販社の動き:スマート農機で大規模経営に対応/岩手県特集

㈱みちのくクボタ(矢部健社長)では「当社の場合、トラクタ、コンバイン、田植機の、計画に占めるウエートがものすごく高いというわけではないので、現在の在庫状況を踏まえて、関連商品や整備事業のウエートが高くなっている」と石田善孝取締役専務執行役員アグリ事業本部長。
今年は「直播に関する問い合わせが多くなった。乾田直播への関心が高くなってきている」という。岩手県では、乾直でメリットが出るような大規模経営が少ないが、直播と移植を組み合わせた経営が増えてくるとみられ、「移植だけに頼らない栽培方法を検討することが大規模化に重要な取り組みになっていくと思う」と注目している。
同社では9月1日に八幡平市に「北いわて中央」をオープンする(別掲)。「集約化で経営効率や生産性を高めるという狙いのほかに、社員の労働環境の改善という目的もある」と。人員を増やすことで勤務体系のローテーションが組みやすくなり、休暇が取りやすくなる。同社では近年、こうした労働環境の整備や若手育成に力を入れており、活気ある職場から、キャッチフレーズである〝真っ先に選ばれる会社〟を目指す。
ヤンマーアグリジャパン㈱北東北営業部岩手ブロックの福原勝エリアマネージャーは「去年から引き続き堅調に推移している」とし、納品に関しても「作業機や秋物商材など一部機種では遅れも見られたが、主要機に関しては大きな影響はなく、全体としてスムーズに納品はできた」と話す。
好調は続いているものの「まだ米の価格はそこまで下がっていない感じだが、いずれそうなった場合を見据えた動きをしないといけない」とした上で「うちは今年の春商戦が終わってからの展示会イベントは行っていないが、お客様に合った機械を提案するということで継続的に訪問し、個別実演を主体にやってきた」と、取り組みを振り返る。特にトラクタについては、自動操舵機能の需要の高まりとともに、ディスクロータリの人気が高まっている。プラウ耕をするよりも、馬力を食わずに、土壌水分の多い圃場でも作業できる点などが評価されているという。
福原マネージャーは「私のこだわりとして」と前置きした上で「岩手県で水稲直播を普及していきたい」と意欲を示す。「今後、担い手農家が規模拡大を進めるためには、ヤンマーの強みである密苗と直播の組み合わせが有効」と見込む。昨年の岩手全国展に合わせて直播の講習会を行ったところ、好評だったことを受け、今年も10カ所ほどで乾田直播の講習会を実施している。同社では、ドリルシーダー方式ではなく、50~60馬力トラクタで取り組めるV溝播種機とスリップローダーを推進している。「播種して終わりではなく、その後の生育まで技術助言をしていくことで、担い手農家から〝信頼できるヤンマー〟として受け入れていただけるのではないか」と意気込む。
これからの担い手農家の規模拡大に親身に寄り添う技術提案で、顧客との関係を深めていく。
㈱ISEKI Japan東北カンパニー岩手営業部では、「昨年からの米価の動向がかなり追い風になり、今年1~6月では、ヰセキ製品だけで計画比114%、全体の総金額では108%となった」と髙橋武常務理事岩手営業部長。「ただ、昨年は7月に値上げがあり、5、6月はかなり上振れしたこともあり、前年同期比(実績)ではヰセキ製品87%、総金額では横ばいといったところ。計画は大きくクリアしているので、良い数字なのではないか」と評価する。
今年はフラッグシップモデルのジャパンシリーズに、BJトラクタ、HJコンバイン、PJ田植機の〝三銃士〟がリリースされた。「大規模農家向けに強力にアピールし、受注につなげていきたい」と、新製品の推進に意欲を示す。コンバインに関しては来年以降になるが、トラクタ、田植機は年内に入ってくるものもある。「BJトラクタはオートマチックなど乗りやすいと、お客様からはかなり高い評価をいただいている」と自信を示す。
ドローンの普及も進んでいるが、NTT製を井関の推奨商品として推進している。「国産はメンテナンス、部品対応などが充実している」と、メリットをあげる。
8月の値上げを前に、6月には花巻で展示会を開催。後半戦のアピールのため、トラクタ自動操舵、作業機、草刈機、ドローンなどの実演を行い、今後につなげた。


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