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令和8年10月26日発行 第3619号 掲載

各社の対応:農機ショーで新技術を展開/秋田県特集

 ㈱秋田クボタ(白石光重社長)の昨年実績を佐藤俊彦取締役営業本部長は「創業以来の好業績」と捉えた。

 米価の上昇がこれまで機械購入を控えていた生産者の高い需要喚起へとつながった。昨年末にかけ商品の需給状況が危ぶまれる中、早期の予約がみられ、本機だけでなく乾燥機等の関連商品の注文も多く寄せられた。結果、昨年実績はトラクタをはじめ、田植機、コンバイン、乾燥機、作業機械関連すべての商品で伸長した。

 本年6月に実施した展示会「サマーフェスティバル」では家族連れなど多くの来場者で賑わいを見せ、今年も昨年からの追い風が続いているとの感触を得た。

 一方で佐藤本部長は「国際情勢の影響等もあり、機械の生産が間に合わず、顧客に迷惑をお掛けしていることには率直にお詫びしなければならない」とも述べている。9月に概算金が発表され、農家のモチベーションも下がりつつある中、今回、由利本荘市で開催される秋田県農業機械化ショーは大きな山場となりそうだ。「今回の農機ショーで、予約をいかにいただけるかが来年以降の情勢を大きく左右すると感じている」(佐藤本部長)とも。

 スマート農業関連ではドローンが法人のみならず個人の担い手でも導入が進んで大幅に伸び、更新需要も出ている。また、直進機能付き農機の販売が主流となり、KSAS会員も増加傾向にある。RTK基地局も全県すべてをカバーしており、インフラは整っている。佐藤本部長は「自動運転のトラクタ、田植機、コンバインも区画整理や法人内での資格取得などの諸条件が整えば、普及に拍車がかかってくると思われる」との見解を示した。

 アフターサービスについては、コンバイン、田植機の整備台数は増加傾向にあり対応に苦慮している。お客様の要望に応えるべく各営業拠点で対応する一方で、サービススタッフの労働時間の問題、工場のインフラ整備、人員不足など課題は山積している。

 今回の農機ショーの出展内容は、乾田直播を中心に、スマート農業、RTK、KSAS、Jクレジットなどを関連付けながら相談窓口を設けて展示していく。佐藤本部長は、「スーパー担い手、担い手のお客様向けの展示がメーンとなるが、一般農家の皆様にもしっかりと対応できるよう頑張っていく。例年と変わらず収穫後の慰労の気持ちを持って来場される皆様をお迎えしたい」と述べている。

 ヤンマーアグリジャパン㈱東北支社(樋口昭彦支社長)の昨年実績は、前年を大きく上回った。北東北営業部秋田ブロックの渡辺琢弥エリアマネージャーは「過去に経験したことのないほどの売上げ」と振り返った。新規受注は好調に推移し、機械の供給も順調に進んだ。トラクタ、田植機、コンバインの主要3機種はいずれも前年実績を上回った。「多くの受注に対し、きちんとお客様に機械をお届けできるのか、という思いもあった」と渡辺エリアマネージャー。乾燥調製などの関連製品も同様に好調だった。整備についても例年より重点的に費用をかけるケースが増え、主要機の需要との相乗効果がみられた。

 実演は各拠点に実演機を配備して実施。今年は各拠点にトラクタを配備し、田植機の実演へもつなげていった。秋作業に向けコンバインも同様に配備した。展示会は農機ショーに絞って実施。同ブロックの佐藤三寛課長は「手応えは大きかった。昨年の農機ショーは今までにない受注。生産者は欲しいものを確認しに来場するような雰囲気だった」と述べた。展示会だけでなく、試乗による実演からお客様の課題解決につなげ、具体的な導入に結実した。導入する機械を決められなかった生産者が秋田県種苗交換会に来場する流れは従来と変わらないが、受注数は一昨年より大きく増加した。

