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令和8年6月8日発行 第3601号 掲載

各社の対応:主要機が堅調に推移/福岡県特集

 ㈱福岡九州クボタ(大橋健太郎社長、47拠点・254人)の2025年度実績は前年比112%と堅調に推移し、経常利益も前年を上回った。アフターマーケット(整備・中古)事業も前年比104%と引き続き好調だった。同年度の主要機の動向では、トラクタは28、35馬力の「SL―SP」シリーズに加え、60馬力以上の「MR」シリーズも伸びた。田植機は微減で、6条植えや8条GS機が主流となり、4-5条は減少した。コンバインは安価型4条刈「ER448L」が好調だったものの、品薄が続いたという。ラジコン草刈機は実演を増やしたことで販売が伸び、ドローンや自動操舵システムも堅調に推移した。
 2026年2月に発表されたクボタグループの「中期経営計画2030」に基づき、福岡九州クボタではサービス体制の再編を重点方針の1つに掲げている。石橋常務取締役は、「営業から整備へのジョブチェンジなどで増員し、ICT農機に強い人材育成も進めていく」と説明し、整備体制を強化する方針を示した。米価上昇の影響で主要機などの品薄が続くなか、「こうした状況だからこそ、サービス面でしっかりと価値を提供したい。大型担い手のお客様は、繁忙期に作業を止めずにすむよう、確かな整備対応を求めている」と述べた。
 さらに「売上げの好調は当面続くとみられるが、農業従事者の減少は避けられない」としたうえで、サービス体制の強化と並行し、中規模顧客が大型担い手としての体制を整えていく流れを支える取り組みを進めていると述べた。こうした支援は、営農計画や農機導入の提案にも反映され、長期的に寄り添う姿勢がうかがえる。
 また、働き方改革にも力を入れており、今年度からスタッフの年間休日は125日となり、土日の週休2日制へ移行したことにも触れた。
 2026年度の推進機種は、無人仕様コンバイン「DRH1200A―A」、ドローン、自動操舵システムなど。ギントジャパン社の自動操舵システム「PLUVA ION」の提供も開始する。クボタとクボタアグリサービスの3社で共同し、実演会を推進する。
 今後の展示会は、秋に田主丸アグリテクノセンターでの開催を予定している。展示会に関して、今年3月に北部地域を対象に小倉の西日本総合展示場、田主丸展示会で各2日間開催し、4月には小郡市のイオンで施設園芸に特化した「グリーンフェスタ2026」を開催した。石橋常務は「北部での展示会は久しぶりの開催となり、来場者数は1000人を超えた。イオンでの展示会は、より幅広い方々に関心を持っていただければという思いがあった」と述べ、コロナ禍以降、縮小していた大型展示会について従来とは異なる形を探りながら取り組みを進めていることを示した。
 ヤンマーアグリジャパン㈱九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部福岡ブロックの2025年度の実績は前年並みで推移した。同ブロックを担当している小柳裕弘エリアマネージャーによると、米価上昇を背景に顧客の設備投資意欲が高まり、主要機では特にコンバインの需要が伸長した。籾すり機、乾燥機、保冷庫といった米関連機も堅調で、離農の進行と並行し、法人化が進む顧客への対応に追われたという。同年度の主要機動向は、トラクタは50-60馬力帯が主流で安定。田植機は6-8条植えが増加し、中山間地域では4条植えが伸びた。コンバインは4条刈以上が主流となった。作業機では草刈機が堅調で、全自動播種機なども伸びた。
 同社は2026年4月の価格改定を前に駆け込み需要を見込み、2月に大展示会をグランメッセ熊本で開催。3月には拠点展示会も実施し、需要に対応した。小柳マネージャーは、今年は設備投資を様子見する顧客が増えると予測。加えて、国際情勢の影響によるアドブルー供給不安など、外部環境の不安定さも懸念材料にあげた。こうした不透明感を踏まえ、「地道な訪問活動を続け、最適な提案とサービスを提供する」と述べた。この方針のもと、提案活動の強化に力を入れる。45馬力以上のトラクタにブームモアーなどの作業機を組み合わせた実演を強化し、夏場の時短・省力化につながる提案を進める。直進アシスト付き6条植え田植機やラジコン草刈機の推進による人件費削減、ドローン活用による減肥など、コストダウンを主眼にした提案も強化する方針だ。
