各社の対応:米・子牛の価格上昇が追い風/宮崎県特集

㈱南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/宮崎県下サービスセンター含む20拠点・107人)の2025年の実績は前年を上回った。
鳥越浩二営業本部長は、米価上昇に加え子牛価格も過去最高値に迫り、購買意欲の高さが数字を押し上げたと振り返る。大手の担い手層はスマート農機への関心が高く、県などの補助事業を活用した購入が目立った。
乾田直播については3年ほど前から実演を通じて提案を重ねているが、圃場ごとの適性など様々な要因が絡み、浸透は緩やかだという。
25年度の主要機の動向をみると、トラクタは35?60馬力が中心となった。田植機は山間部で4条植え、担い手層ではGS6条・8条植えの需要が多かった。コンバインは山間部で3条刈が主流の一方、担い手層は4?7条刈が中心。作業機はハローやあぜ塗り、スライドモアーなどの引き合いが多かった。このほか、ドローンや自動操舵システム、焼酎用カンショの収穫機なども伸びをみせた。
26年度は1?3月に拠点別の展示会・実演会を実施。4月以降は担い手農家を中心にGSトラクタや大型トラクタ「M7」シリーズなどの実演を進めている。7月の価格改定前の駆け込み需要にも対応し、8月までは計画通りに推移しているという。今後はラジコン草刈機の提案を強化する方針で、既にメーカー4社と実演会を開催し、盛況だった。11月には鹿児島県と合同で都城市にて畑作特化の展示会を予定し、ダイコンやニンジン、キャベツ、カンショなど一連の栽培体系に沿った実演・提案を中心に、担い手農家を中心とした多くの来場を見込む。
整備・修理サービスでは、入庫点検の呼びかけを強化。また、スタッフの技術力向上に向けて階層別の技術研修を定期的に実施し、段階的なスキルアップを図る仕組みを整えている。瞬間冷却パックや経口補水液などが入った熱中症緊急対応キットを各拠点に配置し、整備工場の屋根には遮熱塗装を施すなど、暑さからスタッフを守るための労働環境整備も整えている。
ヤンマーアグリジャパン㈱九州支社(増田広次支社長)南九州営業部・宮崎ブロックの2025年度の実績は、前年並みで推移した。圓目和博エリアマネージャーは、米価の高騰が追い風になり、コンバインの拡販につながったと話す。また、畜産では子牛価格が3?4割上昇し、生産者の購買意欲が向上したほか、園芸品目の価格も安定して推移した。特に抹茶ブームによる原料価格の高騰もみられるなど、品目によってバラつきはあるものの、県内農業は総じて堅調な1年だったという。
25年度の主要機の動向は、機械の大型化とともに、気温上昇を背景にキャビン付きへの引き合いも多かった。トラクタの主流は50?60馬力。田植機は直進アシスト仕様の8条植えが主流となったが、高千穂、延岡といった県北部では4条の需要が根強い。コンバインは4、5条刈の需要が多かった。高齢化を受け、遠隔操作が可能なラジコン草刈機の需要も拡大しており、省力化への関心の高まりがうかがえる。
26年度はアフターサービスを軸に繁忙時前後の点検推進や活動の強化を進める方針を掲げる。コンバインは在庫状況を踏まえ、新規販売に加えて点検受注を柱とした活動を計画。今後の部品・資材価格の上昇も見込み、早めの点検活動を呼びかけていく考えだ。
7月17、18日には「グランメッセ熊本」で南九州営業部の合同展示会を開催した。トラクタ「YT4S/5S」や「NK」シリーズ、田植機「YR06/08」など新製品の発表を中心に据え、盛況を博した。
今年度の推進機種は、直進アシスト付きトラクタやロボットトラクタなどスマート農機が中心となる。スマート農機を巡ってはセールススタッフの育成が近年の課題だったが、専門知識を持つエキスパートアドバイザー(EA)のポストを新設した。
今後はEAを中心に、大規模担い手層に対して実演を軸に普及を図る方針だ。各拠点でもそれぞれ独自に推進機種を打ち出す企画を展開しており、地域の実情に応じた提案営業に力を注ぐ。
整備・修理サービスでは、簡易診断活動と繁忙期前の事前点検により、受注拡大を目指す。このほか、整備スタッフを対象とした3カ年の育成計画を実施するなど、人材育成にも注力する。工場の熱中症対策としては、屋根や外壁に遮熱塗装を施したほか、空調服やスポットクーラーも導入し、労働環境の整備を進めている。
㈱ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷淸社長)南部営業部・宮崎事務所(整備センター含む9拠点・50人)の2025年度の実績は、前年比微増で推移した。
新体制がスタートして2年目を迎えたことについて三島靖エリアマネージャーは、事務的な社内変化はあるとしつつも、「社名は変わったが、お客様からの見え方は大きくは変わっていないようだ」と話す。
25年度は7月に価格改定を実施した。それに先駆け、2月に「グランメッセ熊本」で開催した展示会「初春感謝市in九州」で価格改定を顧客に周知したほか、6月には商談会を実施して駆け込み需要に対応した。こうした取り組みが奏功し、値上げ後の下半期も販売は堅調だった。通期の伸び率は110%程度になったとみられる。米価の上昇を受けて購買意欲は高まった一方、資材価格の上昇もあり、様子見の姿勢をみせる顧客もいたという。子牛価格も上昇し、畜産分野は持ち直しの動きがみられた。
同年度、主要機の動向は、トラクタは前年から概ね伸び、25?35馬力クラスの動きが良かった。宮崎県内では初めてロボットトラクタが成約し、畑作を行う顧客に導入された。田植機は5、6条植えが中心。コンバインは需要が旺盛だった一方、生産拠点の再編に伴い品薄状態となり、注文の一部は26年へ持ち越しとなった。
このほか、自動操舵システム「CHCNAV」やレベリングシステム、また、米関連の色彩選別機、保冷庫なども注文が多かった。
26年度は8月時点で、トラクタの台数が前年を上回るペースで推移しており、特に50?60馬力クラスの販売が好調。今夏発売したトラクタ「BJ」シリーズは、下半期の販売の軸に据える考えだ。
そのほか、「アイガモロボ2」の普及にも力を入れる。実演では大型の作業機を中心に据えつつ、レベリングシステムを使った実演の引き合いも強まっているという。背景には、乾田直播への関心の高まりがあるとみている。今後のイベントは、牧草関連メーカーとの合同実演会のほか、11月には合同展示会の開催を予定している。
整備・修理サービスでは、繁忙期前の点検を徹底。顧客に向けて声かけを強化している。また、スタッフの熱中症対策として、ファン付きの空調服を支給した。工場にはスポットクーラーを導入し、水分補給用の水も常備している。






