6年ぶりに基本方針改正、有機JAS取得支援/土づくり関連特集

有機農業の推進に関する基本的な方針は次の通り。
【有機農業の推進に関する基本的な事項】
▽みどりの食料システム戦略(令和3年策定)で有機農業の目標設定、食料・農業・農村基本法(令和6年改正)で「環境と調和のとれた食料システムの確立」を新たに基本理念として位置付け。みどり加速化GXプラン(令和8年6月策定)では世界で勝てる有機農業の面的拡大を施策として設定。
▽オーガニックビレッジ創出や学校給食での活用拡大、輸出の増加など我が国の有機農業の取り組みは徐々に拡大。
▽今後、広域供給に対応した産地の育成・強化と有機農業の意義・特徴の訴求等により供給力強化と需要拡大の好循環を形成するとともに、ネットワーク構築による技術の開発・普及等を進め、更に有機農業の拡大加速化を図る。
【基本的な事項】
▽更なる有機農業の取り組みの拡大加速化に向けて、供給力強化と需要拡大の好循環を形成▽低コストで安定的に広域供給が可能となるよう、産地の育成・強化、生産性向上、流通の合理化等を推進(供給力強化)▽有機農業の意義・特徴の訴求、販路の多様化、消費者ニーズに対応した商品の供給等を推進(需要拡大)▽取り組みを支える基礎として、ネットワーク構築による技術開発・普及、有機JAS制度を利用しやすい環境づくりを推進。
【有機農産物の生産拡大】
国は、地方公共団体と連携するとともに、関係団体や関係者の協力を得て、農業者等が円滑に有機農業に取り組むことができるよう、技術や経営に対するサポートや資材の調達の円滑化、有機JAS制度を利用しやすい環境づくり等に努める。
具体的には、▽新たに有機農業に取り組む農業者等に対し、普及組織、民間指導団体等による技術や経営に関する研修機会の充実▽農業大学校等における教育機会の充実▽新たな環境直接支払交付金による、有機農業への移行期の減収リスクにも対応し、一定期間で取り組みの定着・拡大を促す支援の検討▽農地の地力の維持・向上、炭素貯留に資する有機物の施用、耕畜連携の推進による堆肥の確保、地域資源循環のための体制構築、品質が確保された堆肥の施用の推進。
▽有機種苗を含む有機農業資材等について調達や有機JAS認証の取得を円滑化するための情報提供、地域ぐるみでの育苗生産技術向上等の有機種苗を確保しやすい環境づくり▽有機JAS認証取得に当たっての手続きの効率化、認証取得に関する分かりやすい情報提供、個人の事務負担の軽減に資するグループ認証の普及等、認証の信頼性を確保しつつ農業者が認証を利用しやすくなる環境づくり▽技術開発・普及を通じた単収向上や省力化等の生産性の向上―等の取り組みが重要。
有機農産物の生産拡大に当たっては品目別に栽培技術、商品特性及び市場環境が異なることを踏まえ、主な品目別の取り組みの課題と方向性として次の点に留意する。
①水稲=有機栽培技術は一定程度開発が進んでいる一方、除草等の労力が必要なこと、温暖化や異常気象により防除が難しい病害虫の拡大等が課題である。自動抑草・除草ロボット等の省力化技術や病害虫抵抗性品種の開発・普及を更に進めるなど、生産性の向上を図る必要がある。また、生産・販売の両面で地域の農業法人・団体等との連携を促すとともに、米加工品を含め、今後拡大が期待される海外市場への輸出に向けた取り組みの推進も重要である。
②麦・大豆=加工食品原料として需要が高いものの、輸入シェアが大きく、国産原料への転換に向けては、実需者ニーズにあわせた生産体制の構築や有機JAS制度に対応した加工処理施設の確保が重要である。水稲との輪作体系などの雑草抑制技術や病害抵抗性品種の開発・普及を図る必要がある。
③野菜=根菜類や葉菜類等を中心に栽培が行われているものの、有機栽培における病害虫や雑草の防除等の技術体系が確立されていない品目が多く供給が不安定、小ロットの流通によりコストが高くなること等の課題がある。病害虫抵抗性品種や省力化及び安定生産に資する技術の開発・普及を進めるとともに、集出荷拠点の確保や冷凍・カットなどの加工・産地間連携の取り組みを推進する必要がある。
④果樹=柑橘類を中心に更なる需要がある一方、有機栽培の技術体系が確立されていない品目が多く、特に病害虫対策に課題がある。有機栽培は、慣行栽培よりも収量や外観品質の確保が難しいことから、病害虫抵抗性品種の開発や生食での利用に対して消費者の理解の増進を図る必要があるほか、需要が高い有機加工品への対応を進める必要がある。
⑤茶=(略)
【産地づくり】
▽有機農業を核とした地域づくりや官民共創の取り組み、民間投資の促進▽産地間及び産地と消費地の連携(オーガニックブリッジ)の推進▽供給ロットの拡大、多様な販路に対応する安定供給体制の構築▽スマート農業技術等導入による生産性の向上▽共同利用施設の整備、集出荷の合理化、農業支援サービスの活用促進▽有機農業に取り組む農地の確保・団地化等の推進▽慣行農業を含む地域全体での生産・販売体制の構築に向けた地域の農業団体等の活動の後押し。
【技術開発・普及】
▽有機農業関係者が参加するネットワーク構築▽ネットワークを通じた栽培技術、機械・資材等の情報共有、技術・指導者へのアクセス向上▽品目・地域の実情に応じた技術等の研究開発の推進研究開発ニーズの共有、研究機関等へ研究開発の働きかけ▽ネットワークを通じた課題解決や指導員の情報入手円滑化による指導体制充実▽地域の実情に応じた技術体系の確立。
また、2030年目標として、▽有機食品の需要見通し3280億円▽有機食品の輸出見通し210億円▽有機食品の国産シェア84%▽週1回以上有機食品を利用する消費者の割合25%▽有機農業の取組面積6・3万㌶▽有機農業者数3・6万人―を掲げた。この2030年目標に向けた有機農業の推進のイメージとしては、有機農業が、オーガニックビレッジなどの地域のまとまった取り組みになってきており、今後、広域に供給できる産地を形成し、有機農業のさらなる拡大を図る。






