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令和8年8月10日発行 第3609号 掲載

個人販売店の動き:早めの受注を徹底/岩手県特集

 岩手農蚕㈱(松田和秀社長)では、1~6月では「農機だけで前年同期比132%、肥料、農薬など含めた全体では115%」(松田社長)と好調に推移している。
 機種としては、トラクタ、SS、ドローン、後付け自動操舵システムなどが堅調に推移しているという。「やはり米価の上昇で農家の所得が増えたため、特にスマート農業関係のドローンや、後付け自動操舵システムなどに購買意欲が向けられた」とみる。同社は、農業機械以外にも農薬、肥料、生産資材、飼料と、生産資材全般を使う農の総合商社として知られる。いわゆる〝モノ不足〟は資材関係でも顕著となり、値上がりもしている。「岩手県で強風があって、かなりハウスが被害を受けたが、ビニールがない。牧草のラップも不足している」と、状況を説明してくれた。
 昨年度は、岩手の県単事業で、スマート農機への補助金が2分の1補助で1億3000万円ほどつき、さらに追加で1億円近くの予算が措置された。「岩手県では今までなかったので、そういう補助金が出てくるのはありがたい。それを使いながら、スマート農業を普及していかないといけない」と、さらなる事業展開に期待する。また、奥州市の事業で、3分の1補助で上限50万という補助金がついた。これは、兼業農家も対象となっており、「兼業農家にとって50万円は大きい」と、こうした行政支援の動きを歓迎する。
 これら様々な情勢を見極めながら、生産資材の安定供給を図っていく。
 鈴木農機㈱(鈴木雅斗社長)では、6月までの動きは「前年比10%程度の伸び」(鈴木社長)と好調に推移。とくに、コンバイン、乾燥機が良かったという。また、作業機も好調で、ロータリ、ハローや草刈り関連が良く動いた。
 入荷については「先を見越した発注をしているので、ヤンマー製品に関してはそこまでではない」と、比較的スムーズな納品が行われている。
 同社では、こまめに個別実演を行い、実際に体験してもらって販売につなげるという営業スタイルを強みとしており、多いときは週に2~3カ所の実演をこなす拠点もある。最近は、作業機をメーンとした実演を行うことも多く、特に「ヤンマーのディスクロータリは人気が高い」とし、トラクタとのマッチングをアピールしていく。
 米価の動向など今後は不透明感もあるが「そうした浮き沈みに左右されずやっていけるかどうか、真価が問われている」と話す。「市場がどうであれ、お客様のお手伝いをすることができれば、地域の農機店として役割を果たせるのかなと思います」と、ぶれない経営を貫いていく。
 岩手展では、ヤンマートラクタ、田植機の新製品のデモに加え、ヤンマー小型電動農機を展示する予定で、ヤンマーの最新技術をアピールする。
 阿部農機㈱(阿部洋司社長)では、「弊社のように中山間地で畑作中心の地域でも米価高騰による恩恵は大きいように感じる。特に、担い手農家の場合、水稲と野菜、畜産、葉タバコ、雑穀の複合経営が主体なので、米価高騰により農機に対して購買意欲は確実に高まっている」と、米価の影響を実感している。「昨年の稲刈り以降から6月までは、対前年比で120%で、トラクタとコンバインの動きがいい」と好調に推移した。
 特にコンバインは昨年の2倍以上の受注があり、特にYH448EJU(共同購入コンバイン)の割合が多い。
 トラクタは、直進アシスト付き、自動操舵システムを装着しての購入が多く、30馬力以上では7割ほどが自動操舵付きで販売している。後付けの自動操舵システム装着も増えている。最近の動きとして「畑作の管理作業用に装着するケースが増えている」という。「畑作の管理作業では、畝立て、除草、収穫作業において水稲以上に正確なハンドル操作が必要になるので、さらなる普及を期待している」。
 岩手展では今年も中古機を出品する。「今年は中古機の販売も増えていて、品薄だが、6~7台出展したい。全国展までに点検整備を完了したい」と、万全の状態で中古機を送り出す。
 今後の秋商戦に向けては、「来シーズンに向けて予約推進をしている。特にハロー、畦塗りについても今、注文しないと春作業に間に合わないので、早期受注、早期発注に努めたい。水稲関連の商品を中心に品薄の状況はしばらく続くと思う。秋の稲刈りが終了したら来年に向けての秋商品、春の田植えが終了したら来春に向けての春商品の推進」と、早期受注を徹底していく。
 同社では、昨秋頃から品不足を予測して、早めの在庫確保に動いていた。
 今後、水稲農家中心として規模拡大に対応するため、スマート農機を積極的に提案していく。また、「田植えの省力化として、乾田直播が注目されているが、弊社の地域では大規模水稲農家の件数が限られているので、引き続き密苗を推進していきたい。ヤンマーの新型のYRシリーズは密苗から慣行苗まで対応できるようになったので、大規模水稲農家や田植えを受託していて密苗と慣行苗を併用する農家にも推進しやすくなった」と新製品に期待する。
 山一本店(田中和彦社長)は、「三菱マヒンドラ農機の解散を受けて」と題して「山一ニュース」(復活43号)を発行した。田中社長のあいさつ要旨は次の通り。
 私自身昭和50年に山一に入社して以来、「せかいの三菱あなたの山一」のキャッチフレーズの下、社員と一丸になって三菱農業機械、特にもトラクタの販売普及に全力で取り組み、 多くの皆様にご愛顧いただいておりましたので、この事態には大きな衝撃を受けました。
 「三菱はなくなっても山一をなくしてはいけない。絶対に続けていく」、今こそ創業者精神「お客さま第一」の教えを守り、社員一丸となって頑張っていくと強く決意しました。「三菱の部品供給、製品保証業務については新会社を設立し、フォローしていく」との三菱の説明を受け、山一の責任でこれまで同様のアフターサービスに努めてまいります。2年後に迫った創業110周年に向けて決意を新たに頑張っていく所存です。
 田中社長は「クボタ、ヤンマー、ヰセキ、その他主要メーカー様の協力を今まで以上にいただけることとなり、すでに販売も行った。岩手の友和的なつながりのおかげ」と感謝の意を表した。

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