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令和8年7月6日発行 第3604号 掲載

各社の対応:需要回復の対応急ぐ/鹿児島県特集

 ㈱南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/鹿児島県下19拠点・110人)の2025年の実績は前年を上回った。鳥越浩二営業本部長は「価格改定後の9月に展示会を実施したが、お客様は冷静に受け止めており、来場者も多かった」と振り返った。価格改定の影響は限定的で販売は大きく落ち込まず、11月の展示会もあり、後半の数字は安定して推移した。「製品が安定供給されていればもう少し業績の積み上げができた」と、在庫不足や納期の遅れについて言及した。
 25年度の主要機の動向は、中山間地域と担い手層の顧客で、小型と大型の2極化となった。トラクタは「ST」と「MR」各シリーズが伸び、中規模層には「SL350」が堅調。田植機は「AW4」、担い手層にはGS仕様「NW80S」が動いた。コンバインは2条で「KR217」、担い手層に「KR448」や6―7条刈も伸びた。周辺機では牧草関連の作業機やドローン、乾燥機や保冷庫など米関連機器が好調だった。
 26年度は、前年に成果を上げたGSトラクタの実演キャンペーンを継続する。大型トラクタとインプルメントの販売強化に加え、レベラーやラジコン草刈機などの推進にも取り組む。昨年の反省を踏まえ、顧客への早期受注の呼びかけを強化。「お客様にメリットを提示しながら、早めの注文を根付かせたい」とし、先行受注促進に力を入れる。今年4月には大規模展示会を開催し、関連メーカー約50社が参加。GSトラクタの試乗コーナーが特に人気を集めたという。11月にも野菜関連の実演会を予定しており展示会を通じた見込み客発掘にも期待を寄せる。
 整備・修理サービスでは、入庫点検の呼びかけを強化。納品遅れなども整備対応で補う姿勢だ。スタッフの技術力向上にも注力し、セールス・サービスが受講できる技術研修を定期的に実施。階層別にクラスを設け、段階的にスキルアップを図る仕組みだ。「サービスは言うに及ばずだが、セールスも製品の構造を理解していないとお客様との会話が成り立たない。基礎から学ぶことで説明の質が変わる」と語る。また、整備現場では、屋根の遮熱塗装や空調服の支給など暑熱対策も進んでいる。
 ㈱ミズホ商会(田中丈尋社長/大隅エリア9拠点・32人)の25年度の実績は計画を上回る水準で推移した。田中社長によれば、1―3月は苦戦したものの、7月の価格改定を見据えた駆け込み需要が追い風となり、4―6月は売上げが大きく伸びた。ここ数年低迷していた子牛価格が25年後半に上昇し、畜産農家の購買意欲が戻ったことも寄与したという。また、水稲農家が少ない地域だが、米価上昇を背景にした前向きな空気が広がり、商談の場でもその影響を感じたという。主要機の動向では、トラクタは70馬力以上の大型機が久しぶりに動いた。「3年ほど大型が売れていなかったが、畜産農家を中心に販売が伸びた」と振り返る。田植機も4条、6条植えともに堅調で、特に6条がよく出た。インプルメントは価格上昇が目立ち、その影響から様子見の傾向が強まったとみている。
 26年度の方針としては、購買意欲の高い層への対応を手厚くし、その他は整備・修理サービスで応える体制を整える。サービス料金についても改定を前提に見直しを進める。26年度の推進機種は、自動操舵システム「CHCNAV」。価格と性能のバランスが評価され、昨年から大きく伸びた。同社は実演を通じて操作性や作業効率を示し、導入効果を具体的に伝える取り組みを強める。その他、ドローンは価格競争が続く中で、用途に応じた機種選定や運用面のサポートを提案。自走式草刈機は畦畔管理の省力化を求める声に応じ、実演を通じて作業性を訴求している。
 整備・修理サービスの動向は、依頼が増加しており、納期短縮が引き続き課題となっている。「できるだけ早く対応できるよう、作業の順番や段取りの改善を進めている」と社長は話す。スタッフの確保が難しい中でも、作業工程の見直しや情報共有の徹底を図り、安定して対応できる体制づくりを進めている。
