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令和8年11月2日発行 第3620号 掲載

各社の動向:米価上昇で需要高まる/佐賀県特集

 ㈱福岡九州クボタ(大橋健太郎社長、佐賀県内14拠点、従業員96人)の2025年度実績は、売上高が前年比約102%となった。佐賀県を担当する成清等部長は、米価上昇が追い風となった一方、それが必ずしも売上高に直結したわけではなかったと振り返る。コンバインに加え、乾燥機や色彩選別機、籾すり機などが品薄となり、納品が年度をまたぐケースもあったという。

 主要機の動向をみると、トラクタは自動操舵システムを装着した実演が奏功し、前年を上回った。比較的安価な「ST25」や「SL350SP」が好調だったほか、「SL600」も販売を伸ばした。田植機も前年を上回り、4条植えを中心に、6~8条植えにも動きがみられた。コンバインは例年並みだったが3条刈が堅調に推移し、5・6条刈も動いた。このほか、ラジコン草刈機も伸長した。

 26年度は、1~9月の実績が前年を上回るペースで推移している。7月に価格改定を実施したが、これに先立つ3月には福岡・長崎で合同展示会を開催。佐賀県内でも白石町で展示会を開いた。成清部長は、価格改定前の購入需要を取り込めたことが、好調の主な要因だと説明する。今後は自動操舵システムを装着したトラクタの実演に力を入れる。

 また、佐賀県が園芸農業産出額888億円を目指して展開する「さが園芸888運動」に合わせ、果樹や露地野菜の生産者に向けた防除用ドローンの販売促進にも取り組んでいる。11月には福岡・長崎で再び合同展示会を開催する予定だ。

 整備・修理サービスでは、顧客が安定して農作業を進められるよう、繁忙期の前後における点検整備の呼びかけを強化している。一方で、働き方改革として従業員が休みを取りやすい環境づくりと人材育成を目指し、従来の顧客対応から、営業・サービスの「チーム営業」への移行を進めている。また、年間休日は前年度の110日から、26年度は125日に引き上げ、土日祝日の休みを基本とした。繁忙期に限り、土日祝日も顧客対応ができるようシフト制を導入している。営業所の統合によって人員体制を強化し、従業員の休日確保と顧客対応の両立を図った。成清部長は「佐賀から九州の働き方モデルを発信したい」と意欲を示した。

 ヤンマーアグリジャパン㈱九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部、佐賀ブロックの25年度の実績は前年並みで推移した。下村直哉エリアマネージャーによれば、米価の上昇が追い風となり、大型農家を中心にトラクタの増車が相次いだ。コンバインに関しては、買い替えに加え、中山間地域でも組合による共同購入が以前より増えた。ヤンマー全体でも受注を伸ばし、26年4月の価格改定前に注文が集中。4条・6条刈クラスの一部は、納品に時間を要するケースもあった。田植機も同様の傾向がみられた。そのため、時期が来てから在庫を売るのではなく、前もって購入を勧める形に切り替えていると話した。トラクタは50馬力クラスが主流。平野地域では70~100馬力の大型機も動いた。乾燥施設の需要も堅調だった。大型施設の新設や増設の案件が増え、個人ライスセンターの機械全入れ替えの相談などもあった。

 26年9月までの状況は、平野地域では納品待ちが続く中でも売上げは落ちていない。一方で、中山間地域は減少したという。高齢化や後継者不足などを背景に、機械更新に慎重な動きがみられるとしたが、今後も担い手農家との関係を深めていく方針だ。

 トラクタ・田植機に自動操舵システムを装着し、各拠点に実演機を置いて販促に取り組んでいる。自動操舵システムはJAの助成金の後押しもあり、売上げが伸びている。保有するトラクタ全てに自動操舵システムを取り付けた顧客もいたといい、トラクタが動く時期には、屋根に取り付けた同システムのアンテナが目立つようになったという。営業の人材育成では、1人での活動に限界があるため、ペアで動く体制や、機種や商材に特化した研修会を開催している。

 今後のイベントは、下期に九州各地で中古機展示会を開く予定だ。各拠点にある中古機を一同に集めて展示する。野菜関係の需要増を見込み、勉強会や実演会も開く。

 整備・修理サービスでは、事前点検の呼びかけを強化している。顧客のマシンダウン防止を前提としつつ、「いつでも修理に来てくれる」という従来の対応を改め、スタッフの休みを確保するため、日頃から機械を整備する体制へ移行している。

 ㈱ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷淸社長)北部営業部・佐賀系統SSの25年度の実績は、前年売上げ比で約150%となった。岡健太所長によれば、1~3月は前年をやや上回る程度だったが、その後、7月の価格改定を前に受注が伸び、平年の約2倍に達したという。トラクタ、コンバイン、田植機の全てで前年の出荷台数を上回った。米価の上昇で顧客の購入意欲が高まったと説明した。特にコンバイン「HFR4050(4条刈・50馬力)」は、JAの共同購入機に対抗する価格帯で売上げを牽引した。田植機は、装備を絞って価格を抑えた6条植えが最も伸びた。

 26年度は、9月までの売上げは昨年度ほどではないものの、平年より微増で推移した。26年2月のJA「さが農業まつり」は10万人超が来場したが、同社のブースに限れば来場数は例年並みの印象だったという。7月以降はコンバインを中心に在庫が不足している。しかし、10月から年内にかけて供給量が増える見通しの前述のコンバインを軸に、販売を強化する。併せて新型の小型トラクタ「BB」シリーズや、大型「BJ」シリーズの実演も推し進める。

 スマート農機では、自動操舵システム「CHCNAV」が、JAの助成金の後押しもあり、販売台数が25年度に比べて約2倍になった。国内の販売代理店が在庫を確保しているため、供給も安定しているという。

 自動抑草ロボット「アイガモロボ2」は、今年度の販売が1台程度に留まるので、佐賀市とJAが共催する「スマート農業現地研修会」で展示し、訴求する。

 整備・修理サービスでは、修理工賃の見直しは特段ないが、市場の状況に対応できる体制づくりのため、人員の補充や育成を進める。

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