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令和8年6月8日発行 第3601号 掲載

キャニコム:品質や性能に自信/福岡県特集

 キャニコム(福岡県うきは市吉井町福益90の1)の包行良光社長が年頭所感で掲げた今年のスローガンは「坂」。成果の坂、組織の坂、文化の坂、さらには関税という外部環境の坂まで、越えるべき課題を「坂」に見立てた。その象徴となるのが、昨年11月に開所した試験場「演歌の道 英莉花(えりか)」だ。
 同試験場では、最大50度の急傾斜走行をはじめ、水没、超湿地帯、刈刃への衝撃、石畳走行、強風など、多様な環境を再現したテストが行える。新製品だけでなく既存機種も対象に、品質・耐久性・環境対応を徹底的にチェックする。まさに「苛酷な坂」を登り切った製品だけが市場に送り出されるわけだ。
 また、テストだけではなく顧客を招いて研修会「キャニコム・コンサルティング・サロン(CCS)」も実施されている。普段は外部で行うが、取材当日は大手販売会社のスタッフ40人が参加し、ラジコン式草刈機「アラフォー傾子」などの実演が行われた。今年はこういった機会が増えるという。同社の担当者は「実際の傾斜地を体験していただくことで、安全性をより実感してもらえる」と話す。
 アラフォー傾子は、40度を超える危険な斜面でも安全に、そして「楽しく」草刈りができることを目指して開発された。エンジンは常に水平を保ち焼き付きの心配がない。谷側に200㍉伸びるクローラによる安定走行、悪路でも滑りにくいスパイククローラなど、傾斜地向けの工夫が随所に盛り込まれている。
 さらに刈取部は左に200㍉スライドし、際刈りが容易になった。路面の起伏に合わせて刈取部が追従し、同社独自のHST(油圧式無段変速機)も搭載するなど、パワーと繊細さを両立した仕上がりだ。同担当者は「英莉花での実演は、アラフォー傾子の特徴や利点を最も伝えやすい」と語る。
 同製品は6月17日開幕の「第8回国際建設・測量展(CSPI2026)」にも、乗用草刈機「草刈機まさお」や大型ラジコン草刈機「クロカン・ジョージ」と並んで出品される。同社は不整地運搬車「ムーンサルトダンパー」など建設業界向け製品も展開しており、展示会ではそちらが主役となるが、建機業界にも草刈機の存在感を示したい考えだ。林業分野にも力を入れており、「山に対応できれば、河川敷など他の現場にも応用できる」と担当者は意気込む。
 包行社長が掲げた「坂」の1年。英莉花で鍛えた製品を軸に、同社がどこまで事業を押し上げていくのか、今後の歩みが注目される。
 〈アラフォー傾子製品仕様〉▽寸法=全長2320(輸送時・2010)×全幅(最大)1275×全高905㍉▽最低地上高=145㍉▽重量=740㌔▽エンジン最大出力=25・3PS▽クローラ幅=225㍉▽モア刈幅=1100㍉

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