 ヤンマーアグリジャパン㈱九州支社(増田広次支社長)南九州営業部・鹿児島エリアの25年度は、米価の上昇を背景に農機需要が堅調に推移した1年となった。米関連機の引き合いが強く、コンバインや乾燥機が伸び、籾すり機や保冷庫など周辺機器も堅調だった。野菜分野でも春先のジャガイモをはじめ、ハクサイやダイコンが好調。離島では種子島や徳之島を中心にサトウキビの収穫が順調で、作柄の良さが地域全体の設備投資を後押ししたという。子牛価格の上昇も畜産関連機の需要を支えたと末永勇作エリアマネージャーは振り返った。
 25年度の主要機の動向はトラクタは直進アシスト仕様を含め50―100馬力が中心。田植機は6条植え、コンバインは4―6条刈が主流だった。コンバインは需要増の影響で納品が年度をまたぐ例もあり「稲刈り時期に間に合うよう気を配っている」と話す。作業機はディスクティラー「DTM」やディスクロータリー「YDP」シリーズが伸び、草刈機ではスライドモアやラジコン草刈機の引き合いが増えた。
 26年度は4月の価格改定後も受注は大きく落ち込んでいない。ただ全国的な需要の高さは続き、また米価の先行きに慎重な農家もあるという。推進機種は畜産・野菜農家向けにトラクタと作業機の実演を強化し、直進アシストや自動操舵、ドローンなど省力化機器の提案にも力を入れる。食用米やWCSの乾田直播も推進し、地域の作物・土質に応じた最適機種の提案を進める。7月17―18日にグランメッセ熊本で展示会を開き、南部3県での集客を図る。
 整備・修理サービスは点検整備の強化を掲げる。特にコンバインは「今年の勝負どころ」と位置づけ、納品時期の不確実さを補う意味でも事前点検を徹底する方針だ。アドブルー容器の確保が難しい場面もあるが、一部拠点でアドブルーの補充設備を整え、小分け配送などの対応も進めている。夏場に向け、熱中症対策や事故防止などスタッフ教育にも力を入れる。
 ㈱ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)南部営業部・鹿児島事務所(22拠点・108人)の25年度の実績は前年を上回り堅調に推移した。石田伊宣副部長によれば、米価上昇の影響で稲作関連機の販売が伸びた。11月に開催した展示会も好評で、来場した農家の表情は明るく、手応えのある催しになったという。主要機の動向は、中型トラクタ「BF」シリーズが主力となり、デザイン性や無段変速ミッションが評価されて需要を押し上げた。田植機も全体的に伸び、前年対比134%を記録。6条植えを中心に4条植えも一定の動きがあった。コンバインでは「HFR4050」などの低価格帯モデルが好調だった。
 26年度に入り、品薄状況は続くものの、同社では松山や小橋工業など売れ筋商材を前年秋から計画発注しており、他社より在庫を確保できている点が強みだ。また、新たに「畑作・畜産グループ」を立ち上げ、大型トラクタや、アマゾーネ社などの輸入作業機の販売強化に乗り出した。子牛価格が高値で推移するタイミングとも重なり、追い風となっている。
 推進機種は、自動操舵システム「CHCNAV」で、自動操舵やレベリングシステムの実演を通じて販促を強化する。乾田直播の実証も進めており、宮崎・小林市の営業所では、トラクタ「TJV985」とニプロ「スリップローラーシーダ」を組み合わせた提案が成果を上げ、導入が進んでいる。今後のイベントは、7月24―25日に鹿児島事務所で展示会を開催する。また11月に秋の大展示会も予定している。鹿児島県下営業所(種子島は除く)に、宮崎県の都城・小林・えびの営業所が加わる予定だ。
 整備・修理サービスでは、今年1月に修理工賃のレバレートを約10年ぶりに改定した。燃料費や人件費の上昇を受けたもので、本来は毎年見直したいが、顧客や業界の状況を踏まえて判断しているという。スタッフの熱中症対策としてスポットクーラーの導入や空調服購入の補助などを進めている。修理対応の迅速化にも取り組んでおり、体制整備を進めている。

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