしようがない外部要因による影響が出てきており、先行きが不透明だ。皆で意思統一を図りながら今できることをしっかりと行い、顧客をサポートしていく」と、松下マネージャーは今後の方針を示した。
 ㈱ISEKI Japan中四国カンパニー(曽我部智社長)高知営業部(武林之夫部長)の昨年1~12月の実績は、前年を上回った。「昨年7月に価格改定を行い、駆け込み需要がみられた。先行受注が多かったことが大きく影響した」と、武林部長は振り返った。昨年は価格改定に向け、4月から推進を行ってきたが、5月までは例年通りの実績で米価の高騰による影響はみられなかった。しかし、6月に入り各拠点で展示会を行うと、先行受注が多く入るようになった。「結果的に6月単月でみると、私が高知の部長になって過去最高の売上げを達成できた」という。
 価格改定後の7月以降も米価の高騰が影響し、大型農家を中心に機械の更新が進み、後半になっても売上げの落ち込みはみられなかった。
 米価の高騰については、地域によって考え方が違い、購買意欲にも表れている。高知市周辺の農家は、機械の更新や資材の購入など積極的な姿勢をみせているが、その他の地域では「今は価格が良いが、来年はどうなるかわからない」という不安を抱え、慎重になりなかなか購入に踏み切れない農家もいる。
 しかし現在は、受注販売が主流となっている。少なくとも半年以上前から受注しないと、製品の確保ができない状況だ。「当用時期になってからの発注では間に合わない。実際に今年も当用時期にほしいといってきた農家がいたが、在庫確保ができないため、もう完全に気持ちを切り替えてもらって、来シーズン用という形で注文をいただいた。とにかく注文をしてもらわないと、いつまでたっても入ってこない」ため、顧客に現状を説明し、製品の提案を行っている。
 「現在は完全に機械が壊れてから購入を検討するのではなく、今の機械が使えるうちに先を見通して注文してもらうことが重要。製品によっては1年半ほど待たなくてはならないものもあるが、お客さんも承知の上で注文してくれるようになった」と、顧客も現状に理解を示している。
 そのためには、早めの提案が重要だ。昨年12月には新シーズンに向けて、トラクタ+作業機の実演会を開催した。「多くのメーカーに参加いただき、作業機、ドローン、草刈り関連など様々な機械を体感してもらった。多くの農家が来場し、本格的な体感イベントとして好評だった。
 今後については、アイガモロボ・ドローン・CHC Nav・EGOなど、次世代の製品の推進に力を入れるとした。「今の顧客はメーカー問わず、良いものを購入する傾向にある。そのため機械の良さはもちろん、社員の対応や知識、提案力などが重要となり、社員自身のレベルアップが必要」と、社内で講習会を開き、知識を深め、自信をもって提案できるようにしていく。
 「様々な外部的要因で、昨年と比べると市場も厳しくなると思う。しかし、提案力の強化、社員のレベルアップを図りながら、計画を完達すべく踏ん張ってやりきる」と、武林部長は今後について力強く語った。

カテゴリー別最新ニュース