土壌診断で環境負荷低減/関東農政局がみどり戦略勉強会

関東農政局は5月22日、みどりの食料システム戦略勉強会(第42回)をオンラインで開催した。今回は「土壌診断を活用した環境負荷低減に繋がる土づくり」と題し、一般財団法人日本土壌協会土壌医部の三浦憲蔵氏が講演した。
三浦氏はまず、土壌診断に基づく適正施肥は、堆肥・有機質肥料の利用や局所施肥法の導入にもつながり、環境負荷低減を目指した土壌・施肥管理のベースになるとし、①生育等への障害発生の未然防止②作物の安定生産とともに収量・品質の改善③肥料費等のコスト低減─の3点を土壌診断の目標にあげた。
続いて、実際の土壌診断の流れを追いながら、各工程のポイントを説明。土壌採取においては、同一圃場内で生育に差がある場合、劣る区画と良好な区画それぞれの作土層5カ所から土壌サンプルを採取することで格差の要因が明確になること、診断項目については、pHの変化や生育障害が疑われる場合、微量要素の分析が効果的であること─などを示した。
また、水稲作における診断についても具体的に紹介した。土壌の化学性においては▽pHが低すぎると有機物の分解が遅れ肥効に影響することからpH5・5-6・5(落水後)が望ましい▽リン酸は分げつの促進に効果▽カリウムはデンプン合成に必要で、登熟期に不足すると収量が低下─などを、物理性においては▽乳白・背白粒の発生は作土深5-21㌢の範囲で作土が深くなるほど減少するため、適正な作土深は15㌢以上▽乳白粒の発生は日減水深が大きいと減少する傾向があり、乳白粒が少ない年次では登熟期の日減水深が20㍉以上になると発生しにくい─などをあげた。
さらに、堆肥施用における土壌診断の活用についてもふれた。堆肥施用は、養分供給効果や土壌物理性の改善、微生物相の多様化による土壌の健全化など様々な効果がある一方で、牛ふん堆肥ではカリ過剰、豚ぷん堆肥や鶏ふん堆肥ではリン酸過剰になりやすいなど、土壌内の養分バランスが崩れるおそれもある。「家畜ふん堆肥は窒素等肥料成分を含むため、堆肥から供給される肥料成分を差し引いて基肥施用することが重要である」と指摘し、土壌中の養分バランスを把握して改善を行うためにも、まずは土壌診断を実施することを勧めた。