 整備・修理サービスでは、2025年度に全国統一の価格改定を実施。休日出勤や搬送費の基準が明確になったことで顧客への説明がしやすくなり、スタッフの休日確保にも寄与している。さらに繁忙期後の農機点検の徹底により故障発生を抑え、突発的な修理依頼を減らすことで「手を止めない」サービスの実践にもつなげている。こうしたサービス体制の底上げに向け、同社は支社での研修会やOJTを通じてスタッフのスキル向上にも取り組む。一方で、農作業の安全啓発については、顧客とスタッフ双方を対象に継続して実施している。
 ㈱ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)北部営業部福岡事務所(12拠点・70人)の2025年度は、前年比で増収増益を確保し、計画も順調に達成した。メンテナンス収益も堅調で、寺内信也部長は米価上昇の後押しもあり「お客様が元気の良い1年だった」と振り返る。
 2月にはグランメッセ熊本で「2025初春感謝市in九州」を開催し、好スタートを切った。続く6月の商談会では、7月の製品価格改定を前に高まった駆け込み需要に対応。価格改定後の7月には久留米市でメーカー46社が出展した合同展示会を開き、11月にも展示会を実施するなど、年間を通じて販促活動を強化した。
 2025年度、主要機の動向は、トラクタは50-60馬力帯が主流で、「BFREX」シリーズは機能面に加えデザイン性も高い評価を得た。田植機は5-6条植えが大幅に伸び、除草・防除オプションも好調。一方で4条植えは減少した。コンバインは4条刈の「FM」シリーズが好調で、「HFR4050」も堅調に推移した。自動操舵システム「CHCNAV」や草刈機の作業機・ラジコンタイプも伸長した。
 2026年度は粗利率1%以上の向上を掲げていると寺内部長は述べた。そのうえで、新製品の投入時期を見据えた取り組みを進めている。新製品のトラクタ「BJ」シリーズや田植機「PR3」シリーズが7月以降に納品される予定であることから、先行受注を強化する方針だ。NTT―eドローン社開発の国産ドローン「AC102」も推進対象とし、今年発売される田植機専用CHCNAVの提案にも力を入れる。水田雑草を抑制する「アイガモロボ2」は、1反約1時間の処理速度を武器に、有機栽培や減農薬を志向する農家への訴求を進める。展示会は夏と秋に開催を予定している。
 整備・修理サービスでは、作業工賃の見直しを進め、メンテナンス収益の適正化を図る。また、主要機の品薄は改善傾向にあるものの、納品まで長期間に及ぶ場合は、手持ち機の整備を中心に対応していく考えだ。スタッフの技術力向上については、茨城県の研修センターで多様なカリキュラムが受講できる環境が整っており、希望者のスキルアップを後押ししている。加えて、休日を取りやすい体制づくりにも注力し、労働環境の整備も進めている。
 三ツ星ベルト販賣㈱福岡営業所の農業部門、2025年度の実績は前年比100%超で推移し、堅調な伸びを示した。隈康文所長によると、米価の上昇を背景に保冷庫やフレコンバッグなど米関連製品の需要が急増し、品薄状態が続いたという。とりわけ籾すり機に使用する三ツ星ベルト「Nクッションロール」が好調で、売上げに大きく貢献した。同製品は芯金とゴムの間にクッション層を設けた二重構造が特徴で、従来品に比べて米の品質低下を抑えられるほか、ロールの内径を小さくして脱皮ゴムを大型化したことで長寿命化し、交換頻度を抑えられるようになった。隈所長は「カントリーエレベータでの交換作業の手間も軽減できる」と話し、現場からの評価も高いという。このほか、オーレックの自走式草刈機などもよく動き、幅広い製品群で販売が伸びた。
 2026年度に入り、農業資材を巡る状況が不透明になっている。米イラン間の軍事衝突の影響が広がり、全般的に品薄や発注制限が相次いだ。発注制限を見越し、同社では在庫を多めに確保する対応を進めているが、特に牧草用ストレッチフィルムは制限がかかっているため、確保できる範囲で在庫を厚めにしているという。さらに原材料価格の高騰を受け、4月には各社のチップソー価格が約2割上昇した。厳しい環境下ではあるものの、「先の見通しが立たない状況だが、2025年度以上の目標額を掲げて取り組む」と前向きな姿勢を示す。今年度の推進製品としては、ベルグリーンワイズの鮮度保持袋をあげる。野菜の店頭販売で従来品より鮮度を保ちやすく、日持ちが向上する点が強みだ。また、小林㈱の腰や膝への負担を軽減するサポートジャケットも重点的に提案していく方針だ。加えて、オーレックのラジコン草刈機は太陽光パネル所有者や高齢者からの需要を見込み、積極的に販売を進める。
 同社は今年度から農業資材のECサイト開設に向けた準備を本格化させる。新規顧客の獲得に加え、業務の省力化にもつなげたい考えだ。

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