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令和8年9月21日発行 第3614号 掲載

もみ殻バイオ炭製造装置の受注開始/ヤンマーエネルギーシステム

 ヤンマーホールディングス㈱のグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム㈱は、米の収穫後に大量に発生する副産物「もみ殻」を炭化し、土壌改良材や炭素固定資材としての活用や循環型農業を実現する「もみ殻バイオ炭製造装置」(以下、同機)を今年9月より受注開始する。

 日本の米づくりでは年間約200万㌧(推定)のもみ殻が発生するといわれている。野焼きが禁止されている地域も多く、近隣への煙や臭いといった苦情にもつながることから、もみ殻処理は農業事業者にとって大きな課題となっている。

 また、燃焼時にはPM2・5の発生や、燃焼時の温度管理不備による発がん性物質(結晶質シリカ)の生成など、従来の処理方法では環境に悪影響を及ぼす可能性もある。

 同機は、もみ殻を燃焼させて「バイオ炭」を製造する装置。ヤンマーの独自技術により有害物質である結晶質シリカを生成しない燃焼方式でのバイオ炭製造を実現した。カントリーエレベータやライスセンターなど、大量のもみ殻処理に課題をもつ施設での導入を想定し、2023年からの実証試験を経て商品化した。バイオ炭は土壌改良効果で循環型農業に貢献するだけでなく、炭素を分解されにくい形で地中に長期間閉じ込めることでカーボンネガティブにも寄与する。

 〈脱炭素農業への貢献〉

 J―クレジット創出に対応=製造したバイオ炭を農地に施用し、炭素を固定することで「J―クレジット」(国が認証する温室効果ガスの排出削減・吸収量の取引制度)を創出し、資源循環型農業に貢献する。600度C超の高温炭化により、J―クレジット制度上の炭素残存率が通常のデフォルト値の約1・37倍で認定される。本機1台当たり年間100㌧のバイオ炭を製造し、160㌧―CO2の炭素固定が可能となる。

 みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画の認定を取得=同機に関する同社の事業計画は、みどりの食料システム法に基づく「基盤確立事業実施計画」として、2026年8月4日付で農林水産大臣・経済産業大臣より認定を受けた。同法では、認定を受けた基盤確立事業により生産される機械などを対象に「みどり投資促進税制」が設けられ、要件を満たす農業者などは税制上の特例措置を受けられる場合がある(対象機械や適用要件、手続きの詳細は農林水産省の情報を参照)。

 〈主な特徴〉

 ①化石燃料を一切使用せず、省エネと静音性を実現=着火は電気ヒーター(約3・2㌔㍗×1・5時間)のみで、それ以降はもみ殻の熱で自燃する。高温燃焼を実現し二次燃焼用バーナーも不要。24時間平均の消費電力が約1・5㌔㍗で省エネに寄与するとともに、運転にかかる動力を小さくすることで静音性も実現②発がん性物質「結晶質シリカ」を含まず、吸着性に優れた多孔質のバイオ炭を製造=独自の燃焼方式により煙・臭気・結晶質シリカの生成を抑制できる設計。高温炭化により、くん炭と比較して表面積が大きく、肥料などの様々な成分をより多く吸着できるバイオ炭を製造する。同機で製造したもみ殻バイオ炭は、農地の保水性や排水性の改善などの土壌改良材として安心して利用できる③省力化技術による24時間運転=自動化と遠隔監視システムによる省力化で、夜間を含めた24時間運転を実現。

 〈商品概要〉

 ▽商品名=もみ殻バイオ炭製造装置▽寸法=L×W×H(約20㍍×約9㍍×約6㍍)▽装置能力(定格)=もみ殻投入量100㌔/時、バイオ炭生成量約25㌔/時(含水率0%換算)▽連続運転可能時間=100時間

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