 今年もその勢いは衰えず、主要3機種はいずれも前年を上回って推移。秋作業の関連製品やライスセンター等のプラントも好調だ。

 ドローンについても前年を上回る受注及び出荷となった。田植機やトラクタでは直進機能付きの機種の導入が進み、スマート農機の需要も大きくなってきている。トラクタの高馬力帯ではより高機能な後付け自動操舵の割合が増加している。スマート農業関連の補助事業が大きく牽引しており、自動操舵の有無で補助事業の内容が大きく変化するため、購入者の多くが自動直進機能の有無や精度をより重視する傾向が強まっている。

 密苗の普及率は増加傾向。新規ならびに更新を図る生産者の7割以上から要望される技術となる。密苗田植機の汎用性が高く、植付け精度が高いため、密苗以外の機能を評価して購入するケースも目立つ。乾田直播も大規模農家を中心に増加。渡辺エリアマネージャーは「規模拡大と省力化には欠かせない技術。圃場環境や好みに合わせて、幅広く提案している」と話す。

 アフターサービスは昨年以来さらに増加しているが、農機を運搬する車両を増車し、1人で重作業させない体制を作って対応し、安全対策を含めた環境整備に力を入れる。「農家戸数減少に伴い、アフターの件数も減少しているが、機械の大型化で1件当たりの時間は伸びている」と言う。

 農機ショーでは、「スマート農機化宣言」と銘打ちPRする。もちろん、各種乾田直播関連、米価の下落に合わせた複合経営提案、由利本荘という地域特性に合わせた畜産関連製品も展示して来場者を迎える。

 ㈱ISEKI Japan東北カンパニーの秋田営業部(今野弘樹部長)の昨年実績は米価上昇に加え価格改定の影響もあって、前年を大幅に超える契約となった。主要3機種ではトラクタ、田植機、コンバインとも顕著な伸びを示した。昨年受注分は時期前の納車を目指したものの、若干遅延した機械もあった。3機種以外の関連商品も総じて好調で、3機種を上回るほどの受注。こちらは一部製品で時期に間に合わないものもあった。6月に秋田営業部敷地内で開催した展示会や昨年の農機ショーを振り返って今野部長は「来場数は例年より少し多いかなという感じ。来場されたお客様は購入意欲が高く、目的を持ってこられていた」と述べた。実演は製品不足で縮小傾向だった。

 今期実績は、米価上昇の勢いそのままに計画を達成。前年比でみると井関製品がやや落ちたものの、トータル実績でみれば好調が続く。在庫不足感は否めず、「物があれば、さらに実績を積み上げられた」と今野部長。

 今期の実演はモア関係を中心に、電動バッテリーシリーズの「EGO」、自動操舵のCHC―NAV、NTTeドローンなど、関連商品に注力して実施してきた。その活動も手伝って、関連商品の売れ行きは衰えず、今年は井関製品の金額に迫る受注金額となっている。

 今年発表された新製品のHJコンバインは来シーズン納車分の受注は停止せざるを得ないほど。BJトラクタ、PJ田植機はやや遅れ気味ながら、順調に入荷している。

 アイガモロボは平年並みに販売。除草剤を減らせることから、有機栽培だけでなく慣行栽培の農家にも広く受け入れられてきている。電動化促進事業の対象機種となっているためそれも踏まえて提案している。CHC―NAV、ドローンも昨年以上の好調で推移している。

 アフターサービスは、昨年秋以降、沢山の顧客から機械の整備を受注。仕事量が多かった。米価が落ち着いたことから今野部長は「また例年の整備機台数程度に戻る」と予想。今後ますます大型機に対応できる整備体制への強化を行っていく考えだ。

 今回の農機ショーでは、新製品のBJトラクタ、PJ田植機、HJコンバインのJAPAN三銃士をメーンに展示。セミナーなどを開催した乾田直播関連製品やアイガモロボ、ドローン、CHC―NAVなどのスマート農機、電動バッテリーシリーズEGOもアピールしていく。

 また、草刈り関連は農業以外の造園業などの異業種にも拡販すべく注力していく。

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