山間部でロボット農機遠隔操作/クボタ

㈱クボタ(花田晋吾社長)、NTT㈱(島田明社長、NTTドコモ㈱(前田義晃社長)の3社は山間部におけるロボット農機の遠隔操作・遠隔監視時の通信安定化、及び映像伝送の継続性を実現共同実験を実施した。その結果、モバイル通信と衛星通信の連携と映像制御により、「全国エリアでスマート農業を可能に」した。3社は5月25日、その成果をまとめ発表した。
発表のポイント、背景、取り組み内容、技術のポイント等は次の通り。
〈発表のポイント〉
①未来の農業を支えるロボット農機に必要な通信について、モバイル通信と衛星通信を組み合わせることで山間部における圃場内や圃場間での通信の安定化を実現した。 ②ロボット農機の走行に必要な部分の映像品質を確保しつつ、通信可能帯域に応じて映像を圧縮することで遠隔操作・遠隔監視時の映像伝送の継続性を確保した。
③本実証技術を活用し、ロボット農機の遠隔操作・遠隔監視での課題である通信・映像伝送の実用性を高め、将来的な完全無人化の実現につなげていく。また、データ活用による農業の国内外での社会実装に取り組み、持続可能な農業の実現を目指す。
〈背景〉
この先の未来も持続可能な農業を実現するには、人手不足を解消する農作業の自動化やデータを活用した効率的な営農の推進が必要不可欠な状況である。日本政府においてもロボット農機の公道での走行について、遠隔監視による安全性の確保を前提とした規制緩和に向けた制度の整備が進められている。
これまでNTTとクボタは、ICTを活用し、農業経営の見える化や作業効率化・自動化、高品質農業の実現など、農業生産者のイノベーションにつながる研究開発やサービス開発に取り組んできた。
しかしながら日本の耕地面積の約4割を占める中山間地域では、地形や遮蔽物によりモバイル通信環境の変動が生じやすく、圃場内や圃場間でのロボット農機の通信において遅延や切断が発生する可能性がある。ロボット農機の遠隔操作・遠隔監視において、通信の不安定さは安全性に直結することから、実用化に向けては必要な映像やデータの安定した伝送が課題となる。
〈取り組みの内容〉
本実証では、通信状況に応じてモバイル通信と衛星通信の複数回線によるマルチパスの制御を行い、山間部における圃場内や圃場間などのモバイル通信回線の品質が低下しやすい区間において、衛星通信回線を併用することで安定性が確保できることを確認した。併せて、通信状況に応じた映像圧縮の自動調整や、進路や農作物が映る重要領域の映像品質を優先的に確保する映像制御技術を適用することで、映像伝送の安定性と視認性の両立が可能になった。
〈今後の展開〉
本実証で得られた通信安定化および視認性確保の技術を活用し、ロボット農機の遠隔操作・遠隔監視での課題である通信・映像伝送の実用性を高め、将来的な完全無人化の実現につなげていく。また、データ活用による農業の国内外での社会実装に取り組み、持続可能な農業の実現を目指す。さらに、NTTでは引き続き、「NTTC89」ブランドのもとで衛星を活用し、社会課題の解決を進めていく。
なお、本実証の内容については5月27―28日に開催する「つくばフォーラム2026」にNTTから展示した。






