新たな森林・林業基本計画を閣議決定/林野庁

5日、新しい「森林・林業基本計画」および「全国森林計画」が閣議決定された。森林・林業基本計画は、森林・林業基本法に基づいて関連施策の基本的な方針等を定めるもので、森林・林業をめぐる情勢変化などを踏まえ、5年に1度見直されている。新たな基本計画では「森の国・木の街へ」を副題に掲げた。環境に配慮した企業経営やウェルビーイングの観点から木材利用への期待が高まっていることを踏まえ、国産材サプライチェーンを構築し、国民の安全・安心を根底から支える森づくりを着実に進めることとしている。
新たな基本計画には、初めて「百年つづく森の国・木の街へ」という副題が付けられた。これには「先人から受け継いだ豊かな森林を適切に循環利用するとともに、木材の活用を通じた木のあふれる街づくりを進めることで、日本列島全体を強く豊かにし、百年先へとつなげていきたい」との思いが込められている。
森林・林業・木材産業の好循環による「森の国・木の街」を実現するため、①国産材の幅広い需要の創出とこれに向けた正の連鎖の構築②国民の安全・安心を根底から支える多様で健全な森林づくり―を2本柱に、新たに具体的な成果指標(KPI)を設定し、施策の実現を目指す。
まず①については、国産材利用等の環境貢献の見える化や、非住宅・中高層建築物など都市の木造化の多角的推進、大径材や広葉樹などを活用した内装材等の需要創出などにより、国産材の利用拡大と幅広い需要の創出(木の街)を推進することとした。これにより、令和12年までに国産建築用材の利用を、3割増しの2300万立方㍍にすることを目指す。
また、国産材の供給力強化に向けて、集積・集約化、路網整備、経営体育成、スマート林業技術の導入などにより、林業・木材産業の体質強化と林業従事者の所得向上を図ることとした。スマート林業技術の実装などによる持続的な林業の確立に向けては、安全の確保や生産性の向上に向けた遠隔操作・自動運転機械等の実装を推し進めていく。さらに、合理的な価格形成を図る国産材主導のサプライチェーンを構築するとともに、ICTの活用などにより原木流通コーディネート機能を強化することで、強靭な国産材サプライチェーンの構築を目指す。
②については、気象条件や環境の変化などにより激甚化する山地災害、大規模な林野火災、クマによる人身被害など、国民の安全・安心をおびやかす危機が頻発していることを背景に、国民の安全・安心を根底から支える、多様で健全な森林づくりを進めることとした。令和12年までに、最も危険度の高い山地災害危険地区の治山対策完了率を、現状の54%から64%に引き上げることなどを目指す。
また、新基本計画の内容を踏まえ、「全国森林計画」も変更された。令和6―21年度を期間とし、新基本計画に即した目標の区分や伐採立木材積、造林面積などの計画量を見直した他、生物多様性保全および野生鳥獣対策や林野火災予防対策の推進を追加している。






